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助動詞(3)「れる・られる」

助動詞「れる」「られる」の意味・活用・接続について見ていきましょう。「れる」「られる」には、四つの意味があります。また、「れる」と「られる」とでは、それぞれ接続のしかたがちがいます。

▼ 「れる」「られる」の意味

助動詞「れる」「られる」の意味をみていきましょう。「れる」「られる」には、次の四つの意味があります。

それぞれ例文を見ながらかんがえていきましょう。

(1) 受け身う み

● 他人 笑わ れる 。

● 観客から 声援を かけ られる 。

「笑われる」というのは、他人の「笑う」という動作を話し手が受ける意味をあらわしています。同じように、「かけられる」は、観客の「かける」という動作を話し手が受ける意味をあらわしています。いずれも、【―に】【―から】のかたちの文節が動作をする人(他人、観客)をあらわしています。

このように、話し手が他からなんらかの動作を受けること受け身と言います。「れる」「られる」の一つめの意味は、この受け身です。

(2) 可能かのう

● 登ら れる ところまで 登ろう。

● ここまでは 覚え られる 。

「登られる」は、「登ることができる」という意味をあらわしています。同じように、「覚えられる」は、「覚えることができる」という意味です。

このように、「~することができる」という意味可能と言います。「れる」「られる」の二つめの意味は、可能です。

「登られる」は、五段活用の動詞「登る」の未然形に助動詞「れる」がついたかたちです。しかし、可能の意味でこのようなかたちを用いることはあまりありません。ふつうは、五段活用の動詞に対応する可能動詞を用います。たとえば、五段活用の動詞「登る」に対応する可能動詞は「登れる」ですが、「登られる」という言い方よりも「登れる」という言い方のほうがふつうです。

(3) 自発じはつ

● 故郷が しのば れる 。

● 母の ことが 案じ られる 。

「しのぶ」は、なつかしく思い出すという意味。「しのばれる」というのは、自分がそうするつもりがなくても、ひとりでに(自然に)なつかしく思い出してしまうという意味をあらわしています。「案じる」(心配する)も、「案じられる」とすることで、そうするつもりがなくても自然に心配してしまうという意味をあらわします。

このように、話し手の動作が自然におこること自発と言います。「れる」「られる」の三つめの意味は、自発です。

(4) 尊敬そんけい

● 先生が 話さ れる 。

● お客様が 来 られる 。

「話される」は、どのような意味でしょうか。先生自身がする動作ですから受け身ではありません。「話す」ことはふつうのことですから、わざわざそれが「できる」と説明する必要もないことです。また、「話す」ことはそうするつもりですることがふつうですから、自発というのもなにか変です。「来られる」についても同じことが言えます。

この例文の「話される」「来られる」は、目上の人を立てる意味をあらわしています。「先生」や「お客様」が自分より目上の人であることを「れる」「られる」を用いてあらわしているのですね。

このように、人の動作をたてることによってその人をうやまう気持ちをあらわすこと尊敬といいます。「れる」「られる」の四つめの意味は、尊敬です。

★ まとめ ★

【助動詞「れる」「られる」の意味】

① 受け身 (他に~される)

② 自発  (自然にそうなる)

③ 可能  (~することができる)

④ 尊敬  (人をうやまう)

▼ 「れる」「られる」の活用

助動詞は、活用する語です。「れる」「られる」も助動詞ですから、活用します。それでは、「れる」「られる」はどのように活用するのでしょうか。

例として、「言われる」「食べられる」を活用させてみます。

● 言わ れる 。 → 言わない  言わます  言われるとき  言われれば  言われろ(言われよ

● 食べ られる 。 → 食べられない  食べられます  食べられるとき  食べられれば  食べられろ(食べられよ

これを赤字の部分だけを抜き出して活用表のかたちにまとめると、次のようになります。助動詞にも、活用形の種類があります。

【表】助動詞「れる」「られる」の活用表

基本形 未然形 連用形 終止形 連体形 仮定形 命令形
れる れる れる れれ

れろ

れよ

られる

られ

られ

られる られる られれ

られろ

られよ

続くことば ナイ マス

(言い切る)

トキ

(命令して言い切る)

★スマートフォンの方は、横にスクロールさせてください。

この活用表を見てあることに気づきませんか。動詞の活用のしかたを思い出してください。「れ」がラ行のエ段であることに注目すると、下一段活用の動詞と同じような活用のしかたをしていることがわかると思います。

このように、「れる」「られる」は、下一段動詞型の活用をする助動詞です。ただ、動詞とちがって、語幹と活用語尾の区別はありません。

**

一点だけ注意しておきたいことがあります。それは、「れる」「られる」には、受け身・可能・自発・尊敬の四つの意味がありますが、命令形があるのはそのうちの受け身だけであって、可能・自発・尊敬の意味には命令形がないということです。「言われろ」という表現は、可能・自発・尊敬のいずれの意味ともしっくりきませんよね。

★ まとめ ★

【助動詞「れる」「られる」の活用】

○ 「れる」「られる」は、下一段動詞型の活用をする。

○ 可能・自発・尊敬の意味には、命令形がない

▼ 「れる」「られる」の接続

助動詞は付属語です。つまり、かならず他の語のあとに続くことばです。それでは、「れる」「られる」という助動詞は、どのような語のあとに続くのでしょうか。

次の例でかんがえてみましょう。

● 言わ れる  紹介さ れる

● 起き られる  捨て られる   られる  掃除さ  られる

(1) 動詞の未然形に接続する

「言わ(れる)」は、「言う」という動詞の未然形です。「紹介さ(れる)」「起き(られる)」「捨て(られる)」「来(られる)」も、すべて動詞の未然形です。このように、「れる」「られる」という助動詞は、動詞の未然形のあとに続きます

ただし、動詞の未然形であれば、「れる」「られる」のどちらが続いてもかまわないわけではありません。たとえば、「言われる」とすることはできますが、「言われる」とすることはできません。動詞の活用の種類によって「れる」が続くのか、それとも「られる」が続くのかが決まっているのです。

もう一度、上の例を見てみますと、「れる」がつらなる動詞である「言う」「紹介する」は、それぞれ五段活用サ行変格活用(サ変)の動詞です。一方、「られる」がつらなる「起きる」「捨てる」「来る」は、それぞれ上一段活用下一段活用カ行変格活用(カ変)の動詞です。

サ変動詞の未然形(―せ)に「られる」が付く言い方もあります。「命ぜられる」「論ぜられる」など。

(2) 「られる」は助動詞「せる」「させる」の未然形にも接続する

さて、例のなかに、「掃除させられる」というのがあります。「掃除させ」を言い切ると、「掃除させる」になりますが、これは一つの自立語ではありません。実は、「掃除する」という動詞のあとに「せる」という助動詞がついたかたちです。「掃除さ」の「せ」は、助動詞「せる」の未然形だったのですね。

ここでついでに、「考えさせ-られる」という例もあげておきます。「考えさせ」は、「考える」という動詞のあとに助動詞「させる」の未然形がついたかたちです。

このように、「られる」だけは、動詞だけでなく、助動詞「せる」「させる」の未然形「せ」「させ」のあとに続くこともできます。

★ まとめ ★

【助動詞「れる」「られる」の接続】

○ 「れる」「られる」は、ともに動詞の未然形に接続する。

① 「れる」は、五段・サ変動詞の未然形に接続する。

② 「られる」は、上一段・下一段・カ変動詞の未然形に接続する。

○ 「られる」は、助動詞「せる」「させる」の未然形にも接続する。

▼ 練習問題で理解度チェック

【問題1】

次の各文中の下線部は助動詞である。それぞれの意味をあとから選び、記号で答えなさい。

(1) 年配の方がお店によく来られる

(2) 放課後、練習させられる

(3) 故人の人柄がしのばれる

(4) この人の話なら信じられる

 ア 受け身  イ 可能  ウ 自発  エ 尊敬

【正解】

(1) エ  (2) ア  (3) ウ  (4) イ

【解説】

「れる」「られる」の四つの意味を見分ける問題です。文中のことばを言いかえてみたり、付け足してみたりすると意味がよくわかります。

(1)の「来られる」は、「いらっしゃる」という尊敬語に言いかえることができるので、尊敬の意味だとわかります。(4)の「信じられる」は、「信じることができる」と言いかえることができるので、可能の意味です。

(2)の文は、たとえば「先生に」ということばを適当な箇所に付け足してみると、受け身の文であることがわかります。(3)の文は、「自然に」などのことばを付け足することで、自発の意味であることがわかります。

【問題2】

次の各文を受け身の助動詞を用いた文につくり変えなさい。

(1) 警官がどろぼうを追いかけた。

(2) どろぼうが彼女の財布を盗んだ。

【正解例】

(1) 警官にどろぼうが追いかけられた。

(2) どろぼうに彼女の財布が盗まれた。(どろぼうに彼女が財布を盗まれた。)

【解説】

助動詞の「れる」「られる」を述語の文節に付け加えて受け身の文にします。その際、もとの受け身でない文と受け身の文とで主語が変わります。(1)の文では、主語が「警官」ではなく「どろぼう」になり、(2)の文では、主語が「どろぼう」ではなく「財布」または「彼女」になります。

なお、受け身の文にするしかたは、一つだけとはかぎりません。(2)のような文を受け身のかたちにするときは、「財布」のような人ではない物を主語にすることもできるし、「彼女」のような持ち主を主語にすることもできます(持ち主の受け身)。

**

【問題3】

次の各文中から助動詞の「れる」「られる」を探し出して、その意味と活用形を答えなさい。

(1) 社長は、若いころ苦労されました。

(2) おまえは、先生に怒られろ。

(3) なつかしさを感じられる街並みだ。

(4) みんなの信頼を得られれば、成功したも同然だ。

【正解】

(1) 尊敬・連用形  (2) 受け身・命令形  (3) 自発・連体形  (4) 可能・仮定形

【解説】

まず、「れる」「られる」の四つの意味をしっかり覚えましょう。そのうえで、文中の助動詞の意味を考えます。(1)は「苦労なさる」という敬語表現に言いかえられるから尊敬、(2)は「先生に」が「怒る」の動作主をあらわしているから受け身、(3)は「自然と」などを付け足してみても文意が変わらないから自発、(4)は「得ることができれば」と言いかえることができるから可能の意味だということがわかります。

活用形については、「れる」「られる」にどのようなことばが続いているかに注目しましょう。(1)は「まし(ます)」が続いているので連用形、(2)は命令して言い切っているので命令形、(3)は「街並み」が名詞であるから連体形、(4)は「ば」が続いているので仮定形であることがわかります。

ちなみに、文中の助動詞が「れる」と「られる」のいずれであるかについては、直前の動詞がどのような活用をするかに注目して判断します。(2)の「怒る」は五段活用をする動詞ですから、その未然形「怒ら」に「れる」が付いた形です。

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