国語の文法
  • ホーム
  • 文法の基礎
  • 用言
  • 活用のない自立語
  • 助動詞
  • 助詞
  • 語の識別
  • 文の組み立て
  • 敬語
  • 掲示板

ホーム > 文法の基礎 > 指示語(こそあど言葉)

指示語(こそあど言葉)

要点のまとめ

■ 指示語とは

指示語とは、話し手・聞き手との関係を基準にして物事を指し示す働きをする語を言う。「こそあど(ことば)」ともいう。

指示語には、近称・中称・遠称・不定称の区別がある。

① 近称 …話し手に近い物事を指す。

② 中称 …聞き手に近い物事を指す。

③ 遠称 …話し手・聞き手から遠い物事を指す。

④ 不定称 …遠近が定まっていない物事を指す。

■ いろいろな指示語

指示語の品詞には、名詞(代名詞)・連体詞・副詞・形容動詞がある。

[スポンサードリンク]

解説

1 指示語とは

次の例文を見てください。

ここからあそこまで100メートルの距離です。

それは、誰のですか。― これは、僕のです。

「ここ」「あそこ」「それ」「これ」は、それぞれある場所や物を指している語ですが、それ自体は具体的な場所や物を言いあらわすことばではありません。

それにもかかわらず、例文のような文であっても日常役立つのは、これらの語が話し手と聞き手との関係において指し示すものを具体的に特定する働きを持っているからにほかなりません。

このように、話し手と聞き手との関係を基準にして物事を指し示すような働きをする語を指示語しじごと呼びます。

指示語それ自体には、指示語どうしの関係で定まる相対的な意味しかありません。指示語が具体的になにを意味するのかは、あくまで話し手と聞き手の位置や状況などの関係によって決まります。

*

たとえば、「ここ」「そこ」「あそこ」という指示語は、それぞれ場所を指しています。

「ここ」は話し手に近い場所、「そこ」は聞き手に近い場所、「あそこ」は話し手・聞き手のどちらからも遠い場所を指ししめす語です。

このように、指示語は、話し手・聞き手との遠近によって区別することができます。

話し手に近い物事を指す語を近称きんしょう、聞き手に近い物事を指す語を中称ちゅうしょう、話し手・聞き手のどちらからも遠い物事を指す語を遠称えんしょうと呼びます。下の図で確認してください。

近称・中称・遠称
【図】近称・中称・遠称

さらに、「どこ」という指示語のように遠近が定まっていない場所・物事を指す語もあり、これを不定称ふていしょうと呼びます。

**

ところで、近称・中称・遠称・不定称は、それぞれ語の最初の字が「こ」「そ」「あ」「ど」であるという特徴があります。(ページ後半の表を参照してください。)

このことから、指示語は、「こそあど」あるいは「こそあどことば」とも呼ばれます。

2 いろいろな指示語

指示語には、いろいろな種類があります。それらの語は、すべてが同じ品詞であるわけではありません。

指示語の品詞には、名詞(代名詞)・連体詞・副詞・形容動詞の四つがあり、それぞれ指示代名詞・指示連体詞・指示副詞などと呼ばれます。

指示語を品詞別に分類して表にまとめると、次のようになります。

品詞

近称(こ)

中称(そ)

遠称(あ)

不定称(ど)

名詞

(代名詞)

事物

これ

それ

あれ

どれ

場所

ここ

そこ

あそこ

どこ

方角

こちら

こっち

そちら

そっち

あちら

あっち

どちら

どっち

連体詞

この

その

あの

どの

副詞

こう

そう

ああ

どう

形容動詞

こんなだ

そんなだ

あんなだ

どんなだ

形容動詞の指示語は、体言(名詞)につらなるときは「こんな」「そんな」「あんな」「どんな」という形になります。

これらの品詞を連体詞とする考え方もあります。

[スポンサードリンク]

練習問題

問題1

次の各文の中から指示語を探しだして答えなさい。指示語がない場合は「なし」と答えなさい。

(1) 一つ持つと、あれもこれも欲しくなる。

(2) こちらを立てれば、あちらが立たぬ。

(3) どうして彼はあんなことを言うのか。

(4) ああ、なんてすてきなマンションでしょう。

【考え方】

指示語とされる語は、最初の字母が「こ・そ・あ・ど」であるという特徴があります。それを手がかりにして見覚えのある語を選ぶようにしましょう。

ただし、指示語と同じ形をしていますが、指示語ではない語もあります。その場合には、その語の意味から判断するようにしましょう。

(1) 「あれ」「これ」は、ともに事物を指す指示代名詞です。

指示語は、このように組み合わせで用いることが多い語です。「どれもこれも」「そこここ」「あちらこちら」「どうもこうも」など。

(2) 「こちら」「あちら」は、ともに方角を指す指示代名詞です。

指示語を対比させて用いている表現です。「ああ言えば、こう言う。」

(3) 「どう」は指示副詞、「あんな」は形容動詞(または連体詞)の指示語です。

不定称は、疑問文をつくるのに用いられることが多い語です。

(4) 「ああ」は、指示副詞の遠称と同じ形をしていますが、指示語ではありません。

設問文(4)の「ああ」は、感動をあらわしているので、感動詞です。感動詞に指示語はありません。

【答】

(1) あれ、これ

(2) こちら、あちら

(3) どう、あんな

(4) なし

*

問題2

次の文中の下線部の「それ」が具体的になにを指すのかを10文字程度で答えなさい。

「とっくに日付が変わっていたが、勉強に夢中でそれに気が付かなかった。」

【考え方】

設問文のように、指示語は、話し手が前に述べたことがらや、話し手と聞き手がともに了解していることがらを指し示す場合に用いられることがよくあります。

指示語がどういったことを指しているのかを、文脈から判断してください。

【答】

(解答例)日付が変わったこと

  • 言葉の単位
  • 文節の働き(1)主語・述語
  • 文節の働き(2)修飾語
  • 文節の働き(3)接続語・独立語
  • 単語の分類(1)自立語と付属語
  • 単語の分類(2)単語の活用
  • 単語の分類(3)品詞の分類
  • 指示語(こそあど言葉)
  • 複合語・派生語

[スポンサードリンク]

▼ご意見・ご質問は掲示板へ

掲示板

▼このサイトをシェアする


◆◆◆サイト内検索◆◆◆

プライバシーポリシー | サイトマップ
© 2021 MANABOOKS
ログアウト | 編集
  • ホーム
    • サイト更新情報
  • 文法の基礎
    • 言葉の単位
    • 文節の働き(1)主語・述語
    • 文節の働き(2)修飾語
    • 文節の働き(3)接続語・独立語
    • 単語の分類(1)自立語と付属語
    • 単語の分類(2)単語の活用
    • 単語の分類(3)品詞の分類
    • 指示語(こそあど言葉)
    • 複合語・派生語
  • 用言
    • 動詞(1)性質と働き
    • 動詞(2)活用とその種類
    • 動詞(3)活用形とその用法
    • 動詞(4)五段活用・音便
    • 動詞(5)上一段活用
    • 動詞(6)下一段活用
    • 動詞(7)カ行変格活用・サ行変格活用
    • 動詞(8)活用の種類の見分け方
    • 動詞(9)自動詞・他動詞
    • 動詞(10)可能動詞
    • 形容詞(1)性質と働き
    • 形容詞(2)活用
    • 形容動詞(1)性質と働き
    • 形容動詞(2)活用
    • 補助用言
  • 活用のない自立語
    • 名詞(1)性質と働き
    • 名詞(2)種類
    • 名詞(3)代名詞
    • 副詞(1)性質と働き
    • 副詞(2)種類
    • 連体詞
    • 接続詞
    • 感動詞
  • 助動詞
    • 助動詞の性質と働き
    • 助動詞の分類
    • 「せる・させる」
    • 「れる・られる」
    • 「ない・ぬ(ん)」
    • 「う・よう」
    • 「まい」
    • 「たい・たがる」
    • 「た(だ)」
    • 「そうだ」
    • 「ようだ」
    • 「らしい」
    • 「ます」
    • 「だ」
    • 「です」
    • 助動詞活用表
  • 助詞
    • 助詞の性質と働き
    • 格助詞の働き
    • 主な格助詞の用法
    • 接続助詞の働き
    • 主な接続助詞の用法
    • 副助詞の働き
    • 主な副助詞の用法
    • 終助詞の働き
    • 主な終助詞の用法
  • 語の識別
    • 「だ」の識別
    • 「で」の識別
    • 「な」の識別
    • 「に」の識別
  • 文の組み立て
    • 文節の種類
    • 文節どうしの関係
    • 連文節と文の成分
    • 文の成分の位置
    • 文の種類
  • 敬語
    • 敬語とその種類
    • 尊敬語
    • 謙譲語
    • 丁寧語
    • 敬語の使い方
  • 掲示板
  • トップへ戻る