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助動詞(7)「たい・たがる」

助動詞「たい」「たがる」の意味・活用・接続について見ていきましょう。「たい」と「たがる」とでは、意味が少しちがっていて活用も異なります。

▼ 「たい」「たがる」の意味

助動詞の「たい」「たがる」の意味をみていきます。

まずは、次の二つの例文を見ましょう。

● わたしは コーヒーを 飲み たい 。

● あなたは コーヒーを 飲み たがる 。

「飲みたい」も「飲みたがる」も、「飲む」という動作をしたい・望むという気持ちをあらわしています。なにかをしたい・望むという意味を希望と言います。「たい」「たがる」は、どちらも希望の意味をあらわす助動詞です。

ただ、二つの例文を見比べてみると、「たい」と「たがる」とで微妙な意味のちがいがあります。「たい」も「たがる」もどちらも希望の意味なのですが、「たい」の場合には「わたし」が希望していることをあらわしているのに対して、「たがる」の場合には「あなた」が希望していることをあらわしています。

このように、「たい」は自分(話し手)の希望をあらわすのに対して、「たがる」は他人(話し手以外の者)の希望をあらわすという違いがあります。

★ まとめ ★

【助動詞「たい」「たがる」の意味】

○ 「たい」は自分の希望をあらわし、「たがる」は他人の希望をあらわす。

▼ 「たい」「たがる」の活用

助動詞は、活用する語です。「たい」「たがる」も助動詞なので、活用します。それぞれどのように活用するのかをみていきましょう。

(1) 「たい」の活用

まずは、「たい」の活用からです。次の例を見てください。

● 遊び たい → 遊びたかろう 遊びたかった 遊びたくなる 遊びたいとき 遊びたけれ

この例の赤字の部分だけを抜き出して、「たい」の活用表をつくってみましょう。助動詞にも、活用形の種類があります。

【表】助動詞「たい」の活用表

基本形 未然形 連用形 終止形 連体形 仮定形 命令形
たい たかろ

たかっ

たく

たい たい たけれ
続くことば

ナル

(言い切る)

トキ  

★スマートフォンの方は、横にスクロールさせてください。

この活用表を見て、同じような活用のしかたに見覚えはありませんか。そう、形容詞の活用のしかたと同じですね。

「たい」は、形容詞型の活用をする助動詞です。ただ、形容詞と違って、助動詞には語幹と活用語尾の区別がありません。

(2) 「たがる」の活用

次に「たがる」の活用です。次の例を見てみましょう。

● 遊び たがる → 遊びたがらない 遊びたがります 遊びたがった 遊びたがるとき 遊びたがれ

この例の赤字の部分だけを抜き出して、「たがる」の活用表をつくってみましょう。

【表】助動詞「たがる」の活用表~その1

基本形 未然形 連用形 終止形 連体形 仮定形 命令形
たがる たがら

たがり

たがっ

たがる たがる たがれ
続くことば ナイ

マス

(言い切る)

トキ  

★スマートフォンの方は、横にスクロールさせてください。

上の活用表をよく見ると、言い切りのかたちがウ段の音で終わっていて、ナイをつけると語尾がア段の音になります。この点に着目すると、動詞の五段活用に似ているのがわかります。

わかりやすくするために、未然形に「たがろ」を、命令形に「たがれ」をつけ加えてみましょう。そうすると、活用表は次のようになります。

【表】助動詞「たがる」の活用表~その2

基本形 未然形 連用形 終止形 連体形 仮定形 命令形
たがる

たがら

たがろ

たがり

たがっ

たがる たがる たがれ たがれ
続くことば

ナイ

マス

(言い切る)

トキ

(命令して

言い切る)

★スマートフォンの方は、横にスクロールさせてください。

こうすると、動詞の五段活用とまったく同じですね(語幹と活用語尾の区別がないという違いはありますが)。実は、こっちの活用表のほうを「たがる」の活用とする考え方もあります。

**

いずれにせよ、「たがる」は、五段動詞型の活用をする助動詞だと覚えておけばよいでしょう。

★ まとめ ★

【助動詞「たい」「たがる」の活用】

○ 「たい」は、形容詞型の活用をする。

○ 「たがる」は、五段動詞型の活用をする。

▼ 「たい」「たがる」の接続

助動詞は付属語ですから、かならず他の語のあとに続けて用いられます。それでは、「たい」「たがる」という助動詞は、どのような語のあとに続くのかをみてみましょう。

次の例を見てください。

【A】 遊び たい/遊び たがる   たい/ たがる  食べ たい/食べ たがる   たい/ たがる  旅行し たい/旅行し たがる

【B】 会わ  たい/会わ  たがる  寝 させ たい/寝 させ たがる  思わ  たい/思わ  たがる  ほめ られ たい/ほめ られ たがる

Aのグループの赤字部分「遊び」「見」「食べ」「来」「旅行し」は、すべて動詞の連用形です。「遊ぶ」「見る」「食べる」「来る」「旅行する」は、それぞれ五段活用・上一段活用・下一段活用・カ行変格活用・サ行変格活用の動詞です。そのそれぞれに「たい」と「たがる」のどちらもつくことができます。

このように、「たい」と「たがる」は、どちらもすべての動詞の連用形につく助動詞です。

**

こんどは、Bのグループを見てみます。「会わ(たい・たがる)」は、一つの語ではありません。動詞「会う」の未然形「会わ」に、「せる」という助動詞の連用形「せ」がついたものです。

おなじように、「寝させ●●(たい・たがる)」「思わ(たい・たがる)」「ほめられ●●(たい・たがる)」も、それぞれ動詞に助動詞「させる」「れる」「られる」の連用形がついたものです。

このように、「たい」と「たがる」は、どちらも「せる」「させる」「れる」「られる」という助動詞の連用形のあとにつくこともあります。

★ まとめ ★

【助動詞「たい」「たがる」の接続】

○ 「たい」「たがる」は、動詞の連用形、および、助動詞「せる」「させる」「れる」「られる」の連用形に接続する。

▼ 練習問題で理解度チェック

【問題1】

次の各文中の( )に、(ア)「たい」と(イ)「たがる」のどちらかがあてはまるかを記号で答えなさい。

(1) 猫が魚を食べ( )。

(2) 私も、あなたのように成功し( )。

(3) 子どもが遊びにいき( )。

(4) 一度でよいから、ヨーロッパに行ってみ( )。

【正解】

(1) イ  (2) ア  (3) イ  (4) ア

【解説】

「たい」も「たがる」も、希望をあらわす助動詞ですが、「たい」は自分(話し手)の希望をあらわし、「たがる」は他人(話し手以外のもの)の希望をあらわすというちがいがあります。設問中の各文についてそれぞれの主語はなにかをかんがえると、どちらをあてはめればよいかがわかります。

(1)と(3)の文は、それぞれ主語が「猫が」「子どもが」であり、いずれも話し手以外のものですから、文末には「たがる」がつきます。(2)の文の主語は「私も」、(4)の文は主語がありませんが、文の意味からかんがえて話し手を主体としているから、文末に「たい」がつくことがわかります。

【問題2】

次の各文中から希望の助動詞を探し出し、その活用形を答えよ。

(1) 子どもが勉強をしたがらない。

(2) 食べたくないなら、ごはんをあげません。

(3) 自慢したがる人の気持ちが理解できません。

(4) ついて来たければ、ついて来なさい。

【正解】

(1) 未然形  (2) 連用形  (3) 連体形  (4) 仮定形

【解説】

「たい」は形容詞型の活用をし、「たがる」は動詞型の活用をすることがわかっていれば、形容詞や動詞の活用形をかんがえるのと同じです。どのような語が続いたらどうような活用形になるかをかんがえましょう。

(1)も(2)も希望の助動詞の直後に「ない」がついています。「ない」は、動詞であれば未然形に、形容詞であれば連用形につくことに注意してください。(1)の「たがら(たがる)」は動詞型活用をするので未然形、(2)の「たく(たい)」は形容詞型活用をするので連用形です。(3)は体言「人」がつくので連体形、(4)は「ば」がつくので仮定形。

**

【問題3】

次の各文中の下線部が助動詞であるものを選び、番号で答えなさい。

① ベットの上で眠りたい

② 本を読むと、眠たい

③ 彼女は、眠たがっていた。

④ あんなに寝ても、まだ眠りたがる

【正解】

①、④

【解説】

助動詞の「たい」「たがる」とまぎらわしい語を見分ける問題です。「たい」「たがる」を「ます」に置きかえても、意味が通じる文になるのであれば助動詞、そうでなければ助動詞ではありません。

①と④の文は、それぞれ「たい」「たがる」を「ます」に置きかえても文として成り立ちます(意味は微妙にちがいます)から、助動詞です。これに対して、②と③の文の「たい」「たがっ」は、「ます」に置きかえることができないので、助動詞ではありません。実は、「眠たい」で一語の形容詞、「眠たがる」で一語の動詞です。意味はほとんど同じですが、文法的には区別されるので注意してください。

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