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指示語(こそあどことば)

指示語と呼ばれる単語について学びます。指示語には、いろいろな品詞の単語があります。それぞれの品詞の指示語とされる単語を覚えるようにしましょう。

▼ 指示語とは

次の例文を見てください。

 ここからあそこまで100メートルの距離です。

 それは、誰のですか。― これは、僕のです。

「ここ」「あそこ」「それ」「これ」は、それぞれある場所や物を指している語ですが、それ自体は具体的な場所や物を言いあらわすことばではありません。

それにもかかわらず、例文のような文であっても日常役立つのは、これらの語が話し手と聞き手との関係において指し示すものを具体的に特定する働きを持っているからにほかなりません。

このように、話し手と聞き手との関係を基準にして物事を指し示すような働きをする語を指示語しじごと呼びます

指示語それ自体には、指示語どうしの関係で定まる相対的な意味しかありません。指示語が具体的になにを意味するのかは、あくまで話し手と聞き手の位置や状況などの関係によって決まります。

たとえば、「ここ」「そこ」「あそこ」という指示語は、それぞれ場所を指しています。

「ここ」は話し手に近い場所、「そこ」は聞き手に近い場所、「あそこ」は話し手・聞き手のどちらからも遠い場所を指ししめす語です。

このように、指示語は、話し手・聞き手との遠近によって区別することができます。

話し手に近い物事を指す語を近称きんしょう聞き手に近い物事を指す語を中称ちゅうしょう、話し手・聞き手のどちらからも遠い物事を指す語を遠称えんしょうと呼びます。下の図で確認してください。

近称・中称・遠称
【図】近称・中称・遠称

さらに、「どこ」という指示語のように遠近が定まっていない場所・物事を指す語もあり、これを不定称ふていしょうと呼びます

**

ところで、近称・中称・遠称・不定称は、それぞれ語の最初の字が「」「」「」「」であるという特徴があります。(ページ後半の表を参照してください。)

このことから、指示語は、「こそあど」あるいは「こそあどことば」とも呼ばれます。

★ まとめ ★

【指示語とは】

 指示語とは、話し手・聞き手との関係を基準にして物事を指し示す働きをする語を言う。「こそあど(ことば)」とも呼ぶ。

 指示語には、近称中称遠称不定称の区別がある。

 近称 …話し手に近い物事を指す。

 中称 …聞き手に近い物事を指す。

 遠称 …話し手・聞き手から遠い物事を指す。

 不定称 …遠近が定まっていない物事を指す。

▼ いろいろな指示語

指示語とされる語には、いろいろな種類があります。それらの語は、すべてが同じ品詞であるわけではありません。

指示語とされる語の品詞には、名詞(代名詞)・連体詞・副詞・形容動詞があり、それぞれ指示代名詞指示連体詞指示副詞などと呼ばれます。

指示語を品詞別に分類して表にまとめると、次のようになります。

品詞

近称(こ)

中称(そ)

遠称(あ)

不定称(ど)

名詞

(代名詞)

事物

これ

それ

あれ

どれ

場所

ここ

そこ

あそこ

どこ

方角

こちら

こっち

そちら

そっち

あちら

あっち

どちら

どっち

連体詞

この

その

あの

どの

副詞

こう

そう

ああ

どう

形容動詞

こんなだ

そんなだ

あんなだ

どんなだ

形容動詞の指示語は、体言(名詞)につらなるときは「こんな」「そんな」「あんな」「どんな」という形になります。これらの語の品詞を連体詞とする考え方もあります。

★ まとめ ★

【いろいろな指示語】

 指示語とされる語の品詞には、名詞(代名詞)・連体詞・副詞・形容動詞がある。

▼ 練習問題で理解度チェック

【問題1】

次の各文の中から指示語を探しだして答えなさい。指示語がない場合は「なし」と答えなさい。

(1) 一つ持つと、あれもこれも欲しくなる。

(2) こちらを立てれば、あちらが立たぬ。

(3) どうして彼はあんなことを言うのか。

(4) ああ、なんてすてきなマンションでしょう。

【正解】

(1) あれ、これ

(2) こちら、あちら

(3) どう、あんな

(4) なし

【解説】

指示語とされる語は、最初の字母が「こ・そ・あ・ど」であるという特徴があります。それを手がかりにして見覚えのある語を選ぶようにしましょう。

ただし、指示語と同じ形をしていますが、指示語ではない語もあります。その場合には、その語の意味から判断するようにしましょう。

(1) 「あれ」「これ」は、ともに事物を指す指示代名詞です。

指示語は、このように組み合わせで用いることが多い語です。「どれもこれも」「そこここ」「あちらこちら」「どうもこうも」など。

(2) 「こちら」「あちら」は、ともに方角を指す指示代名詞です。

指示語を対比させて用いている表現です。「ああ言えば、こう言う。」

(3) 「どう」は指示副詞、「あんな」は形容動詞(または連体詞)の指示語です。

不定称は、疑問文をつくるのに用いられることが多い語です。

(4) 「ああ」は、指示副詞の遠称と同じ形をしていますが、指示語ではありません。

設問文(4)の「ああ」は、感動をあらわしているので、感動詞です。感動詞に指示語はありません。

【問題2】

次の文中の下線部の「それ」が具体的になにを指すのかを10文字程度で答えなさい。

「とっくに日付が変わっていたが、勉強に夢中でそれに気が付かなかった。」

【正解】

(解答例)日付が変わったこと

【解説】

設問文のように、指示語は、話し手が前に述べたことがらや、話し手と聞き手がともに了解していることがらを指し示す場合に用いられることがよくあります。

指示語がどういったことを指しているのかを、文脈から判断してください。

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