国語の文法
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単語の分類(3)品詞の分類

要点のまとめ

■ 品詞の分類

① 品詞ひんしの分類とは、単語を文法上の性質によって分類したものである。

② 品詞には、動詞どうし・形容詞けいようし・形容動詞けいようどうし・名詞めいし・副詞ふくし・連体詞れんたいし・接続詞せつぞくし・感動詞かんどうし・助動詞じょどうし・助詞じょしの10種類がある。

③ 品詞分類表は、品詞の分類を表にまとめたものである。

■ 品詞の転成

品詞の転成てんせいとは、ある品詞の単語がほかの品詞になることをいう。

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解説

単語は、最終的に品詞とよばれるグループに分類することができます。

品詞分類表は重要ですので、ぜひ覚えるようにしましょう。

1 品詞の分類

単語は、まず自立語と付属語に区別することができます(「単語の分類(1)自立語と付属語」のページを参照)。

さらに、自立語と付属語は、それぞれ活用がある語と活用がない語に区別することができます(「単語の分類(2)単語の活用」のページを参照)。

単語の分類
【図】単語の分類

このようにして、単語は、活用がある自立語と活用がない自立語、活用がある付属語と活用がない付属語の四つのグループに分類されます。

そして、そこからさらにまた、いくつかのグループに分けることができます。

(1) 活用がある自立語 → 動詞どうし・形容詞けいようし・形容動詞けいようどうし

自立語で活用がある単語は、その基本形(辞書の見出しの形)によって三つのグループに分類されます。

「書く」「読む」などのように、単語の基本形が五十音図のウ段の音おんで終わるグループを動詞といいます。

「楽しい」「多い」などのように、単語の基本形が「い」で終わるグループを形容詞といいます。

「おだやかだ」「元気だ」などのように、単語の基本形が「だ」で終わるグループを形容動詞といいます。

これら三つのグループ、動詞・形容詞・形容動詞をまとめて用言ようげんといいます。

用言には、単独で述語になることができるという特徴があります。

用言の見分け方をまとめておきます。

国文法のコツ

用言を見分けるには、単語の基本形の最後に注目する。

① ウ段の音で終わる → 動詞

②「い」で終わる → 形容詞

③「だ」で終わる → 形容動詞

(2) 活用がない自立語 → 名詞めいし・副詞ふくし・連体詞れんたいし・接続詞せつぞくし・感動詞かんどうし

自立語で活用がない単語は、それがつくる文節の働きによって五つのグループに分類されます。

「人間」「わたし」「富士山」などのように、おもに主語になるグループを名詞といいます。用言に対して、体言たいげんということもあります。

「とても」「すぐ」「まるで」などのように、おもに連用修飾語(用言を修飾する文節)になるグループを副詞といいます。

「あの」「大きな」「たいした」などのように、連体修飾語(体言を修飾する文節)になるグループを連体詞といいます。

「そして」「だから」「しかし」などのように、接続語になるグループを接続詞といいます。

「ああ」「はい」「こんにちは」などのように、独立語になるグループを感動詞といいます。

名詞(体言)がつくる文節は主語になることができますが、副詞・連体詞・接続詞・感動詞がつくる文節は主語になることができません。

(3) 付属語 → 助動詞じょどうし・助詞じょし

付属語のうち、活用があるものは助動詞、活用がないものは助詞というグループになります。

活用がある単語は自立語(用言)だけではないことに注意しましょう。

*

以上のようにして、単語を文法上の性質によって分類していくと、最終的には、動詞・形容詞・形容動詞・名詞・副詞・連体詞・接続詞・感動詞・助動詞・助詞の10種類のグループに分けることができます。

このように文法上の性質によって10種類に分類された単語のグループを品詞ひんしとよびます。

単語が品詞に分類されるまでのようすを表のかたちにしてまとめたものが次の品詞分類表ぶんるいひょうです。この表をぜひ覚えましょう。

★ クリックで拡大します。

品詞分類表
【表】品詞分類表

「わたし」「これ」「こちら」などのような単語を代名詞だいめいしといいます。

ここでは、代名詞を名詞の一種としてあつかっていて、独立の品詞とはしていません。

しかし、代名詞を名詞とは区別して独立の品詞としてあつかい、品詞を全部で11種類とする考え方もあります。

2 品詞の転成

次の二つの例文を見てください。

① 恋に 悩み、苦しむ。

② 恋の 悩みで 苦しむ。

二つの例文の赤字部分は、どれも同じ形の単語です。

しかし、例文①の「悩み」と例文②の「悩み」は、それぞれ品詞がちがいます。

例文①の「悩み」の品詞は、動詞です。これに対して、例文②の「悩み」の品詞は、名詞です。

名詞の「悩み」という単語は、動詞の「悩み」(の連用形)がそのままの形で名詞になったものです。

このように、ある品詞の単語がほかの品詞に転てんじることを品詞の転成てんせいといいます。

もっと知る

品詞の転成で多いのは、動詞や形容詞の連用形が名詞になる場合です。

たとえば、「光(ひかり)」という名詞は、動詞「光(ひか)る」の連用形「光り」から転成したものであり、また、「近く」という名詞は、形容詞「近い」の連用形から転成したものです。

そのほかにも、他の品詞から副詞や接続詞、感動詞に転成した語もあります。

副詞の「あまり」「つゆ」「ゆめ」、接続詞の「および」「また」「けれども」、感動詞の「あれ」「よし」「おはよう」など。

とくに接続詞の多くは、他の品詞から転成したものです。

なお、以上のように語の形が変わらずに品詞が転じる場合だけでなく、「春」→「春めく・春っぽい」、「苦しい」→「苦しさ・苦しみ」のように、もとの語に接尾辞がついて品詞が転じる場合も品詞の転成として扱うことがあります。

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練習問題

問題1

次の文章中の下線を引いた語は活用がある自立語です。それぞれの品詞を答えなさい。

「めずらしく朝早くに目が覚め、起き上がって窓の外を眺めた。東の空にはまだらな雲が一面に広がり、朝焼けの淡あわいオレンジ色に染まっていた。」

【考え方】

問題の文中の下線部の単語は、すべて活用がある自立語です。

活用がある自立語(用言)の品詞を見分けるには、まず基本形(辞書の見出しの形)に直してから、その語の最後の音に注目します。

ウ段の音おんで終わる語であれば動詞、「い」で終わる語であれば形容詞、「だ」で終わる語であれば形容動詞です。

「めずらしく」は、基本形が「めずらしい﹅」だから形容詞。

「覚め」は、基本形が「覚める﹅」だから動詞。

「眺め」は、基本形が「眺める﹅」だから動詞。

「まだらな」は、基本形が「まだらだ﹅」だから形容動詞。

「広がり」は、基本形が「広がる﹅」だから動詞。

「淡い」は、基本形が「淡い﹅」だらか形容詞。

「染まっ」は、基本形が「染まる﹅」だから動詞。


【答】

「めずらしく」―形容詞

「覚め」―動詞

「眺め」―動詞

「まだらな」―形容動詞

「広がり」―動詞

「淡い」―形容詞

「染まっ」―動詞

*

問題2

次の各組の単語の中から、あきらかに他と品詞が異なる語を選んで、番号で答えなさい。

(1) ①あらゆる ②いわゆる ③あきれる ④大きな

(2) ①ゆえに ②それに ③ならびに ④ついに

(3) ①そうだ ②そんなだ ③ようだ ④らしい

【考え方】

品詞を見分ける問題ですが、一つひとつの単語についてその品詞を知っていないと本問は解けません。

品詞のなかでも、連体詞、接続詞、助動詞は、他の品詞と比べて種類がかぎられているので、少なくとも見覚えがあるという程度には知っておくことがコツです。


(1) 「あきれる」は、あきれない、あきれた…、というように活用する語であって、基本形が「る」(ウ段の音)で終わりますから、動詞です。

それ以外の「あらゆる」「いわゆる」「大きな」は連体詞であり、動詞とちがって活用しません。


(2) 「ゆえに」「それに」「ならびに」は接続詞ですが、「ついに」だけは副詞です。

副詞のなかには接続詞との区別がつきにくいものもあるので注意が必要です。「たとえば」「さらに」など。


(3) 「そうだ」「ようだ」「らしい」は助動詞ですが、「そんなだ」だけは形容動詞です。

助動詞も形容動詞も、ともに活用がある語です。

「そんなだ」は、単独で文節をつくることができます。

しかし、助動詞は付属語ですから、それだけで文節をつくることができません。


【答】

(1) ③

(2) ④

(3) ②

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