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副詞(2)種類

要点のまとめ

■ 状態の副詞

状態じょうたいの副詞ふくし……動作・作用の状態を表す副詞。主おもに動詞を修飾しゅうしょくする。

(例) しばらく待つ動詞  ゆっくり(と)開く動詞 

■ 程度の副詞

程度ていどの副詞……ある状態の程度を表す副詞。用言ようげんのほかに、体言たいげん(名詞)や他の副詞をも修飾する。

(例) だいぶ歩く動詞  とてもやさしい 形容詞   少し変だ形容動詞

(例) 少し前名詞に座る。 もう少し副詞 食べたい。

■ 呼応の副詞

呼応こおうの副詞……それを受ける文節が決まった言い方になる副詞。

(例) 決してあきらめない打ち消し。

(例) おそらく中止だろう推量。

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解説

副詞ふくしは、状態じょうたいの副詞、程度ていどの副詞、呼応こおうの副詞の3種類に分けることができます。

それぞれの種類を順に見ていきましょう。

1 状態の副詞

次の例を見てください。

しばらく 待つ

ゆっくり(と)開く

すぐ(に)閉じる

ふと 思い出す

いきなり 立ち上がる

ときどき 不安になる

しっかり(と)覚える

上の例の赤字の語は、すべて副詞です。

それぞれ、後ろの語(動詞)を修飾しゅうしょくして、動作や作用がどのような状態(ありさま・ようす・しかた)であるかを表しています。

このように、動作・作用の状態を表す副詞を状態じょうたいの副詞といいます。

上の例のように、状態の副詞は、主おもに動詞を修飾します。

次の例のように、状態の副詞のなかには、「の」(助詞)をともなって名詞を修飾するものもあります。

・かつて の 栄光えいこう

・もっぱら の うわさ

・また の 機会きかい

もっと知る

状態の副詞には、次のような語もふくまれます。

・雷かみなりが ゴロゴロ 鳴る。

・犬が ワンワン ほえる。

・赤ちゃんが にっこり 笑う。

・道が くねくね 曲がる。

「ゴロゴロ」「ワンワン」は、それぞれ何かの物音や生きものの鳴き声をまねて表したものです。このような語を擬声語ぎせいごまたは擬音語ぎおんごと呼びます。

また、「にっこり」「くねくね」は、物事のようすをそれらしい感じの言葉で表したものです。このような語を擬態語ぎたいごと呼びます。

擬声語・擬態語は、「ゴロゴロと﹅」「にっこりと﹅」などのように、その語尾ごびに「と」が付つくことがあります。その場合、「と」までをふくめて1語の副詞です。

2 程度の副詞

次の例を見てください。

だいぶ 歩く 動詞 

ちょっと 食べる

ひたすら 泳ぐ

とても やさしい  形容詞  

かなり 重い

もっとも 大きい

少し 変だ形容動詞

たいへん 静かだ

上の例の赤字の語は、すべて副詞です。

それぞれ、後ろの語(動詞・形容詞・形容動詞)を修飾して、その状態・性質がどの程度であるかを表しています。

このように、ある状態の程度を表す副詞を程度ていどの副詞といいます。

*

上の例のように、程度の副詞は、主に用言ようげん(動詞・形容詞・形容動詞)を修飾します。

ただし、それだけとはかぎらず、体言たいげん(名詞)やほかの副詞を修飾することもあります。

少し 前名詞 の席に座る。(名詞を修飾)

もう 一度 名詞  試してみる。(名詞を修飾)

もう 少し 副詞  食べたい。(副詞を修飾)

3 呼応の副詞

次の例文を見てください。

決けっして 簡単に あきらめ ない打ち消し 。

おそらく 明日は 雨だろ う推量 。

どうして 犬は 散歩したがるの か疑問 。

もし 病気に なっ たら 仮定  、休もう。

上の例文の赤字の語は、すべて副詞であって、それぞれ話し手の態度(考え・気持ち)を表しています。

たとえば、「決して」という副詞は、強く打うち消けす(否定ひていする)ことを表します。

そして、「決して」を受ける文節(被修飾語ひしゅうしょくご)である「あきらめない﹅﹅」も、打ち消し(否定)の表現(言い方)になっています。

これは、「決して」という副詞が来るときは、それを受ける文節が打ち消しの表現になるように決まっているからです。

同じように、「おそらく」を受ける文節は推量すいりょうの表現になり、「どうして」を受ける文節は疑問ぎもん(反語はんご)の表現、「もし」を受ける文節は仮定かていの表現になることが決まっています。

このように、それを受ける文節(被修飾語)にある決まった言い方を要求ようきゅうする副詞を呼応こおうの副詞といいます。(陳述ちんじゅつの副詞、または、叙述じょじゅつの副詞ともいいます。)

「呼応(する)」というのは、ある副詞が来たときに、ある決まった言い方・表現がそれと結びついて用いられるという意味です。

(修飾語と被修飾語の関係については、「文節の働き(2)修飾語」のページを参照してください。)

口語(現代語)では、文中に呼応の副詞があっても、かならずしもそれと呼応する言い方になるとはかぎりません。

・おそらく 明日は 雨だ。

*

次の表は、呼応の副詞と呼応のしかたの例をまとめたものです。

【表】さまざまな呼応の副詞

打ち消し

(否定)

決して 忘れ ない

ちっとも わから ない

少すこしも 怖こわく ない

めったに 驚おどろきませ ん

推量

おそらく 来る だろう

たぶん 遅れる だろう

きっと 大丈夫でしょ う

疑問・反語

なぜ こうなったの か

どうして 耐たえられよう か

仮定

もし 雨だっ たら 行かない

たとえ 見 ても 話さない

希望

どうぞ 聞いて ください

どうか 聞いて ほしい

ぜひ 聞き たい

たとえ

まるで 夢の ようだ

ちょうど 石の ように 硬かたい

打ち消し

推量

まさか 言わ ないだろう

よもや 言う まい


呼応の副詞については、それぞれの副詞と呼応する言い方も合わせて覚えるようにしましょう。

国文法のコツ

呼応の副詞は、「決して~ない」「おそらく~だろう」のように、それと呼応する言い方も合わせて覚える。

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練習問題

問題1

次の各文中の下線部は副詞である。それぞれの副詞の種類を後から選び、記号で答えなさい。

(1) 雨の中をわざわざ出かけた。

(2) この話は、決して誰にも話さない。

(3) 暗闇くらやみからカサカサと音が聞こえる。

(4) 残された時間は、ごくわずかだ。

ア 状態の副詞

イ 程度の副詞

ウ 呼応の副詞

【考え方】

副詞の種類は、意味や修飾のしかたの違ちがいによって見分けることができます。

(1)の「わざわざ」は、「出かけた」という動作の状態・ようすを表しているので、状態の副詞です。

(2)の「決して」は、それを受ける文節が否定の表現(~ない)になる副詞(呼応の副詞)です。(2)の文では、「決して」と「話さない」とが呼応しています。

(3)の「カサカサと」は、「聞こえる」という作用の状態を表しているので、状態の副詞です。音をそのとおりにまねています(擬声語)。

(4)の「ごく」は、「わずかだ」という動詞以外の語を修飾し、その状態の程度を表しています。つまり、程度の副詞です。


【答】

(1) ア

(2) ウ

(3) ア

(4) イ

*

問題2

次の各文中の( )に当てはまる語を後から選び、記号で答えなさい。

(1) 彼は、( )あんなに楽しそうなのか。

(2) ( )疑問に思っていません。

(3) このぐらいで( )怒らないだろう。

(4) ( )そこにお座りください。

ア まさか

イ どうぞ

ウ 少しも

エ どうして

【考え方】

それぞれ文末の表現に注目して、どのような副詞と呼応するかを考えましょう。

(1)の文の「楽しそうなのか」は、疑問を表しています。選択肢しのうち、疑問の表現と呼応する副詞は、「どうして」です。

(2)の文の「思っていません」は、打ち消し(否定)を表しています。選択肢のうち、打ち消しの表現と呼応する副詞は、「少しも」です。

(3)の文の「怒らないだろう」は、打ち消し推量を表しています。選択肢のうち、打ち消し推量の表現と呼応する副詞は、「まさか」です。

(4)の文の「お座りください」は、希望を表しています。選択肢のうち、希望の表現と呼応する副詞は、「どうぞ」です。


【答】

(1) エ

(2) ウ

(3) ア

(4) イ

**

問題3

次の各文中の□に平仮名を一つずつ入れて、文を完成させなさい。

(1) この料理をぜひ食べて□□□□。

(2) まるで別世界べっせかいの□□□美しさだ。

(3) たとえ結果が悪く□□、またがんばろう。

(4) まさか嘘うそだとは思わ□□□□□。

【考え方】

それぞれの文中に呼応の副詞が一つずつあり、□をふくむ部分と呼応します。

解説の表「さまざまな呼応の副詞」を参考にして、それぞれの副詞と呼応する表現のうち、□の個数と同じ文字数になるものを考えてみましょう。

(1)の文の「ぜひ」は、希望の表現と呼応します。ここでは、4文字の「ください」が当てはまります。

(2)の文の「まるで」は、たとえ(比況ひきょう)の表現と呼応します。ここでは、直後の「美しさ」(名詞)を修飾する形(連体形)の「ような」が当てはまります。

(3)の文の「たとえ」は、仮定の表現と呼応します。ここでは、「ても」あるいは「とも」がうまく当てはまります。

(4)の文の「まさか」は、打ち消し推量の表現と呼応します。ここでは、5文字の「ないだろう」が当てはまります。


【答】

(1) ください

(2) ような

(3) ても(とも)

(4) ないだろう


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