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用言の活用まとめ

用言としてくくられる三つの品詞、すなわち動詞・形容詞・形容動詞について、これまでにその活用を学んできました。このページでは、用言の学習の最後として、三つの品詞の活用のちがいについて整理してみたいと思います。ついでに、動詞の活用の種類の見分け方も覚えましょう。

▼ 活用のちがい

動詞・形容詞・形容動詞は、すべて活用のある自立語であって、語幹と活用語尾の区別があります。三つの品詞のちがいはその活用のしかたにあります。活用がどのようにちがうかを一つずつ確認していきましょう。

(1) 活用形

活用形には、未然形・連用形・終止形・連体形・仮定形・命令形の六つがあります。

動詞は、この六つの活用形すべてにわたって活用します。それに対して、形容詞・形容動詞には、命令形を除く五つの活用形しかありません。

形容詞・形容動詞には命令形がありませんから、形容詞・形容動詞を使って命令の意味をあらわすときは、「しろ」「せよ」などをつけます。

● おとなしく しろ 。  静かに せよ 。

(2) 活用の種類

動詞の活用の種類は、五段・上一段・下一段・カ変・サ変の5種類あります。それに対して、形容詞・形容動詞の活用の種類はそれぞれ1種類のみです。

ここでは、「きれいです」のような語を、形容動詞の語幹に助動詞「です」がついた形としてかんがえていますが、「きれいです」で一つの形容動詞であるとする考え方もあります。その考え方に立つときは、形容動詞には2種類の活用のしかたがあるとかんがえることになります。

(3) 未然形

動詞の未然形は、五段活用の場合は「―ア」「―オ」の形の二つ、サ変の場合は「し」「せ」「さ」の形の三つあります。対して、形容詞・形容動詞は、それぞれ「―かろ」「―だろ」の形の一つしかありません。

また、動詞の未然形には助動詞「ない」に連なる用法があります。形容詞・形容動詞の未然形には、「う」に連なる用法しかありません。

(4) 連用形・音便

動詞の連用形は、五段活用の場合は音便の形をあわせて二つありますが、それ以外の活用の場合は一つです。対して、形容詞の連用形は「―かっ」「―く」の二つ、形容動詞の連用形は「―だっ」「―で」「―に」の三つあります。

動詞の連用形には音便があって、動詞が活用する行に応じてイ音便・撥音便・促音便の三つの種類があります。形容詞にもまれに音便が生じることがあって、その場合はウ音便になります。

形容詞の連用形「―く」と形容動詞の連用形「―で」には、補助形容詞「ない」に連なる用法があります。動詞の場合とのちがいに注意してください。

なお、すべての用言の連用形には中止法の用法があります。

(5) 終止形

動詞・形容詞・形容動詞は、それぞれ終止形(言い切りの形)の活用語尾がちがいます。よって、ある単語が動詞・形容詞・形容動詞のいずれであるかを見分けるには、終止形の活用語尾に注目します。

動詞の終止形は五十音図のウ段の音で終わる形、形容詞の終止形は「い」で終わる形、形容動詞の終止形は「だ」で終わる形になります。

(6) 仮定形

動詞・形容詞・形容動詞のいずれも、仮定形は「ば」に連なります。そのうち、形容動詞の仮定形だけ「ば」を省略することができます。

(7) 語幹

形容詞と形容動詞の語幹には、言い切る形で述語になる用法や、助動詞「そうだ」などに連なる用法があります。動詞の語幹にはこのような用法はありません。

▼ 動詞の活用の種類の見分け方

動詞の活用のしかたには五つの種類があることを学びました。ここでは、ある動詞の活用のしかたが5種類のうちのどれかを見分ける方法についてかんがえてみましょう。

一番簡単なのは個々の動詞ごとに活用の種類を覚えることですが、動詞に分類される単語は非常に多くあるので、現実的な方法とはいえません。

もっとも、特定の動詞だけに見られる特殊な活用のしかたがあります。「来る」という動詞はカ行変格活用であり、「する」「―する(ずる)」という動詞はサ行変格活用であると学びました。「来る」ならカ変、「する」ならサ変と覚えましょう

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問題となるのは、五段活用・上一段活用・下一段活用という一般的な活用をする動詞についてです。これらの活用をする動詞は数多くあるので、それぞれの活用の特徴に着目していずれの活用であるかを見分けることが必要になります。

五段活用・上一段活用・下一段活用の活用のしかたを表にしてみます。

活用の種類 未然形 連用形 終止形 連体形 仮定形 命令形

五段活用

上一段活用

イる イる イれ

イろ

イよ

下一段活用

エる エる エれ

エろ

エよ

「―ア」は、活用語尾が五十音図のア段の音で終わることをあらわしています。たとえば「読む」という動詞なら、その未然形は「読ま」です。

この表を見るとわかるように、三つの活用の種類のうちで、活用形の最後の音が三つすべてちがうのは、未然形だけです。よって、三つの活用の種類は、未然形の活用語尾を見ることによって見分けることができます。

動詞にナイをつけると未然形になります未然形の活用語尾がア段の音であれば五段活用イ段の音であれば上一段活用エ段の音であれば下一段活用であるとわかります

ただし、この見分け方には例外があります。動詞の「ある」は、「あらナイ」という言い方をしません。それでも、ある」は、五段活用です。これもそのまま覚えましょう。

動詞のなかには、お互いに形は似ていますが、活用の種類や行が異なるものもあります。まぎらわしいので、混同しないように注意をしましょう。

● 立つ(タ行五段活用)⇔ 立てる(タ行下一段活用)

● 浮く(カ行五段活用)⇔ 浮かぶ(バ行五段活用)

● 見る(マ行上一段活用)⇔ 見える(ア行下一段活用)

動詞「いる」は、その意味によって活用のしかたが異なります。

● 両親は、東京に いる 。(居る=存在する)

(東京に)  ナイ → 上一段活用

● 僕は、お金が いる 。(要る=必要である)

(お金が) いら ナイ → 五段活用

★ まとめ ★

【動詞の活用の種類の見分け方】

1.来る」ならカ変、する」「―する(ずる)」ならサ変

2.上記以外の動詞は、ナイをつけて未然形にしてみる。

 活用語尾がア段の音であれば、五段活用

(例)書  ナイ

 活用語尾がイ段の音であれば、上一段活用

(例)起  ナイ

 活用語尾がエ段の音であれば、下一段活用

(例)食  ナイ

3.ある」は、五段活用

▼ 練習問題で理解度チェック

【問題1】

 次の各文中の下線部の語について、その品詞と活用形とを答えなさい。

(1) ペンギンは、空を飛べない鳥です。

(2) めいは、お年玉をもらってとても喜んでいた。

(3) およそ仕事は、正確で早くなければならない。

(4) 後悔するのが嫌なら、いまから頑張りなさい。

【正解】

(1) 動詞―未然形  (2) 動詞―連用形  (3) 形容詞―連用形  (4) 形容動詞―仮定形

【解説】

用言の品詞を見分けるには、その語を言い切りの形にしてみましょう。動詞ならウ段の音で終わる形、形容詞なら「い」で終わる形、形容動詞なら「だ」で終わる形になります。

活用形は、単語の直後に注目して判断します。それぞれの品詞ごとに各活用形の用法がちがうことに注意してください。

(1) 言い切りの形は「飛ぶ」ですから、動詞です。直後に「ない」がありますが、動詞の場合、ナイは未然形につきます。この「ない」は助動詞です。

(2) 言い切りの形は「喜ぶ」ですから、動詞です。直後に助詞の「て(で)」がきて音便の形になっています(撥音便)。動詞の音便は連用形の一つです。

(3) 言い切りの形は「早い」となりますから、形容詞です。直後に「なけれ(ない)」がありますが、形容詞の場合、ナイは連用形「―く」につきます。この「なけれ」は補助形容詞です。動詞と形容詞とでナイがつく活用形やナイの品詞が異なることに注意しましょう。

(4) 言い切りの形は「嫌だ」となりますから、形容動詞です。「―なら」の形から仮定形であるとわかります。直後を見るとテン(、)がありますが、これは助詞の「ば」が省略されているとかんがえましょう。

【問題2】

 次の各動詞の活用の種類を答えなさい。

(1) 来る  (2) 話せる  (3) 命ずる  (4) 甘んじる  (5) ある

 

【正解】

(1) カ行変格活用(カ変)  (2) 下一段活用  (3) サ行変格活用(サ変)  (4) 上一段活用  (5) 五段活用

【解説】

動詞の活用の種類の見分け方については、本文で解説したとおりです。この問題でその方法を実践してみましょう。

まず、カ変とサ変の動詞をさがしましょう。(1)の「来る」はカ変だとすぐわかります。サ変の動詞は「する」とその複合動詞ですが、(3)の「命ずる」がこれにあたります。「する」の複合動詞には「―ずる」とにごるかたちもあることに注意してください。

カ変とサ変以外の活用の種類は、ナイをつけて未然形にすることで見分けます。(2)は「話せナイ」で、活用語尾がエ段の音になりますから下一段活用です。「話せる」は可能動詞なので下一段活用になります。「話す」なら五段活用です。

(4)は「甘んじナイ」で、活用語尾がイ段の音になりますから上一段活用です。よく似た語に「甘んずる」がありますが、これはサ変の動詞です。

(5)の「ある」はナイをつけた言い方をすることはありません。しかし、「ある」は五段活用をする動詞です。

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