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助動詞(2)「せる・させる」

助動詞「せる」「させる」の意味・活用・接続について見ていきましょう。「せる」と「させる」とでは、それぞれ接続のしかたがちがいます。

▼ 「せる」「させる」の意味

助動詞「せる」「させる」の意味をみていきましょう。

まずは次の例文からです。

● メンバーが 集まる。(例①)

● キャプテンが メンバー 集まら せる 。(例②)

● 監督が キャプテン メンバーを 集め させる 。(例③)

わかりやすく、例①の文からスタートしましょう。この文の主語は、「メンバー」です。「メンバー」が「集まる」という動作をしただけですね。

例①の文の終わり(述語)に助動詞「せる」を加えてみましょう。文末に「せる」が加わることによって、「キャプテン」が主語で、「メンバー」は【―を】のかたちの文節(修飾語)に変化します。こうすることで、「キャプテン」が「メンバー」に「集まる」という動作をさせるという意味に変化しました。それが例②の文です。

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さらに、例②の文に手を加えてみましょう。まず、「集まらせる」ということばを同じ意味の「集める」ということばに言いかえます。

「キャプテンが メンバーを 集める」になりますね。

そのうえで、この文の終わり(述語)に助動詞「させる」を加えてみます。今度は、主語が「キャプテン」から「監督」になり、もと文の主語であった「キャプテン」は、【―に】のかたちの文節(修飾語)に変化します。例③の文がそれです。そして、文の意味は、「監督」が「キャプテン」に「メンバーを集める」という動作をさせるという意味に変化しました。

***

以上のことから、「せる」「させる」という助動詞は、他になんらかの動作をさせるという意味をあらわすことがわかります。これを使役しえきと言います。「せる」「させる」は、使役の意味をもつ助動詞なのですね。

「せる」「させる」が文末に加わることで、文の組み立てが変わるということも心に留めておいてください。その際、「せる」「させる」が自動詞につくか他動詞につくかによって微妙に文の組み立てが違ってくることに注意しましょう。上の例でいうと、「集まる」は自動詞で、「集める」は他動詞です。「集まる」を「集まらせる」に変える場合(例①→例②)は、もとの文の主語が【―を】のかたちの修飾語に変わりました。これに対して、「集める(集まらせる)」を「集めさせる」に変える場合(例②→例③)には、もとの文の主語が【―に】のかたちの修飾語に変わっています。

★ まとめ ★

【助動詞「せる」「させる」の意味】

○ 「せる」「させる」は、使役(~させる)をあらわす。

▼ 「せる」「させる」の活用

助動詞は、活用する語です。「せる」「させる」も助動詞ですから活用します。それでは、「せる」「させる」という助動詞はどのように活用するのでしょうか。

例として、「行かせる」「見させる」を活用させてみましょう。

● 行か せる 。 → 行かない 行かます 行かせるとき 行かせれば 行かせろ(行かせよ

● 見 させる 。 → 見させない 見させます 見させるとき 見させれば 見させろ(見させよ

これを赤字の部分だけを抜き出して活用表のかたちにまとめると、次のようになります。助動詞にも、活用形の種類があることに注意してください。

【表】助動詞「せる」「させる」の活用表

基本形 未然形 連用形 終止形 連体形 仮定形 命令形
せる せる せる せれ

せろ

せよ

させる させ させ させる させる させれ

させろ

させよ

続くことば ナイ マス

(言い切る)

トキ

(命令して言い切る)

★スマートフォンの方は、横にスクロールさせてください。

この活用表を見てあることに気づかれたかもしれません。ある動詞の活用のしかたに似ていますね。そう、「せ」がサ行のエ段であることに注目すると、下一段活用の動詞と同じような活用のしかたをしていることがわかると思います。

このように、「せる」「させる」は、下一段動詞型の活用をする助動詞です。ただ、動詞とちがって、語幹と活用語尾の区別はありません。

★ まとめ ★

【助動詞「せる」「させる」の活用】

○ 「せる」「させる」は、下一段動詞型の活用をする。

▼ 「せる」「させる」の接続

助動詞は付属語ですから、かならず他の語のあとに続けて用いられます。「せる」「させる」も助動詞ですから、他の語のあとに続きます。では、どのような語に続くのでしょうか。

次の例でかんがえてみましょう。

● 知ら せる  努力さ せる

● 感じ させる  受け させる   させる

「知ら(せる)」は、「知る」という動詞の未然形です。残りの「努力さ(せる)」「感じ(させる)」「受け(させる)」「来(させる)」もすべて動詞の未然形です。このように、「せる」「させる」という助動詞は、動詞の未然形のあとに続きます。

「努力させる」の助動詞は「せる」と「させる」のどちらなのかまぎらわしいですね。もし「させる」のほうだとするならば、「させる」が「努力」という名詞にくっついていることになります。でも、「させる」は動詞の未然形につく助動詞ですから、それは正しくありません。この場合は、「努力さ」が「努力する」という一語の動詞の未然形であると考えましょう。「努力さ」+「せる」です。

ただし、動詞の未然形であれば、「せる」「させる」のどちらがついてもよいというわけではありません。たとえば、「行かせる」とすることはできますが、「行かせる」とすることはできません。「せる」が続くのか、それとも「させる」が続くのかは、動詞の活用の種類によって決まっています

あらためて上の例を見てみますと、「せる」がつらなる動詞である「知る」「努力する」は、それぞれ五段活用サ行変格活用(サ変)の動詞です。一方、「させる」がつらなる「感じる」「受ける」「来る」は、それぞれ上一段活用下一段活用カ行変格活用(カ変)の動詞です。

★ まとめ ★

【助動詞「せる」「させる」の接続】

○ 「せる」「させる」は、ともに動詞の未然形に接続する。

① 「せる」は、五段・サ変動詞の未然形に接続する。

② 「させる」は、上一段・下一段・カ変動詞の未然形に接続する。

▼ 練習問題で理解度チェック

【問題1】

次の各文を、主語を「母」にして使役の助動詞を用いた文に改めなさい。

(1) 妹が買い物に行く。

(2) 弟が窓を閉める。

【正解】

(1) 母が妹を買い物に行かせる。

(2) 母が弟に窓を閉めさせる。

【解説】

使役の助動詞を加えて使役でない文を使役の文に変える問題です。(1)のように使役でない文の述語が自動詞である場合は、使役の文に変えることで、もとの文の主語が【―を】のかたちの修飾語になります。これに対して、(2)のように使役でない文の述語が他動詞である場合は、使役の文に変えることで、もとの文の主語が【―に】のかたちの修飾語になります。

【問題2】

次の各文中から使役の助動詞を探し出して、その活用形を答えなさい。

(1) 子どもを道路で遊ばせない。

(2) 父は子に面白い話を聞かせた。

(3) ずっと練習させれば、うまくなる。

(4) もっと食べさせろ。

【正解】

(1) 未然形  (2) 連用形  (3) 仮定形  (4) 命令形

【解説】

使役の助動詞「せる」「させる」は、下一段動詞型の活用をします。したがって、下一段動詞と同じように活用形とその用法(続くことば)をかんがえていきます。「ない」がつくのは未然形、「た」がつくのは連用形、「ば」がつくのは仮定形、命令して言い切るのは命令形です。

**

【問題3】

次の各文中の( )に、「せる」か「させる」のいずれかを適当な活用形にしてあてはめなさい。

(1) 先生が生徒に文法を学ば( )。

(2) あなたにケーキを食べ( )てあげたい。

(3) 彼をここに来( )ばよい。

(4) かわいい子には旅をさ( )。

【正解】

(1) せる  (2) させ  (3) させれ  (4) せよ

【解説】

「せる」も「させる」も、どちらも動詞の未然形に接続します。ただし、「せる」は五段・サ変動詞に接続し、「させる」は上一段・下一段・カ変動詞に接続します。設問文中の( )の直前の動詞はすべて未然形ですが、それぞれ活用の種類がちがいます。いずれであるかを判断してから、( )の直後に注目してその箇所にふさわしい活用形を考えましょう。

▼ コメント

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コメント: 2
  • #1

    福島 (土曜日, 21 1月 2017 11:26)

    助動詞せる、させるの活用表のさせるの未然形、連用形。間違ってると思います。あと、問題3の(3)の解答も間違ってると思います。

  • #2

    管理人 (土曜日, 21 1月 2017 12:26)

    ご指摘ありがとうございます。間違っていた箇所を訂正いたしました。

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