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名詞(3) ― 代名詞

代名詞は、なにをさし示すかによってさまざまな種類に区別することができます。代名詞の種類について一つひとつ見ていきましょう。

▼ 代名詞とは

代名詞だいめいしは、人や物事の名に代わってそのものを直接にさし示す単語です。代名詞は、名詞の一種です。

このサイトでは代名詞を名詞の一種として扱っていますが、代名詞を名詞とは別個独立の品詞とする考え方もあります。

代名詞は、をさし示す人称にんしょう代名詞と、物事・場所・方角をさし示す指示しじ代名詞との2種類に大きく分けることができます

単語のなかには、前に示したものと同じものを再びさし示す働きをもつものもあります。次の例文を見てください。

● あなたは、自分の ことばで 表現するべきです。

この例文の「自分」という単語は、その前にある「あなた」と同じ人をさしています。

「自分」「自身」「自己」などのように、前に示したものと同じものを再びさ

し示す働きをもつ単語を反照はんしょう代名詞あるいは再帰さいき代名詞と呼びます。

★ まとめ ★

【代名詞とは】

 代名詞とは、人や物事の名に代わってそのものを直接にさし示す単語を言う。

 代名詞には、人称代名詞指示代名詞の2種類がある。

▼ 人称代名詞

代名詞のうち、直接に人をさし示す働きをするものを人称代名詞と呼びますじん代名詞と呼ぶこともあります。

人称代名詞は、誰をさし示すかによって、次の四つに区別することができます。

(1) 自称じしょう第一だいいち人称)

「わたし」「ぼく」など、話し手(書き手)が自己を指すときに用いる語を自称と呼びます第一人称一人称と呼ぶこともあります。

(2) 対称たいしょう第二だいに人称)

「あなた」「きみ」など、話し手が相手(聞き手、読み手)を指すときに用いる語を対象と呼びます第二人称二人称と呼ぶこともあります。

(3) 他称たしょう第三だいさん人称)

「このかた」「かれ」など、話し手や聞き手以外の人物(第三者)を指すときに用いる語を他称と呼びます第三人称三人称と呼ぶこともあります。

他称のなかで、さらに次の三つの区別があります。

① 近称きんしょう

話し手に近い人を指す語を近称と呼びます。「このかた」「こいつ」など。

② 中称ちゅうしょう

聞き手に近い人を指す語を中称と呼びます。「そのかた」「そいつ」など。

③ 遠称えんしょう

話し手・聞き手のどちらからも遠い人を指す語を遠称と呼びます。「あのかた」「あいつ」など。

(4) 不定称ふていしょう

「どなた」「だれ」など、指し示す者が誰だかわからないか、あるいは、とくに誰と限定しないときに用いる語を不定称と呼びます

人称代名詞の種類とその語例を表のかたちにしてまとめておきましょう。

【表】人称代名詞の種類

自称

(第一人称)

対称

(第二人称)

他称(第三人称) 不定称
近称 中称 遠称

わたくし

わたし

ぼく

おれ

あなた

きみ

おまえ

このかた

こいつ

そのかた

そいつ

あのかた

あいつ

かれ

かのじょ

どのかた

どなた

だれ

どいつ

人称代名詞にはいろいろな語がありますが、使用する状況に応じてそれらを使い分ける必要があります。たとえば、改まった場所で自分自身を指すときは、「わたくし」「わたし」を用いるべきであり、「おれ」を用いるのは適切ではありません。

また、人称代名詞のなかには軽卑の意味を含んでいる語もあるので、注意しなければいけません(「貴様」「てめえ」など)。

★ まとめ ★

【人称代名詞】

 人称代名詞は、直接に人をさし示す語である。

 人称代名詞は、次のように区別することができる。

 自称(第一人称) …話し手を指す。

 対称(第二人称) …聞き手を指す。

 他称(第三人称) …話し手・聞き手以外の第三者を指す。

 不定称 …不特定の人を指す。

▼ 指示代名詞

代名詞のうち、物事・場所・方角をさし示す働きをするものを指示代名詞と呼びます

指示代名詞は、指示語しじご(こそあどことば)の一種です。

指示代名詞には、次のような区別があります。

(1) 近称

「これ」「ここ」など、話し手に近い物事などを指す語を近称と呼びます

● あなたに これを さし上げます。

● あなたが 戻るまで ここで 待って います。

(2) 中称

「それ」「そこ」など、聞き手に近い物事などを指す語を中称と呼びます

● わたしに あなたの それを ください。

● わたしが 戻るまで そこで お待ち ください。

(3) 遠称

「あれ」「あそこ」など、話し手や聞き手のどちらからも遠い物事などを指す語を遠称と呼びます

● あそこに 行って、あれを 取って 来い。

近称・中称・遠称
【図】近称・中称・遠称

(4) 不定称

「どれ」「どこ」など、遠近がわからない物事を指すとき、あるいは、とくに限定しない物事を指すときに用いる語を不定称と呼びます

● この お店は 広くて、どこに どれが あるのか わからない。

指示代名詞の種類を表のかたちにしてまとめておきましょう。

【表】指示代名詞の種類

  近称 中称 遠称 不定称
物事 これ それ あれ どれ
場所 ここ そこ あそこ どこ
方角

こちら

こっち

そちら

そっち

あちら

あっち

どちら

どっち

★ まとめ ★

【指示代名詞】

 指示代名詞は、物事・場所・方角をさし示す語である。

 指示代名詞は、次のように区別することができる。

 近称 …話し手に近い物事を指す。

 中称 …聞き手に近い物事を指す。

 遠称 …どちらからも遠い物事を指す。

 不定称 …不特定の物事を指す。

▼ 練習問題で理解度チェック

【問題1】

次の文中の丸かっこに入る適当な語を答えなさい。

「代名詞には、大きく分けて(①)と(②)の2種類がある。(①)は、(③)を指して言う語であって、自称・(④)・他称・(⑤)に区別することができる。(②)は、(⑥)・場所・(⑦)を指して言う語であって、近称・中称・(⑧)・(⑤)に区別することができる。(⑦)をさし示す(②)の例として、「こちら」「どちら」などがある。」

【正解】

① 人称代名詞(人代名詞)

② 指示代名詞

③ 人

④ 中称(第二人称、二人称)

⑤ 不定称

⑥ 物事

⑦ 方角(方向)

⑧ 遠称

【解説】

本文で学んだ内容のおさらいです。

本文の表やまとめを見ながら確認しましょう。

【問題2】

次の表の各番号の欄にあてはまる語をそれぞれ答えなさい。

近称 遠称 不定称
これ あれ どれ
そこ

こちら

こっち

そっち

あちら

どっち

【正解】

① 中称

② それ

③ ここ

④ あそこ

⑤ どこ

⑥ そちら

⑦ あっち

⑧ どちら

【解説】

指示代名詞の表を完成させる問題です。本文にある表(指示代名詞の種類)を参考にしながら、空白部分を埋めていきましょう。

指示代名詞には、近称・中称・遠称・不定称の区別があります。それぞれ「こ」「そ」「あ」「ど」ではじまるので、どのような語が入るのかが簡単にわかると思います。

指示代名詞は数が少ないので、表にある語を覚えるようにしましょう。

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