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助動詞(13)「だ」

助動詞「だ」の意味・活用・接続について見ていきましょう。

▼ 「だ」の意味

助動詞「」の意味をみていきましょう。

次の例文を見てください。

● あれは 秋田犬  。

「秋田犬だ」という表現は、その犬が他の種類の犬ではなく、たしかに秋田犬であるということをあらわしています。話し手が自信をもってそうだと判断するような言い方です。

たしかにそうであると判断すること断定だんていと言います。「だ」は、この断定の意味をもつ助動詞です。

ちなみに、話し手に少し自信がないときにはどのような表現になるでしょうか。その場合には、「秋田犬のようだ」とか、「秋田犬らしい」といったような表現になります。

★ まとめ ★

【助動詞「だ」の意味】

○ 断定 (たしかに~である)

▼ 「だ」の活用

助動詞は、活用する語です。それでは、「だ」という助動詞は、どのように活用するのでしょうか。

次の例を見てみましょう。

● 真実  → 真実だろう 真実だった 真実ある 真実ので 真実なら(ば)

この例の赤字の部分だけを抜き出して、「だ」の活用表をつくってみましょう。助動詞にも、活用形の種類があります。

【表】助動詞「だ」の活用表

基本形 未然形 連用形 終止形 連体形 仮定形 命令形
だろ

だっ

(な) なら
続くことば

アル

(言い切る)

ノデ (バ)  

★スマートフォンの方は、横にスクロールさせてください。

この活用のしかたは、なにに似ていると思いますか。形容動詞の活用のしかたとほぼ同じですね。ただし、連用形が「だっ」と「で」の二つしかないところが形容動詞とちがっています。

「だ」は、形容動詞型の活用をする助動詞です。ただし、語幹と活用語尾の区別がありません。ほかに形容動詞型の活用をする助動詞として、「そうだ」「ようだ」があります。

**

ここで注意してほしいことがあります。上の活用表で連体形の「な」が丸かっこで囲んでありますね。これはどういう意味かといいますと、連体形の「な」が用いられるのは、助詞の「」「ので」「のに」につらなる場合だけにかぎられるという意味です。連体形であっても、体言(名詞)にはつらなりません。たとえば、「学生な人」という言い方はできません。次の例を参考にしてください。

● 学生  は、いまだけだ。

● 学生  のに、毎日勉強している。

● 学生  ので、働いている。

***

もう一つ注意点です。活用表の仮定形の続くことばでバを丸かっこで囲んでありますね。これは、仮定形の「なら」は、「ば」をつけてもよいですし、「ば」をつけずにそのままのかたちで用いてもよいという意味です。

★ まとめ ★

【助動詞「だ」の活用】

○ 「だ」は、形容動詞型の活用をする。

* 連体形「な」は、助詞「の」「ので」「のに」にしかつかない。

▼ 「だ」の接続

助動詞は、付属語です。付属語は、かならず他の語のあとに続くことばです。それでは、「だ」という助動詞がどのような語のあとに続くのかをしらべてみましょう。

「だ」の接続は、ほかの助動詞とくらべて、ちょっと複雑です。

(1) 「だ」のすべての活用形の接続

次の例を見てください。

【A】 真実 だ  僕  だ

「真実(だ)」は体言(名詞)です。そして、「僕-の(だ)」の「」は助詞です。助動詞の「だ」は、「の」のほかにも「から」「だけ」「ばかり」など、さまざまな助詞につきます。

このグループは、「真実だろ-う」「真実だっ-た」「真実で-ある」「真実な-ので」「真実なら(ば)」というように、「だ」のすべての活用形がつくことのできるかたちです。

「だ」は、すべての活用形体言および一部の助詞につきます

(2) 「だろ」「で」「なら」だけの接続

次の例は、「だ」の未然形「だろ」、連用形「で」、仮定形「なら」だけがする接続のしかたを示しています。

【B】 起きる だろ う  暑い だろ う  知ら せる だろ う

【C】 起きる  あろう  暑い  あろう  知ら せる  あろう

【D】 起きる なら(ば) 暑い なら(ば) 知ら せる なら(ば) し ます なら(ば)

Bのグループは、未然形「だろ」がつくかたちです。「起きる」「暑い」「(知ら)せる」は、それぞれ動詞・形容詞・助動詞の終止形です。助動詞は、「せる」のほかに、「させる」「れる」「られる」「たがる」「ない」「たい」「ぬ(ん)」「た(だ)」の終止形につくこともできます。

「だ」の未然形「だろ」は、動詞形容詞一部の助動詞の終止形につくことができます。

**

Cのグループは、連用形「で」が続くかたちです。未然形「だろ」の接続のしかたと同じなのですが、注意点が一つあります。それは、連用形「で」がこのかたちで用いられるのは、例のように、「で」のあとに「あろう」がつく場合にかぎられるということです。

***

Dのグループは、仮定形「なら」が続くかたちです。基本的に未然形「だろ」や連用形「で(あろう)」の接続のしかたと同じなのですが、ちがう点がひとつあります。それは、「なら」だけは、助動詞「ます」の終止形につくことがあるということです。

★ まとめ ★

【助動詞「だ」の接続】

○ 「だ」は、体言一部の助詞に接続する。

○ 未然形「だろ」・連用形「で」・仮定形「なら」は、動詞・形容詞・一部の助動詞の終止形にも接続する。「なら」は、「ます」の終止形にも接続する。

▼ 練習問題で理解度チェック

【問題1】

次の各文中から助動詞「だ」を探し出して、その活用形を答えなさい。

(1) 一番近い駅はどこだろうか。

(2) 人間は考えるあしである。

(3) 雨なので、傘を持っていきなさい。

(4) コンビニに行くなら、アイスを買ってこい。

【正解】

(1) 未然形  (2) 連用形  (3) 連体形  (4) 仮定形

【解説】

「だ」は、形容動詞型の活用をします。形容動詞の活用を覚えていれば、「だ」の活用形もわかります。「だろ-う」「だっ-た」「で-ある」…、というように活用形とそれに続くことばを頭の中で思い出しましょう。

(1)の「だろ」は未然形、(2)の「で」は連用形だとすぐにわかります。(3)の「な」が「だ」の連体形なのですが、助詞「の」「ので」「のに」にしかつかないことに注意してください。(4)の「なら」は仮定形で、「ば」をつけて「行くならば」とすることもできます。

【問題2】

次の①から④の文のうち、下線部が助動詞「だ」であるものを番号で答えなさい。

① ネコがぼくの指をかん

② 先生のアドバイスは、いつも的確だった。

③ お見舞いに行ったら、元気そうだった。

④ 今夜、雨は雪にかわるだろう。

【正解】

【解説】

「だ」の品詞を見分ける問題です。「だ」は、断定の助動詞だけではありません。形容動詞の活用語尾や助動詞「た(だ)」「そうだ」「ようだ」も、部分的に「だ」と同じかたちをしています。このように、「だ」は、品詞の区別がまぎらわしいことばの一つです。

①の「かん(だ)」は、動詞「かむ」の音便の形です。動詞が音便の形になるのは、助動詞「た(だ)」につらなるときですので、①の下線部の「だ」は「た(だ)」であることがわかります。

②の「だっ」は、一見、「的確」が体言であるように見えて、助動詞「だ」であるとかんがえてしまうかもしれません。ここで、助動詞「だ」の連体形「な」は体言につかないことを思い出してください。②の下線部を「な」に変えて適当な体言をつけてみると、「的確アドバイス」と言えてしまいます。つまり、②は助動詞ではありません。②のように、「だ」を「な」に置きかえて体言につらなることができるのは、形容動詞です。

③についても、②と同じように、「だ」を「な」に置きかえて体言につらなることができます。「元気そう人」となりますね。ただし、この場合は直前に「そう」があることに注意してください。これは、形容動詞ではなく、助動詞「そうだ」です。

④の「だろ(う)」は、直前の語が「かわる」という動詞であることに注目してください。助動詞「だ」の未然形「だろ」が動詞の終止形に接続できることを知っていれば、下線部が助動詞「だ」であることがわかります。

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