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動詞(5)上一段活用

要点のまとめ

■ 上一段活用

上一段活用かみいちだんかつよう……五十音図のイ段だけで活用。

未然形 連用形 終止形 連体形 仮定形 命令形
イ イ イる イる イれ イろ
イよ

(語例) 見る 着る 閉じる 落ちる

上一段活用の動詞には、語幹と活用語尾の区別がないものがある。

(語例) 居いる 着きる 似にる 見みる

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解説

1 上一段活用

上一段活用かみいちだんかつようとは、五十音図のイ段だけで活用するような動詞の活用のしかたをいいます。➡動詞(2)活用とその種類

たとえば、動詞の「起きる」を活用させると、次のようになります。

起き ナイ  (未然形)

起き マス  (連用形)

起きる 。  (終止形)

起きる トキ (連体形)

起きれ バ  (仮定形)

起きろ 。  (命令形)

起きよ 。  (命令形)

〔太字=語幹、赤字=活用語尾〕

「起きる」の未然形から命令形までの活用語尾を見ると、すべての活用形の活用語尾にイ段の音おん「き」が入っていることがわかります。

「上一段」活用とよぶのは、五十音図の中央のウ段より上﹅の一段﹅﹅(イ段)で活用するからです。

「起きる」の語幹は、「起き」ではなく、「起(お)」の部分だけであることに注意してください。

語幹にイ段音(「起き」の「き」)がふくまれないのは、イ段音をふくめてしまうと、未然形や連用形の活用語尾がなくなってしまうからです。

上一段活用を表にしてまとめると、次のようになります。➡動詞(3)活用形とその用法

【表】上一段活用

★スマートフォンの方は、横にスクロールさせてください。

未然形 連用形 終止形 連体形 仮定形 命令形
―イ ―イ ―イる ―イる ―イれ ―イろ
―イよ
ナイ
ヨウ
マス
タ
言い切る トキ バ 命令して
言い切る

※ 「―イ」は、活用語尾がイ段の音(い・き・ぎ・じ・…)であることを表しています。

上一段活用は、上の表の音をくり返し声に出すなどして覚えましょう。

*

上一段活用の動詞のなかには、語幹と活用語尾の区別がないものもあります。

語幹と活用語尾の区別がない上一段動詞

居いる 射いる 着きる 似にる 煮にる 見みる

2 上一段活用動詞の活用表

上一段活用動詞の活用表は、次のようになります。

【表】上一段活用動詞の活用表

★スマートフォンの方は、横にスクロールさせてください。

行 基本形 語幹 未然形 連用形 終止形 連体形 仮定形 命令形
用法 ナイ
ヨウ
マス
タ
言い切る トキ バ 命令して
言い切る
ア 射(い) る 〇 い い いる いる いれ いろ
いよ
カ 着(き) る 〇 き き きる きる きれ きろ
きよ
ガ 過 ぎ る す(過) ―ぎ ―ぎ ―ぎる ―ぎる ―ぎれ ―ぎろ
―ぎよ
ザ 閉 じ る と(閉) ―じ ―じ ―じる ―じる ―じれ ―じろ
―じよ
タ 落 ち る お(落) ―ち ―ち ―ちる ―ちる ―ちれ ―ちろ
―ちよ
ナ 煮(に) る 〇 に に にる にる にれ にろ
によ
バ 伸 び る の(伸) ―び ―び ―びる ―びる ―びれ ―びろ
―びよ
マ 見(み) る 〇 み み みる みる みれ みろ
みよ
ラ 借 り る か(借) ―り ―り ―りる ―りる ―りれ ―りろ
―りよ

※ 語幹の欄らんの「〇」は、語幹と活用語尾の区別がないことを表しています。

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練習問題

問題

次の各文中の( )に、後の動詞を適当な活用形に直して入れなさい。

(1) もうすぐ皆既日食かいきにっしょくを( )ことができます。[見る]

(2) 自分で確かめるまでは、けっして( )ない。[信じる]

(3) 隣の席の人から消しゴムを( )た。[借りる]

(4) もっと早く( )ば、遅刻しなかった。[起きる]

【アドバイス】

上一段動詞の活用形を答える問題です。

動詞の活用形は、文中での用法、すなわち、動詞に続く語や符号ふごうによって決まります。カッコの直後に注目して、うまく当てはまる活用形を考えましょう。

(1) 「こと」は体言(名詞)なので、その直前には連体形が来ます。

(2) 「ない」は、動詞の未然形に付つく助動詞です。

(3) 「た」は、用言の連用形に付く助動詞です。

(4) 「ば」は、活用語の仮定形に付く助詞です。

解答

(1) 見る

(2) 信じ

(3) 借り

(4) 起きれ

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