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終助詞の働き

要点のまとめ

■ 終助詞とは

終助詞しゅうじょし … 主に文末に付ついて、さまざまな意味を表す働きをする。

■ 終助詞の働き

終助詞は、疑問ぎもん・反語はんご・禁止きんし・感動かんどう・勧誘かんゆう・念ねんを押おす・呼よびかけなどを表す。

(例) いま何時ですか。(疑問)

(例) 遊んでばかりいてよいのだろうか。(反語)

(例) よそ見をするな。(禁止)

(例) いい人だな(なあ)。(感動)

(例) いっしょに行こうよ。(勧誘)

(例) 約束だよ。(念を押す)

(例) 雨よ、降れ。(呼びかけ)

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解説

助詞の種類の一つである終助詞しゅうじょしについて解説します。

終助詞とはなにか、どのような働きをするかを見ていきましょう。

1 終助詞とは

次の例を見てください。

【A】外は、寒いです。

【B】外は、寒いです か 。

Aの文の末尾まつびに「か」を付つけ加えたのがBの文です。

Aの文は、ある事柄ことがらをそのまま述のべただけです。

それに対して、Bの文は、その事柄が本当かどうかを聞き手にたずねるような文です。

この例から考えると、「か」という語(助詞)には事柄に対する疑問ぎもんを表す働きがあるということがわかります。

また、次の例も見てみましょう。

【C】この料理は、おいしい。

【D】この料理は、おいしい な(なあ)。

Cの文の末尾に「な(なあ)」を付け加えたのがDの文です。

Cの文もDの文も、ある事柄をそのまま述べた文ですが、微妙びみょうな意味のちがいがあります。

Dの文は、文末に「な(なあ)」が付くことによって、その事柄にこころを動かされているようすが表れされています。

この例から、「な(なあ)」という語(助詞)には感動を言い表す働きがあることがわかります。

*

以上から、「か」や「な(なあ)」といった語が文末に付くことによって、文の内容に対する疑問や感動などの意味が表されることがわかります。

このように、文の終わりに付いて、さまざまな意味を表す働きをする助詞を終助詞しゅうじょしといいます。

終助詞とされる語にはどのようなものがあるかや、主な終助詞の意味・用法については、「主な終助詞の用法」のページを参照してください。

もっと知る

終助詞のなかには、主に女性が用いるものとされている語(女性語じょせいご)が多くあります。(「かしら・こと・わ・もの・わよ」など)。

・これは何 かしら 。

・すてきな洋服だ わ 。

**

終助詞は主に文末に付きますが、なかには文節の切れ目に付くものもあります(「ね・さ・よ」など)。

今日は ね終助 、わたしの誕生日な の終助 。

タマ や終助 、ごはんだ よ終助 。

終助詞とされる語のなかで文節の切れ目にも付くものをとくに間投助詞かんとうじょしと呼んで区別する考え方もあります。

2 終助詞の働き

すでに見たように、終助詞にはさまざまな意味を表す働きがあります。

終助詞の意味の主なものとして、次のようなものがあります。

(1) 疑問ぎもん

わからないことを聞き手にたずねたり、話し手自身に問とうたり(質問)することを表します。

いま何時です か 。

これから何をしよう か 。

(2) 反語はんご

いちおう疑問の形で述のべてはいるものの、実はけっしてそうではないということを強調するための表現のしかたを反語といいます。

遊んでばかりいてよいのだろう か 。(いや、よくない。)

この例では、「遊んでばかりいてはよくない。」が本当に言いたいことです。

(3) 禁止きんし

聞き手に対してそれをしないように命じます。

よそ見をする な 。

(4) 感動かんどう

心が強く動かされることを表します。詠嘆えいたんともいいます。

いい人だ な(なあ) 。

これはすごい や 。

(5) 勧誘かんゆう

聞き手に対してそうするように誘さそうことを表します。

いっしょに行こう よ 。

(6) 念ねんを押おす

聞き手や話し手自身に念をおす(確かめる)気持ちを表します。

約束だ よ 。

始める ぞ 。

(7) 呼よびかけ

だれか(なにか)に対して呼びかけることを表します。

おじいさん や 、ごはんですよ。

雨 よ 、降れ。

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練習問題

問題

次の各文中の下線部(終助詞)の働きとして適当なものを後のアからエの中から選んで、記号で答えなさい。

(1) そんな悪いことが許ゆるされるだろうか。

(2) そろそろ休憩きゅうけいしようよ。

(3) どんな色が好きですか。

(4) 今日の富士山ふじさんはきれいだなあ。

ア 疑問

イ 反語

ウ 感動

エ 勧誘

【考え方】

一つひとつの終助詞は決まった意味を表しますが、一つの終助詞がいくつかの意味を持つこともあります。

文中の終助詞がどのような意味を表しているのかを文全体の内容から判断しましょう。

(個々の終助詞の意味・用法については、「主な終助詞の用法」のページを参照してください。)

(1) 「悪いことが許されるか」と問われれば、「いや、許されない」と答えるのが当然であって、実はそれが話し手が本当に言いたいことです。

このように、聞き手に対してわざと疑問の形にして問いかけることによって、それとは逆のことを正しいと思わせるためのレトリックを、反語といいます。

(2) 聞き手に対して休憩するようにすすめています。つまり、「よ」は勧誘を表しています。

(3) 聞き手に対して好きな色をたずねています。つまり、「か」は疑問(質問)を表しています。

(4) 富士山がきれいであることに話し手の心が動かされるようすを表しています。つまり、「なあ」は感動(詠嘆えいたん)を表しています。


【答】

(1) イ

(2) エ

(3) ア

(4) ウ

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