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助動詞の分類

要点のまとめ

■ 助動詞の分類

助動詞は、意味・活用かつよう・接続せつぞくによって分類できる。

(1) 意味による分類

解説の表「助動詞の意味による分類」を参照。

(2) 活用による分類

動詞型

【―る】

せる・させる・れる・られる・たがる

形容詞型

【―い】

ない・たい・らしい

形容動詞型

【―だ】

そうだ・ようだ・だ
特殊型とくしゅがた ます・です・た(だ)・ぬ(ん)
無変化型むへんかがた う・よう・まい

(3) 接続による分類

未然形 せる・させる・れる・られる・ない・ぬ(ん)・う・よう・まい
連用形 たい・たがる・ます・た(だ)・そうだ(様態)
終止形 まい・そうだ(伝聞)・らしい
連体形 ようだ
その他 そうだ(様態)・ようだ・らしい・だ・です

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解説

助動詞は、意味・活用かつよう・接続せつぞくの三つの要素ようそによって分類することができます。

それぞれの分類のしかたについて見ていきましょう。

(助動詞の3要素については、「助動詞の性質と働き」のページを参照してください。)

1 助動詞の意味による分類

助動詞はまず、その意味によって分類することができます。

たとえば、「ない」は打うち消けし(否定)の意味を表す助動詞であり、これを「打ち消し(否定)の助動詞」と呼びます。

また、助動詞の「た」にはいくつかの意味がありますが、「た」が過去の意味を表すときは、これを「過去の助動詞」と呼びます。

このように、「ない」を「打ち消しの助動詞」と呼んだり、「た」を「過去の助動詞」と呼んだりするのは、助動詞の意味による分類にもとづくものです。

助動詞の意味による分類をまとめると、次の表のようになります。

【表】助動詞の意味による分類

意味 助動詞
使役 せる させる
受け身 れる られる
可能 れる られる
自発 れる られる
尊敬 れる られる

打ち消し

(否定)

ない ぬ(ん)
推量 う よう まい
意志 う よう まい
意味 助動詞
希望 たい たがる
過去・完了かんりょう た(だ)
様態 そうだ
伝聞 そうだ
推定 ようだ らしい
たとえ ようだ
丁寧ていねい ます
断定 だ です

それぞれの意味の具体的な内容については、これから個々の助動詞について一つひとつ学んでいきます。

2 助動詞の活用による分類

次に、助動詞はその活用のしかたによって分類することができます。

助動詞の活用のしかたには五つの種類があり、それぞれの活用のしかたをする助動詞を分類してまとめると次の表のようになります。

【表】助動詞の活用による分類

活用の種類 助動詞

動詞型

(【―る】の形)

せる させる れる られる たがる

形容詞型

(【―い】の形)

ない たい らしい

形容動詞型

(【―だ】の形)

そうだ ようだ だ
特殊型とくしゅがた ます です た(だ) ぬ(ん)
無変化型むへんかがた う よう まい

これらの助動詞の活用の種類について少しくわしく説明します。

(1) 動詞型の活用

基本形が【―る】の形の助動詞「せる」「させる」「れる」「られる」「たがる」は、動詞と同じような活用のしかたをします。

動詞は、基本形がウ段の音おん(う・く・す・…)で終わる単語です。

助動詞にも基本形がウ段の音で終わるものがいくつかありますが、そのうちの【ーる】の形のものが動詞と同じような活用をします。

【―る】の形の助動詞は動詞型活用である、と覚えましょう。

ちなみに、「ます」「う」なども基本形がウ段の音で終わっていますが、これらは動詞とはちがった活用のしかたをします。

(動詞の性質や活用のしかたについては、「動詞(1)性質と働き」および「動詞(2)活用とその種類」のページを参照してください。)

(2) 形容詞型の活用

形容詞は、基本形が「い」で終わる単語です。

助動詞にも基本形が【―い】の形のものがいくつかあって、そのうち「ない」「たい」「らしい」は、形容詞と同じような活用のしかたをします。

「まい」も基本形が「い」で終わりますが、これは形容詞とはちがう活用のしかたをします(後述の無変化型)。

「まい」を除く【―い】の形の助動詞は形容詞型活用である、と覚えましょう。

(形容詞の性質や活用のしかたについては、「形容詞(1)性質と働き」および「形容詞(2)活用」のページを参照してください。)

(3) 形容動詞型の活用

形容動詞は、基本形が「だ」で終わる単語です。

助動詞のうち基本形が【―だ】の形である「そうだ」「ようだ」「だ」は、形容動詞と同じような活用のしかたをします。

【―だ】の形の助動詞は形容動詞型活用である、と覚えましょう。

(形容動詞の性質や活用のしかたについては、「形容動詞(1)性質と働き」および「形容動詞(2)活用」のページを参照してください。)

(4) 特殊型とくしゅがたの活用

「ます」「です」「た(だ)」「ぬ(ん)」は、動詞・形容詞・形容動詞のどれともちがう特殊な活用のしかたをします。

特殊な活用のしかたについては、一つひとつ覚えるしかありません。

(5) 無変化型むへんかがたの活用

「う」「よう」「まい」は、活用形の別(終止形と連体形)はあるものの、語の形が変化しません。

「う」「よう」「まい」は活用形がすべて同じ形をする助動詞である、と覚えましょう。

国文法のコツ

助動詞の活用のしかたは、まず形に注目する。

【―る】の形なら、動詞型活用。

【―い】の形なら、形容詞型活用(「まい」を除く)。

【―だ】の形なら、形容動詞型活用。

3 助動詞の接続による分類

助動詞は、その接続のしかた(どのような語や活用形のあとに続くか)によっても分類することができます。

助動詞の多くは動詞などの活用がある語に接続しますが、接続する語の活用形が助動詞によってちがいます。

たとえば、「せる」「させる」という助動詞は動詞の未然形に付つきます(未然形接続)。

その他の助動詞についても接続のしかたによって分類してまとめると、次の表のようになります。

【表】助動詞の接続による分類

接続 助動詞
未然形接続 せる させる れる られる ない ぬ(ん) う よう まい
連用形接続 たい たがる ます た(だ) そうだ(様態)
終止形接続 まい そうだ(伝聞) らしい
連体形接続 ようだ
その他の接続 そうだ(様態) ようだ らしい だ です

助動詞の接続のしかたについては、これから一つひとつの助動詞についてくわしく勉強していきますが、とりあえず「助動詞活用表」のページで一覧することができます。

なお、上の表の「その他の接続」は、体言や助詞、語幹ごかんなどに付く場合です。

上の表の太字の助動詞について説明を補足ほそくします。

(ア) 「そうだ」は、意味によって接続のしかたがちがいます。

様態の「そうだ」は活用語の連用形などに付きますが、伝聞の「そうだ」は活用語の終止形に付きます。

(イ) 「まい」は、五段活用の動詞にはその終止形に付きますが、それ以外の活用の動詞にはその未然形に付きます。

(ウ) 「だ」「です」の一部の活用形は、活用語の終止形にも付きます。

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練習問題

問題1

次の各文中の下線部の助動詞についてその意味を答えなさい。

(1) 今年は、早起きの習慣を身につけたい。

(2) 青空が早春そうしゅんの気配けはいを感じさせる。

(3) この漢字が難しくて読めません。

(4) 目を見張はるほどの豪華ごうかさだ。

【考え方】

助動詞を見たら、すぐにその意味を正しく答えられるようにしましょう。意味の定義を覚える必要はありません。

(1)から(4)までの各文中の下線部の助動詞がどのような意味を持つかについては、解説中の表「助動詞の意味による分類」を参考にしてください。

本問に出ている助動詞はすべて一つの意味しかないものですが、助動詞のなかには二つ以上の意味を持つものもあります。


【答】

(1) 希望

(2) 使役

(3) 打ち消し(否定)

(4) 断定

*

問題2

次のそれぞれの助動詞の活用のしかたを、あとのア~オから選んで答えなさい。

(1) たい

(2) たがる

(3) た(だ)

(4) まい

ア 動詞型

イ 形容詞型

ウ 形容動詞型

エ 特殊型

オ 無変化型

【考え方】

助動詞の活用のしかたには、五つのタイプがあります。

解説中の表「助動詞の活用による分類」を見て、どの助動詞がどのタイプの活用をするかをしっかりと覚えましょう。

なお、「た(だ)」は、「だ」とまぎらわしいですが、形容動詞型ではなく特殊型です。


【答】

(1) イ

(2) ア

(3) エ

(4) オ

**

問題3

次の各文の( )の中に当てはまるように、文の後ろにある単語を適当な形に変えて答えなさい。

(1) 駅前でクラスメートに( )た。[出会う]

(2) 人が嫌がることを( )ない。[する]

(3) この辺あたりは、( )ようだ。[静かだ]

(4) イルミネーションが( )らしい。[美しい]

【考え方】

各文の( )の直後にある語は助動詞です。

解説中の表「助動詞の接続による分類」を参考にして、それぞれの助動詞がどの活用形に接続するかを考え、[ ]内の単語をその活用形に直していきましょう。

(1)の文末の「た」は連用形接続の助動詞なので、その前にくる「出会う」は連用形になります。

なお、五段活用の動詞が助動詞「た」につらなるときは音便の形になります。この場合には、「出会っ」の形(促音便)になります。

(音便については、「動詞(4)五段活用・音便」のページを参考にしてください。)

(2)の文末の「ない」は未然形接続の助動詞なので、その前にくる「する」は未然形になります。

サ変動詞「する」の未然形には「せ」「し」「さ」の三つの形がありますが、「ない」が付くのは「し」の形です。

(3)の文末の「ようだ」は連体形接続の助動詞なので、その前にくる「静かだ」は連体形になります。

(4)の文末の「らしい」は終止形接続の助動詞なので、その前にくる「美しい」は終止形になります。


【答】

(1) 出会っ

(2) し

(3) 静かな

(4) 美しい

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