副助詞

▼ 副助詞の働き

● 彼  来る。

● 彼  来る。

● 彼 だけ 来る。

上の三つの例文はすべて、基本的には「彼が来る」という意味をあらわしています。ただ、「が」(格助詞)にあたる部分に「」「」「だけ」という副助詞が置かれることによって、単純に「彼が来る。」というのとはちがった意味を含んでいます。

「彼は来る。」というのは、「彼」は来るけれども、「彼」以外の人は来るかどうかわからないという意味を含んでいます。「彼も来る。」だと、反対に、「彼」以外の人も来るという意味を含んでいます。「彼だけ来る。」というと、「彼」のほかには誰も来ないという意味を含んでいます。

● 副助詞ふくじょしは、いろいろな語についてさまざまな意味をそえる働きをする助詞である。

● 副助詞が文につけ加える意味は、強調・類推るいすい・限定・添加てんか・程度・並立へいりつ例示れいじなどのように微妙びみょうである。したがって、格助詞や接続助詞と違って、副助詞を取り去ったり、格助詞などと入れかえたりしても、文の意味が通じることが多い。

(例)ゾウ  いる。→ゾウ  いる。 (他と区別する)

(例)コップ  用意する。→ コップ など を用意する。 (例示)

(例)歌  得意だ。→ 歌  得意だ。 (他を暗示する)

(例)ゲーム  している。→ ゲーム ばかり している。 (限定)

(例)30分かかる。→ 30分 ほど かかる。 (程度)

(例)子ども  笑われる。→ 子どもに まで 笑われる。 (他を類推させる)

(例)雷  鳴りだした。→雷 さえ 鳴りだした。 (添加)

(例)食費  交通費に消える。→ 食費 とか 交通費 とか に消える。 (並立)

(例)これ  芸術だ。→ これ こそ 芸術だ。 (強調)

● 副助詞は、いろいろな語につく。次の例のように、他の助詞と重ねて用いられたり、副助詞どおしが重複してついたりすることも多い。

(例)さよなら だけ  人生だ。 (副助詞+格助詞)

(例)明日 から  自転車で通います。 (格助詞+副助詞)

(例)名古屋 まで しか 行ったことがない。 (副助詞+副助詞)

▼ 副助詞の種類

● 主な副助詞は、次のとおり。

【は】

肉  あるが、野菜がない。 (他と区別する)

夏休み  、韓国に旅行します。 (主題の提示)

何度も試して  失敗する。 (動作の反復)

一人でもこわく  ない。 (強調)

【も】

泣く子  あれば、笑う子  ある。 (並立)

私  そう思う。 これ  買おう。 (同類があることを暗示する)

雨が三日  降り続いた。 (強調)

三日  あればできる。 (程度)

なに  ない。 あいさつ  しない。 (他を類推させる)

「他を類推させる」というのは、極端な一例を示すことによって、ましてそれ以外は言うまでもないという意味を表すことである。

【こそ】

節約 こそ 私の生きがいだ。 (強調)

君の将来を思えば こそ 忠告している。 (理由)

【さえ】

子どもに さえ 理解できる。 (他を類推させる)

金 さえ 手に入ればよい。 (限定)

雨が降り、雷 さえ 鳴りだした。 (添加)

【でも】

子ども でも 理解できる。 (他を類推させる)

けが でも したら大変だ。 (例示)

【しか】

この商品は、ここで しか 扱っていない。 (限定―打ち消しの語と呼応する)

【まで】

駅 まで 歩く。 5時 まで 待つ。(終点・極限)

念のために聞いてみた まで だ。 (程度・限度)

親に まで 見放された。 (他を類推させる)

雨 まで 降り出した。 (添加)

【ばかり】

1時間 ばかり 待たされた。 (おおよその程度)

勉強 ばかり では役に立たない。 (限定)

いま到着した ばかり だ。 (完了して間もない)

泣きださん ばかり の顔をする。 (その状態になる寸前である)

【だけ】

やれる だけ やってみよう。 (程度)

とうとう二人 だけ になった。 (限定)

【ほど】

2週間 ほど 前に見た。 (おおよその程度)

彼 ほど 立派な人はいない。 (比較の対象)

考えれば考える ほど 難しい。 (程度の比例)

【くらい(ぐらい)】

15分 くらい(ぐらい) かかる。 (程度)

あいさつ くらい(ぐらい) しなさい。 (限度)

【など】

りんごやみかん など を食べる。 (例示)

お金 など ほしくない。

【きり(ぎり)】

行った きり 、戻ってこない。 (限定)

【なり】

電話 なり メール なり で連絡してください。 (並立)

せめて私に なり 相談してほしかった。 (例示)

【やら】

だれ やら が来るらしい。 (不確実)

雨 やら 雪 やら が降る。 (並立)

【か】

なに  飲みたい。 (不確実)

食う  食われる  だ。 (並立)

【だの】

塾 だの 練習 だの と、いそがしい。 (並立)