ホーム > 用言 > 動詞(2)活用とその種類

動詞(2) ― 活用とその種類

動詞・形容詞・形容動詞は、活用がある単語ですが、その形には活用によって変化する部分と変化しない部分があります。語幹と活用語尾の区別は、用言の活用を学ぶための基礎知識です。

また、動詞は、そのすべてが一様に活用するわけではありません。動詞の活用のしかたには、いくつかのタイプ・種類があります。

▼ 用言の活用

単語のなかには、文中での用いられ方によってその形が変化するものがあります。単語の形が文中での用いられ方(用法)によって変化することを活用かつようと言います。

品詞のうち活用があるものとしては、動詞・形容詞・形容動詞・助動詞の四つがあります。これらのうち動詞・形容詞・形容動詞は、自立語であり、まとめて用言と呼ばれます。また、助動詞は付属語です。「品詞分類表」を見て確認しておくとよいでしょう。

さて、自立語と付属語のどちらにも活用がある単語があるのですが、自立語の活用の例を次に見てみましょう。

● 動詞「書く」の活用

  ない    ます    た    。    とき    ば    。    う

● 形容詞「美しい」の活用

美し かろ う  美し かっ た  美し  なる  美し  。  美し  とき  美し けれ ば

● 形容動詞「きれいだ」の活用

きれい だろ う  きれい だっ た  きれい  ない  きれい  なる  きれい  。  きれい  とき  きれい なら ば

上の例では、「書く」「美しい」「きれいだ」という単語がさまざまな形に変化しています。しかし、それぞれの単語の形をよく見ると、一つの単語のなかに形が変化する部分(赤字)と形が変化しない部分(太字)とがあることに気づくかと思います。

このように、活用がある自立語(用言)については、その形のなかに活用によって変化する部分と変化しない部分とがあります。活用によって変化しない部分語幹ごかんと言い、活用によって変化する部分活用語尾かつようごびと言います

活用語尾の変化のしかたは、動詞・形容詞・形容動詞のそれぞれで違います。また、動詞のなかでも活用のしかたにはいくつかの種類があります。これについては、次の節に述べます。

**

以上に述べたように、動詞という単語のかたちは語幹と活用語尾とに分けることができるのが原則です。しかし、動詞と呼ばれる単語のなかには、語幹と活用語尾とを区別することができないものも存在します

次にあげる動詞はすべて、語幹と活用語尾の区別がないものです。これらの動詞は、未然形と連用形が1音(1字)だけしかありません。「語幹がない」動詞と呼ばれることもあります。

【語幹と活用語尾の区別がない動詞】

① る る 着る 似る る 見る る  (上一段活用)

② る 出る 寝る る  (下一段活用)

③ 来る  (カ行変格活用)

④ する  (サ行変格活用)

なお、付属語で活用をする単語である助動詞も、語幹と活用語尾の区別はありません。

★ まとめ ★

【用言の活用】

○ 動詞などの活用がある自立語は、そのかたちのなかに語幹(変化しない部分)活用語尾(変化する部分)の区別がある。

○ 動詞のなかには、語幹と活用語尾とを区別することができないものもある。

▼ 動詞の活用の種類

動詞に分類される単語は数多くありますが、それぞれの単語の活用のしかたはいくつかの種類に分類されます。動詞の活用のしかたは、次の表のように、全部で5種類あります

【表】動詞の活用の種類

動詞の活用の種類 説明

五段ごだん活用

五十音図のア・イ・ウ・エ・オの五つの段にわたって活用する。「読む」「買う」など。

上一段かみいちだん活用

五十音図のイ段だけで活用する。「見る」「起きる」など。

下一段しもいちだん活用

五十音図のエ段だけで活用する。「出る」「教える」など。

カ行変格へんかく活用

来る」一語だけの活用。

サ行変格活用 する」「―する(ずる)」だけの活用。

それぞれの活用の種類が具体的にどのような活用をするかについては、それぞれの活用の種類について解説したページを参照してください。

動詞のほとんどは、五段活用・上一段活用・下一段活用のいずれかのしかたで活用をします。しかし、動詞のなかには、それらの種類のいずれにもあてはまらない特殊な活用のしかたをするものもあります。そのような活用のしかたを変格へんかく活用と呼びます。口語文法の変格活用には、カ行変格活用とサ行変格活用の2種類があります。

★ まとめ ★

【動詞の活用の種類】

○ 動詞の活用のしかたには、五段活用上一段活用下一段活用カ行変格活用サ行変格活用の5種類がある。

▼ 練習問題で理解度チェック

【問題1】

次の各単語の語幹を答えなさい。なお、語幹と活用語尾の区別のないものは、「なし」と答えなさい。

(1) 行く  (2) 来る  (3) 出る  (4) 重んじる  (5) 重んずる

(6) 暖かい (7) 暖かだ (8) そうだ (9) そんなだ

【正解】 

(1) い(行)  (2) なし  (3) なし  (4) おもん(重ん)

(5) おもん(重ん)  (6) あたたか(暖か)  (7) あたたか(暖か)

(8) なし  (9) そんな

【解説】

まずは、それぞれの単語の後ろに「ない」「た(ます)」「とき」「ば」などの語をくっつけて活用させてみましょう。単語を活用させてみて形が変化しない部分がその単語の語幹です。ただし、「見る」「経る」などのように、語幹と活用語尾が区別できないものもあるので注意してください。

(1) 「いく(行く)」を活用させると、いか(ない)・いっ(た)・いく(とき)・いけ(ば)・…となります。よって、「行く」の語幹は「い(行)」です。ちなみに、「行く」はカ行五段活用の動詞です。

(2) 「くる(来る)」を活用させると、こ(ない)・き(た)・くる(とき)・くれ(ば)・…となります。このように、「来る」という動詞には、語幹と活用語尾の区別がありません。「来る」は、唯一のカ行変格活用の動詞です。

(3) 「でる(出る)」を活用させると、で(ない)・で(た)・でる(とき)・でれ(ば)・…となります。このように、「出る」には「で(出)」の一音だけからなる活用形があります。したがって、語幹と活用語尾の区別がつきません。ちなみに、「出る」はダ行下一段活用の動詞です。

(4) 「おもんじる(重んじる)」を活用させると、おもんじ(ない)・おもんじ(た)・おもんじる(とき)・おもんじれ(ば)・…となります。

一見すると、「おもんじ(重んじ)」が語幹であるように思われます。しかしそれだと、活用形によっては活用語尾がないことになります。そこで、「おもん(重ん)」までが語幹であり、「じ」から後ろが活用語尾であると考えます。

ちなみに、「重んじる」はザ行上一段活用の動詞です。

(5) 「おもんずる(重んずる)」を活用させると、おもんじ(ない)・おもんじ(た)・おもんずる(とき)・おもんずれ(ば)・…となります。よって、「重んずる」の語幹は「おもん(重ん)」となります。

「重んずる」という動詞は(4)の「重んじる」に類似していますが別の語です。「重んずる」のほうは、サ行変格活用の動詞です。

(6) 「あたたかい(暖かい)」を活用させると、あたたかく(ない)・あたたかかっ(た)・あたたかい(とき)・あたたかけれ(ば)・…となります。よって、「暖かい」の語幹は「あたたか(暖か)」です。ちなみに、「暖かい」は、動詞ではなく形容詞です。

(7) 「あたたかだ(暖かだ)」を活用させると、あたたかで(ない)・あたたかだっ(た)・あたたかな(とき)・あたたかなら(ば)・…となります。よって、「暖かだ」の語幹も「あたたか(暖か)」になります。なお、「暖かだ」は形容動詞です。

(8) 「そうだ」という単語は、助動詞の一つです。助動詞には、語幹と活用語尾の区別がありません。

(9) 「そんなだ」を活用させると、そんなで(ない)・そんなだっ(た)・そんななら(ば)・…となります。したがって、語幹は「そんな」です。

「そんなだ」は、特別な活用をする形容動詞であって、連体形がありません。体言(とき)につくときは、語幹「そんな」がそのままついて「そんなとき」のようになります。「そんな」を連体詞とする考え方もあります。

【問題2】

次の各動詞の活用の種類をそれぞれ答えなさい。

(1) 遊ぶ  (2) 来る  (3) 用いる  (4) 並べる  (5) 旅行する

【正解】 

(1) 五段活用  (2) カ行変格活用(カ変)  (3) 上一段活用  (4) 下一段活用  (5) サ行変格活用(サ変)

【解説】

動詞の活用の種類を判別する問題です。いまはわからなくてもかまいません。動詞の活用の種類について一通り学んだ後で挑戦してみてください。

(1) 「あそぶ(遊ぶ)」は、あそば(ない)・あそび(ます)・あそぶ(。)・あそぶ(とき)・あそべ(ば)・あそべ(。)・あそぼ(う)、というように活用する動詞です。五十音図のア・イ・ウ・エ・オの五つの段すべてにわたって活用していますから、五段活用です。

(2) 「来る」という動詞は、カ行変格活用をすると覚えましょう。カ行変格活用の動詞は、「来る」だけです。

(3) 「もちいる(用いる)」という動詞は、もちい(ない)・もちい(ます)・もちいる(。)・もちいる(とき)・もちいれ(ば)・…というように活用します。このように、活用語尾がイ・イ・イる・イる・イれ・…となるのは、上一段活用の動詞の特徴です。

(4) 「ならべる(並べる)」という動詞は、ならべ(ない)・ならべ(ます)・ならべる(。)・ならべる(とき)・ならべれ(ば)・…というように活用します。このように、活用語尾がエ・エ・エる・エる・エれ・…となるのは、下一段活用の動詞の特徴です。

(5) 「―する」というかたちの動詞は、サ行変格活用をすると覚えましょう。ちなみに、「旅行する」は、「旅行」と「する」からなる複合動詞です。

▼ コメント

 このページの内容に関して、ご質問やご指摘などを書き込むことができます。また、掲示板のほうにも、本サイトへの皆様のご意見・ご要望をぜひお寄せください。

サイト内検索

サイト内検索

スポンサードリンク