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副詞(1) ― 性質と働き

活用のない自立語の一つである副詞について学びます。副詞とはどのような性質の単語であるのか、また、副詞は文中でどのような働きをするのかについて見ていきましょう。

▼ 副詞の性質

次の例文を見てください。

● 緑豆の が どんどん 伸びる。

● 予選の 突破は、かなり 厳しい。

各例文の「どんどん」「かなり」という単語は、それぞれ単独で文節をつくっています。つまり、自立語です。

そして、「どんどん」「かなり」という文節は、それぞれ「伸びる」「厳しい」という用言の文節を修飾しているので、連用修飾語です。

自立語で連用修飾語になることができる単語には、用言(動詞・形容詞・形容動詞)や体言(名詞)があります。

用言は、活用がある単語です。しかし、「どんどん」「かなり」という単語は、いずれも活用がないので、用言ではありません。

また、体言は、主語になることができる単語です。しかし、「どんどん」「かなり」という単語は、「どんどん」「かなり」というように主語になることができませんから、体言でもありません。

「どんどん」「かなり」のように、用言・体言以外の自立語であって、(主に)連用修飾語になるような単語を副詞ふくしと呼びます。

副詞は、次のような性質をもつ単語です。

(1) 自立語で、活用がない

副詞は、自立語です。すなわち、単独で文節をつくることができる単語です。副詞は単独で用いられることが多いですが、付属語がついて文節をつくることもあります。

副詞は、活用がない単語です。副詞は文中で、つねに同じ形で用いられます。

(2) 単独で修飾語になる

すでに述べたように、副詞は単独で修飾語になることができます

副詞は、主に用言を修飾しますが、単独で体言副詞などを修飾することもできます。

次の例文を見てください。

 洞窟の 中を もっと 進む。(動詞)

 洞窟の もっと 奥へ 進む。(名詞)

 洞窟を もっと たくさん 探検する。(副詞)

例文の①から③までの「もっと」という単語は副詞です。

いずれも単独で修飾語の文節をつくっていますが、それぞれが修飾する語の品詞がちがいます。

例文①の「もっと」は、「進む」という動詞(用言)を修飾しています。

それに対して、例文②の「もっと」は「奥」という名詞(体言)を修飾し、また、例文③の「もっと」は「たくさん」という副詞を修飾しています。

このように、副詞は、単独で用言や体言、他の副詞などを修飾することができるという性質をもっています。

★ まとめ ★

【副詞の性質】

 副詞は、主に連用修飾語になる単語である。

 副詞は、次のような性質をもつ。

 自立語で、活用がない

 副詞は、単独で修飾語になる

▼ 副詞の働き

副詞は、文中でどのような働きをするのでしょうか。一つずつ見ていきましょう。

(1) 連用修飾語になる

次の例文を見てください。

● 駅の ホームで しばらく 電車を 待つ 。(動詞)

● 今年の 冬は かなり 寒く なりそうだ。(形容詞)

● 故郷の 両親は とても 元気だった。(形容動詞)

各例文の赤字の語はすべて副詞です。それぞれ単独で太字の用言(動詞・形容詞・形容動詞)を修飾しています。

このように、副詞には、単独で用言(の文節)を修飾するという働きがあります。これが副詞の主な働きです。

連用修飾語になる自立語は副詞だけとはかぎりません。

次の例のように、副詞のほかに、名詞形容詞形容動詞動詞も連用修飾語をつくることができます。

● バラが たくさん 咲いた。(副詞)

● バラが きのう 咲いた。(名詞)

● バラが 美しく 咲いた。(形容詞)

● バラが きれいに 咲いた。(形容動詞)

● バラが 誇るように 咲いた。(動詞+助動詞)

(2) 連体修飾語になる

次の例文を見てください。

 それは かなり の 事件です。(単独で修飾)

 あの 駅で しばらく  電車を 待って いた。(副詞+「の」の形で修飾)

各例文の赤字の語「かなり」「しばらく」は、いずれも副詞です。

例文①の「かなり」は単独で「昔」という体言(名詞)を修飾し、例文②の「しばらく」は助詞「の」がつくかたちで「間」という体言を修飾しています。

このように、副詞には、体言を修飾する働きがあります

副詞が連体修飾語になるときは、単独であるか、または、助詞「の」がついたかたちになります。

(3) 副詞や連体詞を修飾する

次の例文を見てください。

 君は、もっと ゆっくり 話した ほうが よい。(副詞を修飾)

 あの 二人は、かなり 大きな 声で 話して いた。(連体詞を修飾)

例文①の「もっと」という副詞は、「ゆっくり」という副詞を修飾しています。

また、例文②の「かなり」という副詞が修飾しているのは、「大きな」という連体詞です。

このように、副詞は、用言や体言だけでなく、他の副詞や連体詞を修飾することもあります

(4) 述語になる

次の例文を見てください。

● 彼の 家まで もう すぐ

● あの 人は、昔から そうです

各例文の赤字の「すぐ」「そう」という単語は、それぞれ直後に「」「です」という付属語がついて述語の文節をつくっています。

「だ」「です」がついて述語になるという点で名詞に似ていますが、「すぐ」「そう」はいずれも名詞ではなく副詞です。

このように、副詞のなかには、「だ」「です」などの付属語がついて述語になるものもあります

なお、副詞は、名詞とちがって主語にはなりません。同じく活用がない自立語である名詞とは、この点において区別することができます。

★ まとめ ★

【副詞の働き】

副詞は、文中で次のような働きをする。

 単独で連用修飾語になる。

 単独でまたは助詞「の」がついて連体修飾語になる。

 他の副詞や連体詞を修飾する

 「だ」「です」などの付属語がついて述語になる。

▼ 練習問題で理解度チェック

【問題1】

次の各文中の下線部の語について、その品詞を答えなさい。

(1) 校庭のヒマワリが元気に育った。

(2) 注文した商品がきのう到着した。

(3) 到着した後すぐに連絡した。

(4) 野菜を買いに出かける。

【正解】

(1) 形容動詞

(2) 名詞

(3) 副詞

(4) 動詞

【解説】

副詞には主に連用修飾語になるという働きがありますが、連用修飾語になる働きをもつ品詞は副詞だけとはかぎりません。

副詞以外に連用修飾語になる働きをもつ品詞として、名詞、形容詞、形容動詞および動詞があります。

それぞれの品詞の見分けは、①活用があるかどうか(副詞は活用がない。)、②活用するとしたらどのように活用するか(言い切りの形に注目する。)、③主語になるかどうか(副詞は主語にならない。)、といったことに着目して行います。

(1) 「元気に」という語は、「元気だ」「元気な」などというように活用します。

そして、言い切りの形が「だ」で終わりますから、形容動詞であるとわかります。

形容動詞の連用形は「―に」という形をとりますが、副詞にも、「すぐに」「ついに」など、「―に」の形のものが多くあります。

もっとも、形容動詞であれば、「―な」の形に活用しますが、副詞にはそのような活用がありません。

たとえば、形容動詞「元気に」は「元気な」の形に活用しますが、副詞「すぐに」は「すぐな」の形にすることができません。

(2) 「きのう」という語には、活用がありません。

したがって、名詞か副詞かのどちらかですが、その見分けは主語になることができるかどうかによって行います。

すなわち、名詞であれば主語になることができますが、副詞であれば主語になることができません。

「きのう」という語は、「きのうは、寒かった。」というように主語になることができますから、名詞です。

(3) 「すぐに」という語は、「すぐな」というように活用させることができませんから、形容動詞ではありません。

また、主語になることもできませんから、名詞でもありません。

「すぐに」という語は、活用がなくて主語にならないから、副詞です。

(4) 「買い」という語は、「買う」という動詞の連用形です。

転成名詞であるともかんがえられますが、直後に動作の目的をあらわす助詞「に」がありますから、名詞ではなく動詞(の連用形)であると判断することができます。

【問題2】

次の各文中の下線部の文節について、その働きをあとのア~エから選んで答えなさい。

(1) 深夜にふと目が覚める。

(2) リーダーは、よほどしっかりしていなければならない。

(3) あなたは、もう5分早く来たほうがよい。

(4) スーパーは、駅から歩いてすぐだ

ア.連用修飾語  イ.連体修飾語  ウ.副詞を修飾する  エ.述語

【正解】

(1) ア

(2) ウ

(3) イ

(4) エ

【解説】

副詞を自立語とする文節は主に連用修飾語になりますが、副詞の働きはそれだけにとどまりません。

本文で述べたように、副詞には、連用修飾語になるという働きのほかに、連体修飾語になる、他の副詞や連体詞を修飾する、述語になるという働きもあります。

(1) 設問文下線部の「ふと」は、副詞一語からなる文節であって、「覚める」という用言の文節を修飾しています(連用修飾語)。

(2) 設問文下線部の「よほど」は、副詞一語からなる文節であって、「しっかり」という副詞の文節を修飾しています。

(3) 設問文下線部の「もう」は、副詞一語からなる文節であって、「5分」という体言の文節を修飾しています(連体修飾語)。

このように、副詞のなかには、単独で場所・方向・数量・時間などをあらわす名詞(体言)を修飾するものもあります。

(4) 設問文下線部の「すぐだ」は、「すぐ」という副詞に付属語(助動詞)の「だ」がついた文節です。

「すぐだ」は、「なんだ」にあたる文節、すなわち述語です。

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