国語の文法
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「な」の識別

要点のまとめ

■ 「な」という語には、次のようなものがある。

① 形容動詞の活用語尾

「な」を「だ」や「に」に置きかえることができる(活用がある)。

〔おだやかな 海だ。→ おだやかだ〕

② 助動詞「だ」の連体形

体言につき、直後に「の・ので・のに」が続く。

〔雨なので、傘を さす。〕

③ 助動詞「そうだ」「ようだ」の連体形の一部

「そうな」「ような」の形になっている。

〔雨が 降りそうな 天気だ。〕

〔滝のような 雨が 降る。〕

④ 連体詞の一部

「な」を「だ」や「に」に置きかえることができない(活用がない)。

〔小さな 魚が 泳ぐ。→小さだ ✖〕

⑤ 終助詞「な」

文末にある。活用語の終止形につく。

〔道路で 遊ぶな。〕

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解説

「な」という語の識別しきべつのしかた(見分け方)について解説します。

次の例文を見てください。

【A】おだやかな 海だ。

【B】雨なので、傘を さす。

【C】雨が 降りそうな 天気だ。

【D】小さな 魚が 泳ぐ。

【E】道路で 遊ぶな。

各例文の下線部は、いずれも「な」を含む語句です。ただし、文法上の性質・種類は、それぞれちがっています。

(1) 形容動詞の活用語尾

例文Aの「な」は、形容動詞の(連体形の)活用語尾です。

形容動詞は、活用がある語で、「―だ」(終止形)や「―に」(連用形)などの形に変化させることができます。

例文Aの「おだやかな」も、「おだやかだ﹅」や「おだやかに﹅」のように、「な」を「だ」や「に」に置きかえることができます。

ちなみに、断定の助動詞「だ」の活用形には、「な」(連体形)はありますが、「に」はありません。

(2) 助動詞「だ」の連体形

例文Bの「な」は、助動詞「だ」の連体形です。

助動詞「だ」の連体形の「な」には、直後に助詞の「の・ので・のに」が続く用法しかありません。

形容動詞の連体形「―な」であれば、直後に体言を続けることができます。

しかし、助動詞「だ」の連体形「な」は、「雨な天気」というように体言を続けることはできません。

テクニック★助動詞「だ」と形容動詞の違い

① 連用形の「に」がない。

② 連体形「な」につくのは、助詞「の・のに・ので」だけである。

また、助動詞「だ」には、主に体言に接続するという性質があります。

(3) 助動詞「そうだ」「ようだ」の連体形の一部

例文Cの「な」は、助動詞「そうだ」の連体形(「ような」)の一部です。

「そうだ」と同じように、連体形が「な」で終わる助動詞に「ようだ」があります。

「そうな」「ような」は、その語の形によって助動詞であると判断することができます。

(4) 連体詞の一部

例文Dの「な」は、連体詞の一部です。

連体詞は活用しない語ですから、形容動詞や助動詞のように、「な」を「だ」や「に」などに置きかえることができません。

例文Dの「小さな」も、「小さだ」や「小さに」の形に変えることはできません。

(5) 終助詞

例文Eの「な」は、終助詞です。

終助詞は、一般に文末に置かれます。

また、終助詞の「な」は、活用語(用言・助動詞)の終止形につきます。

終助詞の「な」には、禁止の意味と感動の意味の2種類があります。

どちらも活用語の終止形に接続しますが、禁止の意味はとくに動詞の終止形に接続します。

● 廊下を 走るな。(禁止)

● 国語は おもしろいな(なあ)。(感動)

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練習問題

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