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動詞(7) ― カ行変格活用・サ行変格活用

「来る」と「する」という動詞は、五段活用・上一段活用・下一段活用のいずれでもない特殊な活用のしかたをします。「来る」の活用のしかたをカ行変格活用(カ変)と言い、「する」の活用のしかたをサ行変格活用(サ変)と言います。カ変とサ変それぞれの活用のしかたをしっかりと覚えましょう。

▼ カ行変格活用(カ変)とは

来る」という動詞を活用させると、次のようになります。

 ない  (未然形)

 ます  (連用形)

くる 。  (終止形)

くる とき (連体形)

くれ ば  (仮定形)

こい 。  (命令形)

この活用のしかたは、五段活用・上一段活用・下一段活用のいずれにもあてはまりません。「来る」は、このように特殊な活用をする動詞です。

来る」がする活用のしかたを行変格活用ぎょうへんかくかつようと言います。カ行変格活用は、「来る」だけにみられる特殊な活用のしかたであって、「カ変」と省略して呼ぶこともあります。

動詞の多くは五段活用・上一段活用・下一段活用のいずれかの活用をしますが、それらのどれにもあてはまらない特殊な活用のしかたをする動詞もあります。そのような不規則な活用のしかたを変格活用と言います。変格活用には、「来る」のカ行変格活用と、「する」のサ行変格活用の2種類があります。

カ行変格活用をイメージしやすいように表のかたちにしてみます。

未然形 連用形 終止形 連体形 仮定形 命令形
くる くる くれ こい

ナイ

ヨウ

マス

言い切る

トキ

命令して

言い切る

表の3段目は、それぞれの活用形の用法です。ナイ・ヨウ・マス・タなどは、それぞれの活用形につく代表的な語です。

上の表の赤字の音をくり返し声に出すなどして、カ変の活用のしかたを覚えましょう。

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上の表を見てわかるように、「来る」という動詞には語幹と活用語尾の区別がありません。同じ「来」という漢字が、活用形によってちがった読み方になりますね。

★ まとめ ★

【動詞のカ行変格活用】

○ カ行変格活用は、「来る」だけにみられる特殊な活用のしかたである。具体的には、本文の表を参照すること。

○ 「来る」には、語幹と活用語尾の区別がない。

▼ サ行変格活用(サ変)とは

「する」という動詞を活用させると、次のようになります。

 ない  (未然形)

 ぬ   (未然形)

 れる  (未然形)

 ます  (連用形)

する 。  (終止形)

する とき (連体形)

すれ ば  (仮定形)

しろ 。  (命令形)

せよ 。  (命令形)

このように、「する」もまた、五段活用・上一段活用・下一段活用のいずれでもない特殊な活用をする動詞です。

する」にみられる活用のしかたを行変格活用ぎょうへんかくかつようと言います。「サ変」と省略して呼ぶこともあります。サ行変格活用をする動詞は、「する」とその複合動詞「―する(ずる)」だけです

サ行変格活用をイメージしやすいように表のかたちにしてみます。

未然形 連用形 終止形 連体形 仮定形 命令形

する する すれ

しろ

せよ

ナイ

レル

マス

言い切る

トキ

命令して

言い切る

表の3段目は、それぞれの活用形の用法です。ナイ・ヌ・レル・マスなどは、それぞれの活用形につく代表的な語です。

上の表の赤字の音をくり返し声に出すなどして、サ変の活用のしかたを覚えましょう。

なお、表を見てわかるように、「する」という動詞には語幹と活用語尾の区別がないことに注意してください。(複合動詞「―する(ずる)」には語幹があります。)

**

ところで、「する」という動詞は、さまざまな語と結びついて「―する(ずる)」の形の複合動詞をつくります。その数は多く、すべてサ行変格活用の動詞になります。次にその例を挙げてみましょう。

① たびする うわさする くよくよする (和語との複合)

② 勉強する 前進する 発展する 成功する (漢語との複合)

③ ドライブする バックする アップする (外来語との複合)

④ 愛する 略する 要する 害する (一字の漢語との複合)

⑤ 信ずる 命ずる 生ずる 通ずる (同上)

⑥ 重んずる 軽んずる うとんずる 甘んずる (形容詞との複合)

⑦ 先んずる そらんずる (「先に」「そらに」との複合)

上の語例の④は、サ行五段活用の動詞も存在します(「愛す」「略す」「要す」「害す」)。また、⑤⑥⑦には、ザ行上一段活用の動詞も存在します(「信じる」「重んじる」「先んじる」など)。なお、⑤⑥⑦の動詞の活用語尾は「ずる」になっていますが、これらは「する」が濁音化したものです。したがって、これらも「サ行」変格活用の動詞であるとかんがえます。

★ まとめ ★

【動詞のサ行変格活用】

○ サ行変格活用は、「する」とその複合動詞「―する(ずる)」だけにみられる特殊な活用のしかたである。具体的には、本文の表を参照すること。

○ 「する」には、語幹と活用語尾の区別がない。

▼ 練習問題で理解度チェック

【問題1】

次の各文のカッコ内に、動詞「来る」を適当な形に活用させて入れ、その形をひらがなで答えなさい。

(1) 同じ道を行ったり( )たりする。

(2) 業者が冷蔵庫を引き取りに( )らしい。

(3) ここまで( )ばもう安心だ。

(4) 「君が荷物を受け取りに( )。」と言われた。

【正解】

(1) き  (2) くる  (3) くれ  (4) こい

【解説】

「来る」の文中における活用形をかんがえる問題です。カッコ直後の語や文全体の意味をかんがえ合わせて、どのような活用形があてはまるかをかんがえましょう。

(1) 「たり」は、活用語の連用形につく助詞です。カッコ内に入るのは、「来る」の連用形「き」です。

(2) 「らしい」は、動詞などの終止形につく助動詞です。カッコ内に入るのは、終止形「くる」です。

(3) 「ば」は、活用語の仮定形につく助詞です。カッコ内に入るのは、「来る」の仮定形「くれ」です。

(4) 直後が句点(。)であることに注目しましょう。そうすると、カッコ内に入るのは言い切る形、すなわち終止形または命令形になります。さらに文全体の意味をかんがえると、命令形を入れるのが適当であるとわかります。したがって、カッコ内には「来る」の命令形「こい」が入ります。

【問題2】

次の各文中からサ行変格活用の動詞を抜き出して、活用形とともに答えなさい。

(1) 今日は、宿題をしなければならない。

(2) 彼女にメールしても、返事がなかった。

(3) 君の好きにすればいいと思うよ。

(4) 自分の部屋くらい掃除しろ。

【正解】

(1) し―未然形  (2) メールし―連用形  (3) すれ―仮定形   (4) 掃除しろ―命令形

【解説】

サ行変格活用の動詞を見分けるためには、まずその活用形をしっかり覚えるようにすることです。文中にサ変の活用形のような形を見つけたら、その直後に注目してその活用形がきてもよいかどうかを判断しましょう。

(1) 設問文中の「し」がサ変の未然形の一つおよび連用形と同じ形です。その直後に「なけれ(ない)」がありますが、これは動詞の未然形につく助動詞です。よって、文中の「し」は「する」の未然形であると判断することができます。

なお、「する」の未然形には三つの形がありますが、それらのうちのどの形になるかは連なる語によって決まります。「し」はナイ・タイ・ヨウなど、「せ」はヌ、「さ」はセル・レルに連なります。

(2) 設問文中の「し」がサ変の未然形の一つおよび連用形と同じ形です。その直後に「ても」がきていますが、これは連用形につく助詞です。よって、文中の「し」はサ変動詞の連用形であると判断することができます。

ただし、ここで注意してほしいのは、「し」とその直前の「メール」とは別々の単語ではないということです。「メールする」は複合動詞であり、これで一つのサ変動詞です。その連用形は、「メールし」になります。

(3) 設問文中の「すれ」がサ変の仮定形と同じ形です。その直後にきている「ば」は、活用語の仮定形につく助詞です。よって、文中の「すれ」は「する」の仮定形であることがわかります。

(4) 設問文中の「しろ」がサ変の命令形の一つと同じ形をしています。文意から命令して言い切っていると判断できるから、「しろ」はサ変動詞の命令形であると判断できます。ただ、「しろ」はその直前の「掃除」と別個の単語ではなく、「掃除しろ」で一つのサ変動詞です。その命令形は、「掃除しろ」になります。

なお、もし「掃除する」ではなく、「掃除する」という形であればどうでしょうか。この場合には一つの単語ではなく、「掃除」+「を」+「する」というように三つの単語からなることを知っておくとよいでしょう。

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