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副助詞の働き

要点のまとめ

■ 副助詞とは

副助詞ふくじょし … いろいろな語に付ついて、さまざまな意味をそえる働きをする。

■ 副助詞の働き

副助詞は、強調きょうちょう・類推るいすい・並立へいりつ・限定げんてい・添加てんか・程度ていど・例示れいじ・不確ふたしかなどの意味をそえる。

(例) これこそ芸術だ。(強調)

(例) 歩くことさえできない。(類推)

(例) 右も左もわからない。(並立)

(例) 遊んでばかりいる。(限定)

(例) 雨が降り、雷まで鳴りだした。(添加)

(例) 1時間ほどかかる。(程度)

(例) お茶などを用意する。(例示)

(例) どこかに置き忘れる。(不確か)

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解説

助詞の種類の一つに副助詞ふくじょしがあります。

副助詞とはなにか、どのような働きをするかを見ていきましょう。

1 副助詞とは

次の二つの文をくらべてください。

【A】花子 が 好きだ。

【B】花子 も 好きだ。

Aの文の「が」を「も」に置きかえたのがBの文です。

どちらの文も基本的に同じ内容ですが、少し意味がちがっています。

Bの文は、「花子」が好きなだけではなく、「花子」以外にも好きな人がいるという意味をふくんでいます。

この例から、「も」という語(助詞)は、文の内容に当てはまるものとして他にも同じようなものがあることを表していることがわかります。

また、次の文もくらべてみましょう。

【C】好きなこと をする。

【D】好きなこと だけ をする。

Cの文中に「だけ」を入れたのがDの文です。

「だけ」があるかないかによって、意味が少しちがっています。

Dの文は、「する」のは「好きなこと」にかぎられ、それ以外のことはしないという意味をふくんでいます。

この例から、「だけ」という語(助詞)は、文の内容に当てはまるものはそれにかぎること(限定げんてい)を表していることがわかります。

*

以上から、「も」や「だけ」といった語(助詞)があることによって、語や文にさまざまな意味がそえられる(付つけ加えられる)ことがわかります。

このように、さまざまな意味をそえる働きをする助詞を副助詞ふくじょしと呼びます。

副助詞とされる語にはどのようなものがあるかや、主な副助詞の意味・用法については、「主な副助詞の用法」のページを参照してください。

もっと知る

副助詞の多くは、それを取りのぞいたり、格助詞に置きかえたりしても、文が成り立ちます。

しかし、次の例のように、そうでない場合もあります。

・被害は、ひろがる ばかり だ。

・成功する まで 続ける。

・ケーキ しか 食べない。

**

副助詞は、いろいろな語に付きます。つまり、体言や用言のほか、助動詞や助詞にも付きます。

今度 体言  こそ 副助  成功する。

薬を 飲み 用言  さえ 副助  すればよい。

妹体言 は副助 、今帰っ た助動詞 ばかり 副助  だ。

子ども に助詞 まで 副助  笑われる。

次の例のように、他の種類の助詞と重かさねて用いたり、副助詞どうしが重複ちょうふくしたりすることもあります。

私 だけ 副助  が格助 知っている。

ここ から 格助  は副助 立ち入り禁止です。

これ くらい 副助  しか 副助  できない。

2 副助詞の働き

すでに見たように、副助詞にはさまざまな意味をそえる働きがあります。

副助詞の意味の主なものとして、次のようなものがあります。

(1) 強調きょうちょう

意味を強めます。

これ こそ 芸術だ。

(2) 類推るいすい

一つの極端きょくたんな例をあげて、他も当然そうであると推測すいそくさせます。

歩くこと さえ できない。

(3) 並立へいりつ

二つ以上の物事ものごとを同等どうとうにならべます。

右 も 左 も わからない。

(4) 限定げんてい

それと限かぎることを表します。

遊んで ばかり いる。

(5) 添加てんか

物事を付け加えることを表します。

雨が降り、雷 まで 鳴りだした。

(6) 程度ていど

物事の範囲や限度を表します。

1時間 ほど かかる。

(7) 例示れいじ

その他にも当てはまるものがあることを表します。

お茶やお菓子 など を用意する。

(8) 不確ふたしか

明らかにできず、あやふやなことを表します。

本をどこ か に置き忘れた。

不確かを表す副助詞は、疑問を表す語に付きます。

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練習問題

問題

次の各文中の下線部(副助詞)の働きとして適当なものを後のアからエの中から選び、記号で答えなさい。

(1) 携帯けいたい電話などを持ち歩く。

(2) 驚おどろくほどわかりやすい。

(3) いつか世界中を旅したい。

(4) 専門家でもわからない問題だ。

ア 類推

イ 程度

ウ 例示

エ 不確か

【考え方】

一つひとつの副助詞は決まった意味を表します。(個々の副助詞の意味・用法については、「主な副助詞の用法」のページを参照してください。)

もっとも、たいていの副助詞は複数の意味をもっているので、文全体の意味から副助詞の意味を考える必要があります。

(1) 「携帯電話」は一つの例で、他にも持ち歩く物があることを表しています。したがって、(1)の「など」は例示の意味です。

(2) 「驚くほど」は、どのくらい「わかりやすい」のかについての程度を表しています。したがって、(2)の「ほど」は程度の意味です。

(3) 「いつか」は、「いつ」になるかは明らかでないことを表しています。したがって、(3)の「か」は不確かの意味です。

このように、不確かを表す副助詞は、疑問を表す語に付きます。

(4) 「専門家」という極端な例をあげることによって、一般の人ならなおさらわからないということを表しています。

したがって、(4)の「でも」は類推の意味です。


【答】

(1) ウ

(2) イ

(3) エ

(4) ア

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