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助動詞(1)性質と働き・分類

これから、助動詞について学んでいきます。助動詞とされる単語は数がかぎられていて、助動詞の勉強では、その一つひとつについて覚えていくことが作業の中心になります。ですが、その前に、助動詞についての一般的なことがらを理解しておきましょう。

▼ 助動詞とは何か ― 助動詞の性質と働き

1 助動詞の性質

助動詞じょどうしは、品詞の一つです。品詞については、「品詞の分類」のページでそれぞれの品詞の文法上の性質についてふれました。が、ここであらためて、助動詞の性質について確認しておきます。

助動詞は、付属語ふぞくご活用がある単語です。少しくわしく説明しましょう。

(1) 助動詞は付属語である

付属語は、それだけで文節をつくることができず、かならずほかの語のあとに続けて用いられる単語です。助動詞も、この付属語の一種ですから、かならずほかの語のあとに続けて用いられます。

具体的にどのような語のあとに続くのかは、各々おのおのの助動詞によって違います。どの助動詞がどの語に続くのかは、一つひとつの助動詞ごとに覚えるしかありません。

なお、助動詞につらなるのは動詞や名詞などのような自立語だけであるとはかぎりません。付属語、つまり助動詞や助詞が助動詞に連なるときもあります。

(2) 助動詞は活用する語である

助動詞は、あとにつく語によってそのかたちが変化します。つまり、助動詞は活用がある単語です。

厄介やっかいなことに、すべての助動詞が同じような活用をするわけではありません。助動詞の活用のしかたは、それぞれの助動詞によって違います。一つひとつの助動詞ごとに活用のしかたを覚えていくのですが、一応、おおまかなタイプに分類することはできます。その分類については、あとでみましょう(活用による分類)。

なお、助動詞は活用がある語ですが、同じ活用語である動詞・形容詞・形容動詞とはことなり、語幹と活用語尾の区別がありません(語幹がありません)。

2 助動詞の働き

さて、助動詞は、文の中でどのような働きをする単語なのでしょうか。

次の例文をもとにしてかんがえてみましょう。

【A】 花が く。

【B】 花が 咲か ない 。

【C】 花が 咲い  。

Aの文には、助動詞がありません。この文を基礎にして、BやCの文の意味をかんがえてみます。

まず、Bの文から。Bの文は、Aの文の述語「咲く」に「ない」という助動詞がついたものです。Aの文の意味とBの文の意味をくらべてみると、Bの文は、「咲く」ことに対して、そうでないと否定している意味であることがわかります。

助動詞の「ない」には、あることばについてそのことばの意味内容を否定する(打ち消す)働きがあるのですね。

**

次に、Cの文です。Cの文は、Aの文の述語「咲く」に「」という助動詞がついたものです。Aの文の意味とCの文の意味をくらべてみます。Aの文のように、単に「咲く」だけだと、ふつうは現在あるいは未来のことについて述べている意味になります。これに対して、Cの文のように、「咲いた」となると、過去のことについて述べている意味になります。

このように、助動詞の「た」には、それがつくことばの意味内容が過去のものであることをあらわす働きがあります。

***

以上の例から、助動詞には、動詞などのいろいろな語のあとについて、打ち消しや過去といったさまざまな意味をそえる(付け加える)働きがある、ということがわかります。

助動詞がどのような意味をもつかは、個々の助動詞に応じてさまざまです。一つの助動詞が一つの意味しかもたないとはかぎりません。二つ以上の意味をもつ助動詞もあります。

上の例文で見たように、助動詞というのは、動詞などの述語をつくる働きがある語のあとに続いて、いっしょに述語をつくることが多い単語です。そして、助動詞を含む述語の文節が文の終わりの文節であるときには、助動詞の意味によって文全体の意味が変化します。このように、助動詞は付属語ですが、文の中で重要な働きをする単語であると言えます。

3 助動詞の3要素

これまでに述べてきたことを整理すると、助動詞という単語には、次の三つの特徴があることがわかります。

① ほかの語に接続する(付属語)

② 活用がある

③ 意味をそえる働きをする

これらの三つの特徴が一つひとつの助動詞を理解するための重要なポイントになります。つまり、個々の助動詞ごとに、どのような意味をもつか、どのように活用するか、どのような語に接続するかをこれから学んでいくわけです。

これら、意味活用接続をまとめて助動詞の3要素と呼びます。

★ まとめ ★

【助動詞の性質と働き】

○ 助動詞は、付属語活用がある単語である。

○ 助動詞は、いろいろな語に接続して意味をそえる働きをする。

○ 意味・活用・接続助動詞の3要素と言う。

▼ 助動詞の分類

助動詞を学ぶときは意味・活用・接続の三つの要素が重要になりますが、個々の助動詞はこれらの三つの要素に注目して分類することができます。

1 意味による分類

助動詞は、その意味によって分類することができます。たとえば、「ない」を「打ち消しの助動詞」と呼んだり、「た」を「過去の助動詞」と呼んだりするのは、助動詞の意味による分類にもとづくものです。

助動詞の意味は、各々の助動詞ごとにちがいます。どの助動詞がどのような意味をもつのかについては、「助動詞活用表」のページで整理していますので、それを参照してください。

2 活用による分類

助動詞の活用のしかたは、個々の助動詞によってちがいますが、いくつかの共通するタイプに分かれます。助動詞の活用は、次の表のように、五つの種類に分類することができます

【表】助動詞の活用による分類

活用の種類 助動詞

動詞型活用

(言い切りが「―る」)

せる させる れる られる たがる

形容詞型活用

(言い切りが「―い」)

ない たい らしい

形容動詞型活用

(言い切りが「―だ」)

そうだ ようだ だ
特殊型活用 ます です た(だ) ぬ(ん)
無変化型活用 う よう まい

3 接続による分類

助動詞の接続のしかたは、それぞれの助動詞に応じてさまざまです。助動詞は、その接続のしかたによっても分類することができます。次の表を参照してください。

【表】助動詞の接続による分類

接続 助動詞
活用語の未然形に接続する

せる させる れる られる ない ぬ(ん)

う よう まい

活用語の連用形に接続する たい たがる ます た(だ) そうだ(様態)
活用語の終止形に接続する まい そうだ(伝聞) らしい
活用語の連体形に接続する ようだ
その他の語に接続する そうだ(様態) ようだ らしい  です

 「そうだ」は、意味によって接続のしかたが違います。様態の「そうだ」は活用語の連用形などに接続しますが、伝聞の「そうだ」は終止形に接続します。

 「まい」は、五段活用の動詞に接続するときは終止形につきますが、それ以外の活用の動詞に接続するときは未然形につきます。

 「」「です」の一部の活用形は、活用語の終止形にも接続します。

★ まとめ ★

【助動詞の分類】

○ 助動詞の分類には、意味による分類活用による分類接続による分類の三つの方法がある。

▼ 練習問題で理解度チェック

【問題1】

次の各文中に助動詞はいくつあるか、その数を答えなさい。

(1) 昔のことが走馬燈そうまとうのように思い出される。

(2) 買いたいと思っていた商品が売り切れていました。

(3) 遅く起きたので、朝食を食べられませんでした。

【正解】

(1) 2  (2) 4  (3) 6

【解説】

文中のどの語が助動詞であるかを正確に見分けるには、一つひとつの助動詞の活用のしかたを知っていたり、ある助動詞と他の品詞との区別ができたりする必要があります。ここでは、簡単にどの語が助動詞であるかだけを指摘しておきます。

(1)の文の「ように」はたとえの助動詞「ようだ」の連用形、「れる」は自発の助動詞「れる」の終止形です。

(2)の文の「たい」は希望の助動詞「たい」の終止形、「思っていた」の「た」は過去の助動詞「た」の連体形、「売り切れていました」の「まし」はていねいの助動詞「ます」の連用形、「た」は過去の助動詞「た」の終止形です。

(3)の文ですが、「起きたので」の「た」は過去の助動詞「た」の連体形です。「食べられませんでした」は、長いですがこれで一つの文節であって、「られ」「ませ」「ん」「でし」「た」はすべて助動詞です。それぞれ順に、可能の助動詞「られる」の連用形、ていねいの助動詞「ます」の未然形、打ち消しの助動詞「ぬ(ん)」の終止形、断定の助動詞「です」の連用形、過去の助動詞「た」の終止形です。

いまはまだわからなくて当然です。一とおり助動詞について勉強したあとでまた挑戦してください。

【問題2】

次の各文中の下線部はすべて助動詞である。それぞれの意味をあとから選んで記号で答えなさい。

(1) 窓から空の雲を眺めてい

(2) 大きな商談しょうだんが成立したらしい

(3) 雨が降らば、植物は育たない。

(4) 他人に好かれたければ、他人を許しなさい。

 ア 推定  イ 打ち消し  ウ 過去  エ 希望

【正解】

(1) ウ  (2) ア  (3) イ  (4) エ

【解説】

一つひとつの助動詞は、意味をもっています。どの助動詞がどのような意味をもつのかをしっかりと覚える必要があります。一つの助動詞の意味は一つだけしかないとはかぎりません。いくつもの意味をもつ助動詞もあります。

(1)の「た」は、過去の意味をもつ助動詞です。「た」には、過去のほかに完了、存続といった意味もあります。(2)の「らしい」は、推定の意味をもつ助動詞です。(3)の「ね」は、助動詞「ぬ(ん)」の仮定形で、打ち消しの意味をもちます。(4)の「たけれ」は、助動詞「たい」の仮定形で、希望の意味です。

**

【問題3】

次の各組の中から、一つだけ品詞がことなるものを選んで、記号で答えなさい。

【A】 ア まい  イ たい  ウ よい  エ らしい  オ よう

【B】 ア そうだ  イ だ  ウ です  エ ようだ  オ そんなだ

【正解】

A ウ  B オ

【解説】

助動詞とまぎらわしい語をさがす問題です。助動詞の種類を全部覚えてから、助動詞でない語を見つけましょう。

Aの組は、アからエまですべて「い」で終わる形です。だから、一見、オの「よう」が他と品詞の違う語のように思うかもしれません。しかし、ウの「よい」を除いて、ほかの語はオを含めてすべて助動詞です。ウだけは、助動詞ではなく形容詞です。

Bの組も、「だ」で終わる形の語が多いので、一見、ウの「です」を選んでしまいそうです。しかし、アからエまでの語は、ウを含めてすべて助動詞です。オは、助動詞ではなく形容動詞です。

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