■ 接続語
接続語は、前後の文・文節を結びつけて、前の事柄が後の事柄とどのような関係にあるかをあらわす働きをする文節である。
■ 独立語
独立語は、文中の他の文節から独立している文節である。文の最初にきて、感動・呼びかけ・応答・提示の意味をあらわす。
まあ、こんなに 食べたの。(感動)
徳川さん、昼食を 一緒に 食べよう。(呼びかけ)
はい、一緒に 食べましょう。(応答)
1月5日、その 日が 僕の 誕生日です。(提示)
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文節の働きのうち、接続語と独立語の二つについて見ていきます。
次の二つの例文を見てください。
① 遅く 起きた。だから、授業に 遅刻した。
② 遅く 起きたから、授業に 遅刻した。
例文①は二つの文からなる文章ですが、赤字部分の文節「だから」があることによって前の文と後の文の意味が結びついています。
つまり、後の文の最初にある文節「だから」が、前の文の事柄が原因であって後の文の事柄がその結果であるという関係をあらわしています。
また、例文②は一つの文ですが、「起きたから」という文節が、文の前半の意味と後半の意味とを結びつけて、例文①と同じような関係(原因と結果)であることをあらわす働きをしています。
このように、文と文、あるいは文節と文節などを結びつけて、前の事柄が後の事柄とどのような関係にあるかをあらわす働きをする文節を接続語とよびます。
接続語があらわす関係はさまざまです。
「だから」「それゆえ」などのように原因・理由と結果・結論の関係をあらわすもの(順接)や、「しかし」「だが」などのように前と逆の事柄が後にくる関係をあらわすもの(逆接)、「つまり」「ただし」などのように前の事柄を説明あるいは補足するものなどがあります。
くわしくは、「接続詞」のページを参考にしてください。
*
ところで、接続語とまぎらわしい文法用語に接続詞・接続助詞というものがあります。
これらは、似たような用語ですが、文法的にははっきり区別しなければなりません。
これらのちがいは、接続語は文節の働きを指すが、接続詞・接続助詞は単語の種類を指すという点にあります。
接続詞と接続助詞は、接続語をつくることができる単語です。
接続詞は、上の例文①の「だから」のように、そのまま単独で接続語になります。
接続助詞は、上の例文②の「起きたから」の「から」のように、かならず他の語に付いて接続語をつくります。
次の例文を見てください。
ああ、今日は よい 天気だ。
例文の「ああ」は、文中のほかの文節「今日は」「よい」「天気だ」のいずれとも、主語・述語・修飾語のような文節どうしの関係がありません。
つまり、「ああ」という文節だけが、文中でほかの文節から独立しています。
このように、文中の他の文節と直接の関係がなく、独立している文節を独立語とよびます。
独立語は、厳密に言うと、文中で完全に独立している文節ではなくて、比較的独立している文節です。
「比較的」というのは、一応、文を構成する部分である以上、完全に独立しているとは言えないが、他の文節どうしの関係とくらべると結びつきが弱い、という意味です。
独立語は、ふつう文の最初にあって、感動・呼びかけ・応答・提示などの意味をあらわします。
次の例で確認してください。
まあ、こんなに 食べたの。(感動)
徳川さん、昼食を 一緒に 食べよう。(呼びかけ)
はい、一緒に 食べましょう。(応答)
1月5日、その 日が 僕の 誕生日です。(提示)
独立語になるのは、感動詞や名詞とよばれる単語です。
上の例では、「ああ」「まあ」「はい」が感動詞、「徳川さん」「1月5日」が名詞です。
感動詞・名詞については、「単語の分類(3)品詞の分類」のページを参照してください。
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次の各文中から、接続語を抜き出して答えなさい。接続語がない場合には、「なし」と答えなさい。
(1) 歯が痛かった。そこで、歯医者に行くことにした。
(2) 明日は、雨かまたは雪が降るでしょう。
(3) 勉強すると言いながら、ついつい遊んでしまう。
(4) あなたに用事をたのんでもよいですか。
【考え方】
文中から接続語を見つけ出す問題です。
接続語となるのは、接続詞からなる文節や接続助詞が含まれている文節です。
接続詞はそれ単独で接続語になり、接続助詞は他の語に付いて接続語になります。
(1) 歯が|痛かった。そこで、|歯医者に|行く|ことに|した。
「そこで」は、順接をあらわす接続詞です。
後の文の最初に置かれて、前の文と後の文を結びつける働きをしています。
(2) 明日は、|雨か|または|雪が|降るでしょう。
「または」は、対比をあらわす接続詞です。
この文では、前後の文節をつないでいます。
(3) 勉強すると|言いながら、|ついつい|遊んで|しまう。
「ながら」は、確定の逆接をあらわす接続助詞です。
この文では、文の前半の意味と後半の意味とを結びつけています。
なお、接続助詞を用いている文は、接続詞を用いて言い換えることができます。その際、もとの文は二つの文に分かれます。
「勉強すると言う。だが(しかし)、ついつい遊んでしまう。」
(4) あなたに|用事を|たのんでも|よいですか。
「たのんでも」の「でも」が接続語をつくる接続助詞であるのかどうかが問題です。
文中の「でも」を見分けることは重要な問題の一つですが、文法をひと通り学んだあとで理解することができます。
実力がついたら、本問に挑戦してください。
ここでは、問題文の「でも」は接続助詞の「でも」ではないとだけ指摘しておきます。
(問題文の「でも」は、接続助詞「て(で)」+副助詞「も」の形です。)
【答】
(1) そこで
(2) または
(3) 言いながら
(4) なし
*
次の各文中から、独立語を抜き出して答えなさい。独立語がない場合には、「なし」と答えなさい。
(1) おや、ここにお金が落ちているぞ。
(2) キジ、その鳥が日本の国鳥です。
(3) 田中くん、起きてください。
(4) だれだ、このコップを割ったのは。
【考え方】
文中から独立語を見つけ出す問題です。
独立語は、その直後に読点「、」が打たれていて、文の他の部分と切り離されているので、見つけやすいでしょう。
(1) おや、|ここに|お金が|落ちて|いるぞ。
「おや」は、感動をあらわす感動詞です。
独立語は、このようにふつう文の最初にあります。
(2) キジ、|その|鳥が|日本の|国鳥です。
「キジ」は名詞ですが、ここでは提示をあらわす独立語になっています。
提示をあらわす独立語のあとには、たいてい指示語がきます(「指示語(こそあど言葉)」)。
(3) 田中くん、|起きて|ください。
「田中くん」は、呼びかけをあらわす独立語です。
主語とまぎらわしいので注意しましょう。
(4) だれだ、|この|コップを|割ったのは。
文中の「だれだ」は、独立語とまぎらわしいですが、述語が倒置によって文頭に置かれたものです。
倒置文は、通常の語順になおしてかんがえましょう。
「このコップを割ったのはだれだ。」
この文の中に独立語はありません。
【答】
(1) おや
(2) キジ
(3) 田中くん
(4) なし