ホーム > 助動詞 > 助動詞(10)「ようだ」

助動詞(10)「ようだ」

助動詞「ようだ」の意味・活用・接続を見ていきましょう。「ようだ」には、三つの意味があります。

▼ 「ようだ」の意味

助動詞の「ようだ」の意味をみていきましょう。

「ようだ」には、次の三つの意味があります。例文をもとに勉強していきましょう。

(1) たとえ(比況ひきょう

● 夜景が 宝石の ようだ 。

「夜景」と「宝石」とは、もちろん別のものです。しかし、「夜景」のきらきら輝く美しさが、まるで「宝石」に似ているので、「宝石のようだ」と言いあらわしているのですね。この例文の「ようだ」は、ある物事をそれとは別の似たものにたとえる意味をあらわしています。

このように、「ようだ」の一つめの意味は、たとえ、すなわち、ある物事を似た何かにたとえることです。「まるで~だ」といった意味です。比況と言ったりもします。

(2) 推定すいてい

● 体調が 悪い ようだ 。

「悪いようだ」というのは、はっきりと悪いと決めつけるような言い方ではありません。助動詞「ようだ」が文末につくことによって、「悪い」とは断定できないけれども、なんらかの思い当たるふし(根拠)があって、どうも悪いように思うといった意味の文になっています。

このように、なんらかの根拠にもとづいてしはかること推定と言います。「どうやら~だ」といった意味です。「ようだ」の二つめの意味は、この推定です。

(3) 例示れいじ

● あの 選手の ように 努力しなさい。

「努力しなさい」というのですが、どのように努力するのかというのを、「あの選手のように」と表現しています。「あの選手」を例としてあげることによって、どれくらい努力すればよいのかを示しているのですね。この「ようだ」は、具体例をしめしているのです。

このように、なんらかの具体的な例をあげること例示と言います。「たとえば~だ」といった意味です。「ようだ」の三つめの意味は、この例示です。

以上の「ようだ」の意味のうち、たとえ(比況)と例示は、一見、同じ意味のようでまぎらわしいですね。たとえ(比況)は、「夜景」と「宝石」のようにまったく別の種類のものですが、それらの類似点を取りあげるときに用います。これに対して、例示は、たくさんいる「選手」の中の「あの選手」というように、同じ種類の中からある物事を例として取りだすときに用います。

★ まとめ ★

【助動詞「ようだ」の意味】

① たとえ(比況) (まるで~だ)

② 推定 (どうやら~だ)

③ 例示 (たとえば~だ)

▼ 「ようだ」の活用

助動詞は、活用する語です。「ようだ」も、助動詞ですから活用します。それでは、「ようだ」という助動詞は、どのように活用するのでしょうか。

次の例を見てください。

● 寒い ようだ → 寒いようだろう 寒いようだった 寒いようである 寒いようになる 寒いようなとき 寒いようなら(ば)

この例の赤字の部分だけを抜き出して、「ようだ」の活用表をつくってみましょう。助動詞にも、活用形の種類があります。

【表】助動詞「ようだ」の活用表

基本形 未然形 連用形 終止形 連体形 仮定形 命令形
ようだ ようだろ

ようだっ

ようで

ように

ようだ ような ようなら
続くことば

アル

ナル

(言い切る)

トキ (バ)  

★スマートフォンの方は、横にスクロールさせてください。

この活用のしかたは、なにかに似ていると思いませんか。形容動詞の活用のしかたとそっくりですね。ただし、形容動詞とちがって語幹と活用語尾の区別がありません。

「ようだ」は、形容動詞型の活用をする助動詞です。ほかに形容動詞型の活用をする助動詞として、「そうだ」「」があります。

**

ちなみに、活用表の仮定形の続くことばを見ると、「バ」を丸かっこで囲んでありますね。これは、仮定形の「ようなら」は、「ば」をつけてもよいですし、「ば」をつけずにそのままのかたちで用いてもよいという意味です。

★ まとめ ★

【助動詞「ようだ」の活用】

○ 「ようだ」は、形容動詞型の活用をする。

▼ 「ようだ」の接続

助動詞は、付属語です。付属語とは、かならず他の語のあとに続くことばです。それでは、「ようだ」という助動詞がどのような語のあとに続くのかをしらべてみましょう。

次の例を見てください。

【A】 始まる ようだ  楽しい ようだ  にぎやかな ようだ  知ら せる ようだ  見 させる ようだ  押さ れる ようだ  食べ られる ようだ  走ら ない ようだ  行き たい ようだ  知ら  ようだ  死ん  ようだ

【B】 夢  ようだ  その ようだ

Aのグループの、「始まる(ようだ)」「楽しい(ようだ)」「にぎやかな(ようだ)」は、それぞれ動詞・形容詞・形容動詞です。一見、「始まる」「楽しい」の活用形が終止形か連体形のどちらであるか迷いますが、形容動詞「にぎやかだ」が連体形「にぎやかな」になっていることから、動詞・形容詞も連体形であるとかんがえてください。

Aグループのそのほかの赤字部分、「せる」「させる」「れる」「られる」「ない」「たい」「ぬ」「だ」はすべて助動詞ですが、これらについても同じように連体形であるとかんがえてください。

このように、「ようだ」は、まず、用言(動詞・形容詞・形容動詞)およびいくつかの助動詞の連体形のあとに続けて用いられます

**

次にBのグループですが、「夢の(ようだ)」の「の」は助詞です。そして、「その(ようだ)」は連体詞です。「その」だけでなく、連体詞「この」「あの」「どの」も「ようだ」につらなることができます。

このように、「ようだ」は、助詞「の」連体詞「この」「その」「あの」「どの」にもつきます

「ようだ」は、もともと名詞の「よう(様)」に助動詞「だ」がついたかたちが、一つの助動詞になったものです。もとが名詞なので、活用語の連体形や連体詞、体言につく助詞「の」が連なるのですね。

★ まとめ ★

【助動詞「ようだ」の接続】

○ 「ようだ」は、用言(動詞・形容詞・形容動詞)や一部の助動詞の連体形助詞「の」および連体詞「この・その・あの・どの」に接続する。

▼ 練習問題で理解度チェック

【問題1】

次の文中の下線部と同じ意味の助動詞を含む文を①から③の中から選んで、記号で答えなさい。

  の消えたようなさびしさだ。

① 失恋して落ち込んでいるようだ。

② 苦虫をかみつぶしたような顔をする。

③ この小川には、ホタルやタニシのような生き物が生息しています。

【正解】

【解説】

助動詞「ようだ」の意味を見分ける問題です。「ようだ」には、たとえ・推定・例示の三つの意味があります。文中の「ようだ」がそれらのどの意味かを見分けるには、文に適当なことばを入れてみるのがコツです。

「灯の消えたような」には、「まるで」「あたかも」といったことばがぴったり当てはまります。②の「苦虫をかみつぶしたような」も同じです。したがって、これらの「ような(ようだ)」は、たとえ(比況)の意味だとわかります。

そして、①は「どうやら」「どうも」を入れることができるので推定の意味、③は「たとえば」を入れることができるので例示の意味だということがわかります。

【問題2】

次の各文中の( )にあてはまる語を、あとから選んで記号で答えなさい。

(1) このあたりは、( )柿や梨のような木が植えてある。

(2) ( )歯の浮くようなお世辞せじを言う。

(3) 彼の見解は、( )間違っていたようだ。

 ア まるで  イ どうやら  ウ たとえば

【正解】

(1) ウ  (2) ア  (3) イ

【解説】

文中の「ようだ」がどのような意味かによって、( )にあてはまる語が決まります。たとえの意味であれば「まるで」があてはまり、推定の意味であれば「どうやら」、例示の意味であれば「たとえば」があてはまります。まぎらわしですが、たとえの意味に「たとえば」をあてはめないように注意してください。

**

【問題3】

次の各文中から助動詞「ようだ」を探し出して、その活用形を答えなさい。

(1) 母は、疲れていたようだった。

(2) 誰かが来たような気がする。

(3) 早く走れるようになりたい。

(4) 7時に起きないようなら、むりやり起こします。

【正解】

(1) 連用形  (2) 連体形  (3) 連用形  (4) 仮定形

【解説】

「ようだ」は形容動詞型の活用をすることを覚えておけば、形容動詞のように活用させて活用形をかんがえることができます。

(1)の「ようだっ(た)」と、(3)の「ように」は、どちらも「ようだ」の連用形です。「ようだ」の連用形は、形容動詞と同じように三つあります。(2)の「ような」は、連体形です。形容動詞型の活用は、終止形と連体形のかたちがちがうことを頭の片隅に入れておきましょう。(4)の「ようなら(、)」は、仮定形です。「ようなら、」と言うこともできます。

▼ コメント

 このページの内容に関して、ご質問やご指摘などを書き込むことができます。また、掲示板のほうにも、本サイトへの皆様のご意見・ご要望をぜひお寄せください。

サイト内検索