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助動詞(6)「まい」

助動詞「まい」の意味・活用・接続について見ていきましょう。助動詞「まい」には、二つの意味があります。助動詞「う」「よう」の意味とくらべましょう。

▼ 「まい」の意味

助動詞「まい」の意味をみていきましょう。

「まい」には、次の二つの意味があります。「う」「よう」の意味とちょうど対照たいしょう的ですので、覚えやすいと思います。

それぞれの意味を例文を見ながら考えていきましょう。

(1) 打ち消う けしの推量すいりょう

● 誰も  まい 。

「来まい」は、来ないということがまだ決まったわけではないけれども、来ないだろうとかんがえる(しはかる)意味をあらわしています。

話し手がなんらかのことを推しはかることを推量といいます。助動詞「う」「よう」の意味の一つが推量でしたね。

例文の「まい」は、この推量の意味に、さらに「そうでない」という意味(打ち消し)が加わったものです。つまり、「そうでない」と推しはかること(~ないだろう)を意味しています。これを打ち消しの推量といいます。これが「まい」の一つめの意味です。

(2) 打ち消う けしの意志いし

● なまけ者に なる まい 。

「なるまい」は、そうならないつもりである、あるいは、そうならないことを決心するという意味をあらわしています。例文は、怠け者にはなるものか、という意味です。

助動詞の「う」「よう」のもう一つの意味に、話し手のなにかをする・決心するという意志がありました。

例文の「まい」は、この意志の意味に、さらに「そうでない」という意味(打ち消し)が加わったものです。つまり、「そうでない」ようにするつもりだ(~ないつもりだ)という意味をあらわしています。これを打ち消しの意志といいます。これが「まい」のもう一つの意味です。

以上みたように、「う」「よう」が推量と意志をあらわすのに対して、「まい」は打ち消しの推量と打ち消しの意志をあらわすというように対応しています。「う」「よう」の否定の意味が「まい」であると理解してください。

★ まとめ ★

【助動詞「まい」の意味】

① 打ち消しの推量 (~ないだろう)

② 打ち消しの意志 (~ないつもりだ)

* 「う」「よう」の推量・意志に、打ち消し(否定)が加わった意味。

▼ 「まい」の活用

助動詞は活用する語ですが、「まい」という助動詞はどのように活用するのでしょうか。今回も、いきなり活用表から入ります。

【表】助動詞「まい」の活用表

基本形 未然形 連用形 終止形 連体形 仮定形 命令形
まい まい (まい)
続くことば    

(言い切る)

コト    

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「まい」の活用形は、終止形と連体形の二つしかありません。しかも、同じかたちです。これは、「う」「よう」の活用のしかたと同じですね。ことばのかたちは変化していませんが(無変化)、活用形の別はあるので一応活用があると考えましょう。

「まい」は、無変化型の活用をする助動詞です。無変化型の活用をする助動詞としては、「まい」のほかに「」「よう」があります。

**

もう一度活用表をよく見ると、連体形の「まい」が丸かっこで囲んであります。この丸かっこは、連体形の「まい」が用いられるのは、「こと」「もの」といった名詞が続くときだけにかぎられるということをあらわしています。

次の例文を参考にしてください。

● あろう ことか ある まい ことか、父が 殺された。

● きじも 鳴かなければ うたれ まい ものを。

★ まとめ ★

【助動詞「まい」の活用】

○ 「まい」は、無変化型の活用をする。

▼ 「まい」の接続

助動詞は、付属語です。付属語とは、かならず他の語のあとに続くことばです。それでは、「まい」という助動詞がどのような語のあとに続くのかをしらべてみましょう。

次の例を見てください。

【A】 言う まい  落ち まい  消え まい   まい  失敗し まい

【B】 知ら  まい  食べ させ まい  言わ  まい  来 られ まい  思い ます まい

Aのグループの赤字部分はすべて動詞ですが、すべて同じ活用形というわけではありません。

「言う(まい)」は、五段活用の動詞(言う)の終止形です。一方、「落ち(まい)」「消え(まい)」「来(まい)」「失敗し(まい)」は、それぞれ上一段活用(落ちる)・下一段活用(消える)・カ行変格活用(来る)・サ行変格活用(失敗する)の動詞の未然形です。

このように、「まい」は、五段活用の動詞の終止形、および、五段活用以外の動詞の未然形のあとに続きます

**

Bのグループの赤字部分は、すべて助動詞です。「せ」「させ」「れ」「られ」は、それぞれ、「せる」「させる」「れる」「られる」の未然形です。これに対して、「ます」だけは終止形であることに注意してください。

このように、「まい」は、助動詞「せる」「させる」「れる」「られる」の未然形、および、助動詞「ます」の終止形にもつきます

「まい」の接続については、以上のように説明されることがふつうです。ですが、次のような言い方はどうでしょうか。

● 落ちるまい  消えるまい  来るまい  失敗するまい

● 知らせるまい  食べさせるまい  言われるまい  来られるまい

あれ? なにか違うけれど、別におかしくありませんね。

「まい」は、五段活用以外の動詞と、助動詞「せる」「させる」「れる」「られる」の未然形につくと説明しましたが、上の例では、すべてそれらの終止形についています。「まい」は、このように接続することもあるということを頭の片隅かたすみに入れておきましょう。

★ まとめ ★

【助動詞「まい」の接続】

○ 「まい」は、五段活用の動詞、および、助動詞「ます」の終止形に接続する。

○ 「まい」は、五段活用以外の動詞、および、助動詞「せる」「させる」「れる」「られる」の未然形に接続する。

▼ 練習問題で理解度チェック

【問題1】

次の各文中の下線部の意味が、(ア)打ち消しの推量と(イ)打ち消しの意志のいずれであるかを記号で答えなさい。

(1) この病気は治るまい

(2) 平和のを消すまい

(3) 遺族の悲しみは消えまい

(4) けっして泣くまいとこらえた。

【正解】

(1) ア  (2) イ  (3) ア  (4) イ

【解説】

助動詞の意味を見分けるときは、同じ意味のことばに置きかえたり、適当なことばをいれたりできないかを試すのがコツです。打ち消しの推量は「~ないだろう」、打ち消しの意志は「~ないつもりだ」「~ないことにしよう」などのことばに置きかえることができます。また、打ち消しの推量であれば「たぶん」などの語を入れても意味がとおります。

(1)と(3)は、「~ないだろう」に置きかえたり、「たぶん」を挿入したりしても文の意味がおかしくなりません。したがって、打ち消しの推量の意味です。(2)と(4)は、「~ないつもりだ」「~ないことにしよう」に置きかえることができますから、打ち消しの意志の意味です。

【問題2】

次の各文中の□にかな1文字をあてはめなさい。

(1) そんなはずはあ□まい。

(2) 反対派は、納得□まい。

(3) 子どもを道路で遊ば□まい。

(4) あなたにはわかりま□まい。 

【正解】

(1) る  (2) し  (3) せ  (4) す

【解説】

「まい」は、接続する語の種類によってどの活用形に接続するかが違います。文の意味から「まい」の直前にくるべき語を推理して、その語が「まい」につらなるときにはどのような活用形をとるかを考えましょう。

(1)は五段活用の動詞「ある」で、五段動詞の場合はその終止形につきます。(2)はサ変動詞「納得する」で、サ変動詞の場合は未然形につきます。(3)は、文の意味や、「遊ば」が動詞の未然形であることからして、□の部分に助動詞「せる」がくると考えることができます。「まい」は「せる」の未然形につきます。(4)も、同じようにして助動詞「ます」がくると推理してください。「まい」は「ます」の終止形につくことに注意してください。

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