国語の文法
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文節の働き(2)修飾語

要点のまとめ

■ 修飾語

サクラの 修飾語  花びらが 被修飾語 、ちらちらと 修飾語  舞う被修飾語。

① 修飾語しゅうしょくご … 他の文節にかかってその意味をくわしく説明する文節。

② 修飾語は、被修飾語ひしゅうしょくご(修飾語によって説明される文節)よりも前にくる。

③ 体言の文節にかかる修飾語を連体れんたい修飾語、用言の文節にかかる修飾語を連用れんよう修飾語という。

サクラの 連体修飾語  花びらが 体言文節 、ちらちらと 連用修飾語  舞う用言文節。

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解説

文節の働きの一つである修飾語について見ていきましょう。

1 修飾語とは

文を組み立てている部分のうち、文の骨組みとなるのは主語と述語です(主語と述語につては「文節の種類(1)主語と述語」のページを参照してください)。

ですが、文は、たいていの場合には、主語と述語以外のものも加わることによって成り立っています。

次の例文を見てください。

小さな 子どもが 主語  公園で 元気に 遊ぶ述語。

この文は、主語や述語となる文節のほかにも、いくつかの文節が組み合わさってできています。

下の図を見てください。

修飾語
【図】修飾語

「小さな」は、主語の「子どもが」にかかって、どんな子どもであるかを説明している文節です。

また、「公園で」「元気に」は、それぞれ述語の「遊ぶ」にかかって、どこで・どのように遊ぶのかを説明している文節です。

このように、ほかの文節にかかってその内容をくわしく説明する文節を修飾語とよびます。

なお、前にある文節が後に置かれた文節にかかってくわしく説明する(限定する)ことを、「修飾する」といいます。

もっと知る

修飾語となる文節の形はさまざまです。

「小さな」「とても」「きれいな」のように1語からなる修飾語もあれば、「公園で」「サクラの」のように2語以上からなる修飾語もあります。

「本を読む。」の「本を」のように、「なにを」に当たる文節も修飾語です。

また、【―は】の形の文節は、主語になるだけでなく、修飾語になることもあります。

○ 私は主語、チーズは 修飾語  食べない。

2 修飾語と被修飾語の関係

次の例文を見てください。

サクラの修飾語 花びらが 主語 、ちらちらと 修飾語  舞う述語。

この文では、「サクラの」の文節が「花びらが」の文節を修飾し、「ちらちらと」の文節が「舞う」の文節を修飾しています。

つまり、「サクラの」と「ちらちらと」の文節が修飾語であって、「花びらが」と「舞う」の文節が修飾語によって説明されている文節です。

このように、修飾語によって説明される文節を被修飾語ひしゅうしょくごとよびます。

修飾語と被修飾語との間には、前者が後者にかかり、後者が前者を受けるという関係があります。

このような文節の関係を修飾・被修飾の関係といいます。

例文のように、原則として修飾語は被修飾語よりも前にあります。修飾語が被修飾語よりもあとにくることはふつうありません(例外は倒置とうち文です)。

国文法のコツ

修飾語は、被修飾語よりも前にくる。

もっとも、修飾語が被修飾語の前にあるといっても、被修飾語の直前﹅﹅にあるとはかぎりません。

たとえば、次の文のように、修飾語と被修飾語との間に別の関係の文節が入ることもあります。

公園で修飾語 小さな 子どもが 遊ぶ被修飾語。

もっと知る

文中からある修飾語の被修飾語を見つけるには次のような方法があります。

① まず、文を文節に分けます。

公園で|小さな|子どもが|遊ぶ。

② 次に、修飾語のすぐ後ろの文節に着目して、それが被修飾語だとして意味が通るかどうかを確かめます。

公園で 修飾語 |小さな被修飾語?|子どもが|遊ぶ。→✖

③ 意味が通らないようであったら、さらにその後ろにある文節で同じようにして確かめてみます。

公園で 修飾語 |小さな|子どもが被修飾語?|遊ぶ。→✖

被修飾語が見つかるまで②③を繰り返しましょう。

公園で 修飾語 |小さな|子どもが|遊ぶ。被修飾語?→○

*

上の例文では、主語「花びらが」と述語「舞う」がそれぞれ修飾語「サクラの」「ちらちらと」によって説明されています。

つまり、「花びらが」「舞う」の文節は、それぞれ主語・述語であると同時に被修飾語でもあります。

また、次の文を見てみましょう。

これは、とても 修飾語  すばらしい被修飾語/修飾語 本だ被修飾語。

この文では、「とても」の文節が「すばらしい」の文節を修飾し、「すばらしい」の文節が「本だ」の文節を修飾しています。

つまり、「すばらしい」の文節は、「本だ」を説明する修飾語であると同時に、「とても」によって説明される被修飾語でもあります。

このように、被修飾語となるのは主語と述語だけとはかぎらず、また、ある文節が修飾語であるか被修飾語であるかは、ほかの文節との関係で決まります。

3 連体修飾語と連用修飾語

次の二つの例文を見てください。

① きれいな 花が 咲く。

② 花が きれいに 咲く。

例文①の「きれいな」の文節は、「花が」の文節を修飾しています。

また、例文②の「きれいに」の文節は、「咲く」の文節を修飾しています。

のちに勉強することになりますが、単語には体言・用言とよばれるものがあります。(体言・用言については、「単語の分類(3)品詞の分類」のページを参照してください。)

「花」という単語は体言であり、「咲く」という単語は用言です。

「花が」にかかる「きれいな」のように、体言を含む文節にかかる修飾語を連体れんたい修飾語とよびます。

また、「咲く」にかかる「きれいに」のように、用言を含む文節にかかる修飾語を連用れんよう修飾語とよびます。

このように、修飾語には、連体修飾語と連用修飾語の2種類があります。

練習問題

問題1

次の各文中にある修飾語の数を数字で答えなさい。

(1) これは、もっとも優れた作品の一つだ。

(2) 私が生まれたふるさとは、リンゴの名産地です。

(3) 姉は家の掃除を手伝い、私は部屋でゲームをする。

【考え方】

まず、文を文節に分けた後、文の骨組みになっている主語と述語をさがし出します。

主語と述語の見つけ方については、「文節の働き(1)主語・述語」のページを参考にしてください。

文中の主語・述語がわかったら、それをどんな文節が修飾しているかをかんがえましょう。

修飾語は、主語・述語にかかるだけでなく、他の修飾語にかかることもあることに注意しましょう。


(1) これは、|もっとも|優れた|作品の|一つだ。

この文の主語は「これは」、述語は「一つだ」です。

述語「一つだ」をその直前にある「作品の」が修飾しています。

そして、その「作品の」を「優れた」が修飾して、さらに「優れた」を「もっとも」が修飾しています。

このように、修飾語は他の文節(述語・修飾語)にかかる修飾語にかかることもあります。

これは 主語 、|もっとも 修飾語③ |優れた被修飾語③/修飾語②|作品の被修飾語②/修飾語①|一つだ被修飾語①/述語。


(2) 私が|生まれた|ふるさとは、|リンゴの|名産地です。

この文の主語は「ふるさとは」で、述語は「名産地です」です。

「生まれた」が主語「ふるさとは」を修飾し、「リンゴの」が述語「名産地です」を修飾しています。

「私が」は、修飾語ではなくて主語です。

ただし、「生まれた」にかかる部分としての主語であって、文全体としての主語ではありません。

私が部分の主語|生まれた部分の述語/修飾語①|ふるさとは被修飾語①/全体の主語、|リンゴの 修飾語② |名産地です被修飾語②/全体の述語。


(3) 姉は|家の|掃除を|手伝い、|私は|部屋で|ゲームを|する。

この文には、主語・述語がそれぞれ二つずつあります。

主語は「姉は」「私は」で、述語は「手伝い」「する」です。

述語「手伝い」をその直前にある「掃除を」が修飾し、さらに「掃除を」を「家の」が修飾しています。

また、「部屋で」と「ゲームを」がそれぞれ述語「する」を修飾しています。

姉は主語①|家の修飾語②|掃除を被修飾語②/修飾語①|手伝い被修飾語①/述語①、|私は主語②|部屋で修飾語③|ゲームを 修飾語④ |する被修飾語③④/述語①。


【答】

(1) 3

(2) 2

(3) 4

*

問題2

次の各文中で下線を引いた文節が修飾している文節を抜き出して答えなさい。

(1) 非常に多くの人間が出たり入ったりする。

(2) 上空を大きな鳥がゆっくりと飛ぶ。

(3) 男の子は泣きながら、走る女の子を追いかけた。

【考え方】

文中の下線部の修飾語がかかる被修飾語を見つける問題です。

被修飾語は、修飾語よりも後ろにあります。

修飾語よりも後ろにある文節に注目して、その修飾語がどの文節を説明しているかをかんがえましょう。


(1) 非常に|多くの|人間が|出たり|入ったり|する。

「非常に」がどの文節を説明しているかをかんがえると、「多くの」になります。

「多くの」は、「人間が」にかかる修飾語でもあります。


(2) 上空を|大きな|鳥が|ゆっくりと|飛ぶ。

修飾語は、被修飾語よりも前に置かれていますが、被修飾語の直前﹅﹅にあるとはかぎりません。いくつかの文節をまたいでつながっている場合もあります。

修飾語をその後ろの各々の文節と一つずつあとにずらしてつないでみて、どの文節を説明していると見るのが適当かで被修飾語かどうかを判断します。

「上空を」が説明になっている文節は、「飛ぶ」です。


(3) 男の|子は|泣きながら、|走る|女の|子を|追いかけた。

「泣きながら」が説明として成り立ちそうな文節は、「走る」と「追いかけた」の二つがあります。

このような文の場合は、読点(、)の位置に注目しましょう。

本問のように「泣きながら」のあとに読点があるときは、泣いているのは男の子のほうであるとかんがえることができます。

そうすると、「走る」のは女の子の動作ですから、「泣きながら」はその説明にはなりません。

つまり、「泣きながら」が説明している文節は、男の子の動作である「追いかけた」になります。

これに対して、「男の子は、泣きながら走る女の子を追いかけた。」というように、文中の読点の位置がちがうと文の意味が変わります。

この文では、泣いているのは女の子のほうになりますから、「泣きながら」が説明している文節は女の子の動作である「走る」になります。

「ながら」は接続助詞ですが、接続助詞がつく文節は接続語だけをつくるとはかぎらりません。

本問のように、場合によっては(連用)修飾語ともなります。


【答】

(1) 多くの

(2) 飛ぶ

(3) 追いかけた

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コメント

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コメント: 5
  • #1

    やまちゃーん (木曜日, 23 2月 2017 17:21)

    分かりにくいけど、問題があって予習になった

  • #2

    い (月曜日, 17 4月 2017 21:57)

    いい

  • #3

    c (月曜日, 05 2月 2018 19:22)

    gcvcgvgv

  • #4

    GOOD (月曜日, 12 2月 2018 18:14)

    みんなコメントさいて〜い

  • #5

    FIGHT (月曜日, 12 2月 2018 18:20)

    ありがとうございました(´-`).。oO(^o^

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