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動詞(1) ― 性質と働き

これから用言の一つである動詞について学んでいきます。動詞は、用言の代表です。動詞について先に学んでおくと、形容詞や形容動詞の勉強が楽になります。

動詞に分類される単語は数多くありますが、それらの単語すべてに共通する性質や働きがあります。まずは、動詞の性質、すなわち、動詞とはどのような単語であるかについて見ていきましょう。その後で、動詞が文中でするさまざまな働きを見ていきます。

▼ 動詞の性質

動詞どうしは、物事の動作・作用・存在をあらわす単語です。次の例文の赤字の単語が動詞であり、それぞれ「どうする」「ある」「いる」といった意味をあらわしています。

● 本を 読む 。 (動作)

● 雨が 降る 。 (作用)

● 山が ある 。  人が いる 。 (存在)

動詞という品詞に分類される単語は、どのような性質をもつのでしょうか。動詞の性質について一つずつ見ていきましょう。「品詞分類表」を見て確かめるようにするとわかりやすいと思います。

(1) 自立語で、活用がある

動詞は、自立語です。すなわち、単独で文節をつくることができる単語です。助動詞や助詞といった付属語が動詞のあとについて、一つの文節をつくることもあります。

そして、動詞は、活用がある単語です。つまり、文中でどのように用いられるかによって語の形が変化します。たとえば、「遊ぶ」という動詞を活用させてみると、次のようになります。

● 遊ぶ 。 遊ば ない  遊ぼ う  遊び ます  遊ぶ とき  遊べ ば  遊べ 。

動詞は、そのすべてが同じようなしかたで活用するわけではありません。動詞の活用のしかたには、いくつかのタイプ・種類があります――五段活用・上一段活用・下一段活用など。それぞれの種類の活用のしかたについてしっかり学ぶことが、国語の動詞を勉強するうえでとても大事なことです。

(2) 言い切りの形がウ段の音で終わる

次の例を見てみましょう。

● 思   聞   話   立   死   読 

上にならべた単語は、すべて動詞です。それぞれの単語の最後(青い字の部分)に注目してください。「う・く・す・つ・ぬ・む」で終わっていますね。これらはすべて五十音図のウ段の音です。

このように、動詞は、言い切るときにその最後が五十音図のウ段のおん(ウ・ク・ス・…)になります。このことは、上の例にあげた単語以外の動詞についてもあてはまります。

もっとも、動詞はその形が変化します(活用します)から、文中ではかならずしもウ段の音で終わる形になるとはかぎりません。ここでは、国語辞典の見出しになる形(言い切りの形)がウ段の音になるということに注意してください。

動詞・形容詞・形容動詞はまとめて用言と呼ばれますが、この三つの品詞の違いは何でしょうか。動詞・形容詞・形容動詞は、いずれも自立語であって活用がある単語であり、また、単独で述語になることができます。これらが用言と呼ばれる品詞の特徴です。ただ、動詞・形容詞・形容動詞は、それぞれ言い切りの形が異なります。すなわち、動詞はウ段音、形容詞は「い」、形容動詞は「だ」で終わるという違いがあります。この違いによって、これら三つの品詞を見分けることができるのです。

(3) 単独で述語になることができる

次の例を見てください。

● 僕は、毎晩必ず動画を 見る 。 (終止形)

● わからないことは、インターネットで 調べろ 。 (命令形)

● 太陽が地平線に 沈み 、月が明るく輝きだした。 (連用形)

それぞれの例文の赤字の部分は、すべて動詞一語からなる文節です。動詞がそれだけで、「なにが―どうする」という文型の「どうする」にあたる文節(述語)をつくっています。

このように、動詞は、ほかの語をともなわずに単独で述語になることができる単語です。名詞など用言以外の品詞も述語になることはできますが、その場合、単独ではなく、付属語をともなうかたちの文節をつくります。

★ まとめ ★

【動詞の性質】

○ 動詞は、次のような性質をもつ。

① 自立語で、活用がある

② 言い切りの形が五十音図のウ段の音で終わる。

③ 単独で述語になることができる。

▼ 動詞の働き

動詞は単独で述語になることができる単語ですが、動詞の働きはそれだけにかぎられません。動詞という単語は、文中でどのような働きをするのでしょうか。一つずつ見ていきましょう。

(1) 述語になる

次の例文を見てください。

● たくさんのきれいな花が 咲く 。 (単独である場合)

● たくさんのきれいな花が 咲い  。 (付属語をともなう場合)

上の二つの例文は、どちらも「なにが―どうする」の文型をなしています。「花が」が「なにが」にあたる文節(主語)であり、「咲く」「咲いた」が「どうする」にあたる文節(述語)です。

このように、動詞には、述語、すなわち、「なにが―どうする」の文型の「どうする」にあたる文節をつくるという働きがあります。この場合、動詞は単独であるか、または、付属語(助動詞・助詞)をともないます。

(2) 修飾語になる

次の例文を見てください。

● 歩く 習慣を身につける。 (連体修飾語)

● もっと早く 起きる ように 努力する。 (連用修飾語)

「歩く」は、動詞ですが、そのあとの「習慣」という語(体言)にかかっています。「歩く」は、体言を修飾する文節、すなわち、連体修飾語です。

また、「起きる」という動詞は、「ように」という付属語をともないながら、「努力する」という語(用言)にかかっています。「起きるように」は、用言を修飾する文節、すなわち連用修飾語です。

このように、動詞は、連体修飾語(体言を修飾)や連用修飾語(用言を修飾)になることができます。連体修飾語になるときは、動詞は単独であるか、または、付属語をともないます。連用修飾語になるときは、かならず付属語をともないます。

(3) 主語になる

次の例文を見てください。

● まじめに 働く のが 最善の方法だ。

● 途中で やめる のは 、もったいない。

「働くのが」という文節は、動詞「働く」に助詞の「の」と「が」がついたものです。「やめるのは」という文節は、動詞「やめる」に助詞の「の」と「は」がついたものです。いずれの文節も、文中において主語の働きをしています。

このように、動詞は、主語になることもできます。この場合、主語の文節は、動詞(連体形)に「…のが」「…のは」「…のも」などがつくかたちになります。

(4) 接続語になる

次の例文を見てください。

● この小説は、いくら 読ん でも 飽きない。

● お腹いっぱい 食べ  寝る。

「読んでも」は、動詞「読む」に接続助詞「ても(でも)」がついた文節です。「食べて」は、動詞「食べる」に接続助詞「て」がついた文節です。いずれの文節も、文中で接続語の働きをしています。

このように、動詞は、接続助詞をともなって接続語の文節をつくることもできます

★ まとめ ★

【動詞の働き】

○ 動詞は、文中で次のような働きをする。

① 述語(「どうする」の文節)になる。

② 修飾語(連体修飾語・連用修飾語)になる。

③ 主語になる(「のが」「のは」「のも」などがつく)。

④ 接続語になる(接続助詞がつく)。

▼ 練習問題で理解度チェック

【問題1】

次の各文中の下線を引いた語が動詞であれば○、動詞でなければ×と答えなさい。

(1) 選手たちの動きにぶくなった。

(2) 本業を決してないがしろにはしない。

(3) そのお店でアルバイトを募集してます。

【正解】

(1) ×  (2) ×  (3) ○

【解説】

ある単語が動詞であるかどうかを見分ける問題です。

(1) 設問文下線部の「動き」は名詞です。これは動詞「動く」の連用形が名詞に転じたもので、このような語を転成名詞と呼びます。直前の文節「選手たちの」が体言にかかる修飾語であることから、「動き」は動詞ではないと判断することができます。

(2) 設問文下線部の「決して」は副詞です。動詞「決する」の連用形に「て」が付いた形と同じであるから、品詞の判別がまぎらわしいことばです。

副詞の「決して」は、否定表現(~ない)がそれに続きます(呼応と言います)。それによって副詞か動詞かを見分けましょう。設問文の「決して」は、「しない」という否定表現があとにありますから、副詞です。これに対して、たとえば、「意を決して三太夫に話をした。」であれば、この場合の「決して」は動詞です。

(3) 設問文下線部の「い」は、動詞「いる」の連用形です。この場合の「いる」は、その本来の意味ではなく、ほかの語のあとに付いて補助的に用いられています。このような動詞をふつうの動詞と区別して補助動詞と言います。補助動詞は「て」「で」のあとにきますから、直前の文節の形に着目するようにしましょう。

【問題2】

次の品詞のうち、述語の働きをするものをすべて答えなさい。

動詞 形容詞 形容動詞 名詞 副詞 連体詞 接続詞 感動詞

【正解】

動詞、形容詞、形容動詞、名詞、副詞

【解説】

述語の働きをもつ品詞を選ぶ問題です。

用言、すなわち、動詞・形容詞・形容動詞は述語になります。これらのほかには、名詞が「何だ」にあたる述語をつくることができます。また、意外ですが、副詞も述語になるときがあります。たとえば、「卒業式はもうすぐだね。」という文の「すぐ」は副詞です。

**

【問題3】

次の各文中の下線を引いた文節について、その働きを後から選んで記号で答えなさい。

(1) 笛を吹き、羊と遊ぶ。

(2) 人の心を疑うのは、最も恥ずべき悪徳だ。

(3) まっすぐに王城に行き着けば、それでよいのだ。

(4) 身代りの友を救うために走るのだ。

ア 述語  イ 修飾語  ウ 主語  エ 接続語

【正解】

(1) ア  (2) ウ  (3) エ  (4) イ

【解説】

動詞には、四つの働きがあります。文節の形や前後の関係に注目しながら動詞の働きを判別しましょう。

(1) 設問文下線部の「吹き」は動詞「吹く」の活用形(連用形)であって、その直後に読点(、)がついて文がいったん途切れています。このような動詞の用法を中止法と言います。

動詞の活用形のうち、終止形(吹く)や命令形(吹け)だけでなく、連用形(吹き)にも述語の用法があります。動詞の活用形については後に扱います。

(2) 動詞は、「のは」「のが」「のも」などの付属語をともなって主語になることができます。設問文下線部の「疑うのは」は、主語の文節です。それに対応する述語は「悪徳だ」の文節です。

(3) 設問文下線部の「行き着けば」は、動詞「行き着く」に接続助詞「ば」がついた形の文節です。この文節は、文中において接続語の働きをしています。

動詞に接続助詞がついたかたちの文節がつねに接続語になるとはかぎりません。たとえば、「メロスは走りながら尋ねた。」という文の下線部の文節は、接続語ではなく連用修飾語です。

なお、「行き着く」という語は二つの動詞からなる表現であると考えてしまいそうですが、そうではありません。実はこれで一つの動詞であって、このような単語を複合動詞と言います。

(4) 設問文下線部の「救う」は、名詞「為」にかかっています。したがって、「救う」の文節は(連体)修飾語です。このように動詞が単独で文節をつくるときは、述語か、または連体修飾語になります。

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