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ホーム > 活用のない自立語 > 副詞(1)性質と働き

副詞(1)性質と働き

要点のまとめ

■ 副詞の性質

副詞ふくし……活用かつようがない自立語じりつごで、主おもに用言ようげんを修飾しゅうしょくする。

(例) ゆっくり食べる 動詞 。 とても暖かい 形容詞 。

■ 副詞の働き

副詞は、単独で用言・体言たいげんなどを修飾する。

① 連用修飾語れんようしゅうしょくごになる

(例) しばらく続く 動詞 。 かなり急だ形容動詞。

② 連体修飾語れんたいしゅうしょくごになる

(例) もっと先名詞だ。

③ 他の副詞や連体詞を修飾する

(例) もっとゆっくり  副詞  歩こう。

(例) かなり大きな 連体詞 音がした。

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解説

1 副詞の性質

副詞ふくしは、主おもに用言を修飾する(連用修飾語になる)単語です。➡文節の働き(2)修飾語

ご飯を ゆっくり 食べる 動詞  。

今日は、とても 暖かい 形容詞  。

国語が すこし 得意だ 形容動詞  。

もっと知る

連用修飾語になる自立語は、副詞だけとはかぎりません。

次の例のように、副詞のほかに、名詞・形容詞・形容動詞・動詞も連用修飾語になることがあります。

・バラが たくさん 咲さいた。(副詞)

・バラが きのう 咲いた。(名詞)

・バラが 美しく 咲いた。(形容詞)

・バラが きれいに 咲いた。(形容動詞)

・バラが 誇るように 咲いた。(動詞+助動詞)

*

副詞は、活用がない自立語である点で名詞と同じです。

(自立語については「単語の分類(1)自立語と付属語」のページを、活用については「単語の分類(2)単語の活用」のページ)

文中での用法(文がそこで切れるか続くか、どんな語がそのあとに続くか)によってその形が変化することはありません。つまり、活用かつようがない単語です。

しかし、名詞は主語しゅごになるのに対して、副詞は主語になることがありません。(「が」「は」などを付つけて、「ゆっくりが﹅」「とてもは﹅」などと表現することができません。)

(主語については、「文節の働き(1)主語・述語」のページを参照してください。)

2 副詞の働き

副詞は、ふつう単独﹅﹅で修飾語になります。

「はっきり」「すぐ」などの副詞は、「はっきりと﹅」「すぐに﹅」というように、語尾ごびに「と」や「に」をともなうがことがあります。その場合も、1語の副詞です。

(1) 連用修飾語れんようしゅうしょくごになる

副詞の主な働きは、用言(動詞・形容詞・形容動詞)を修飾する、すなわち連用修飾語になることです。

雨の日が しばらく 続く 動詞  。

気温が ずいぶん 高い 形容詞  。

この坂は、かなり 急だ形容動詞 。

(2) 連体修飾語れんたいしゅうしょくごになる

副詞には、体言(名詞)を修飾する、すなわち連体修飾語になる働きがあります。

目的地は、もっと 先名詞 だ。

副詞のなかには、「の」(助詞)をともなう形で体言を修飾するものもあります。

・もう しばらく の 我慢がまん だ。

・よほど の 覚悟かくご がいる。

(3) 副詞や連体詞れんたいしを修飾する

副詞は、用言や体言だけでなく、他の副詞や連体詞を修飾することもあります。

もっと ゆっくり  副詞   歩こう。

かなり 大きな 連体詞  音がした。

もっと知る

副詞のなかには、「だ」「です」などの付属語をともなって述語じゅつごになるものもあります。

・駅までもう すぐ だ 。

・ここは、昔から そう です 。

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練習問題

問題1

次の各文の中から副詞を一つずつ抜き出して答えなさい。なお、文中に副詞がない場合には、✕と答えなさい。

(1) 富士山ふじさんがはっきりと見える。

(2) 到着した後すぐに連絡れんらくした。

(3) 警報けいほうが鳴ったら、直ただちに避難ひなんしろ。

(4) ときどきさびしくなることがある。

(5) 昨夜のうちに雪が静かに積もった。

(6) 注文した商品が今とどいた。

【考え方】

副詞は、主に用言を修飾する単語です。まずは、用言を修飾する文節をさがしてみましょう。

ある語が副詞かどうか迷う場合には、活用があるかどうか(副詞には活用がない)、主語になるかどうか(副詞は主語にならない)といったことに着目して見分けるようにします。

(1)の文の「はっきりと」は、「見える」を修飾しています。

「はっきり」は、それだけでも、末尾まつびに「と」が付いた形でも用いることができる副詞です。

副詞のなかには、このように末尾に「と」が付くものが多くあります。

(2)の文の「すぐに」は、「連絡した」を修飾しています。

「すぐ」は、それだけでも、末尾に「に」が付いた形でも用いることができる副詞です。

(3)の文の「直ちに」は、「避難しろ」を修飾しています。

「直ちに」は、活用がない単語ですので(「直ちな﹅」などと形を変えることができない)、副詞です。

(4)の文の「ときどき」は、「ある」を修飾しています。

「ときどき」は、活用がなく、また、主語にならないので、副詞です。

(4)の「さびしく」や(5)の「静かに」は、活用があるので、副詞ではありません(形容詞「さびしい」や形容動詞「静かだ」の連用形)。

(6)の「今」は、「今が、チャンスだ。」というように主語になるので、副詞ではありません(名詞です)。

【答】

(1) はっきりと

(2) すぐに

(3) 直ちに

(4) ときどき

(5) ✕

(6) ✕

*

問題2

次の各文中の下線を引いた文節の働きを後から選び、記号で答えなさい。

(1) 深夜にふと目が覚さめる。

(2) 若者のほうがよほどしっかりしている。

(3) とても小さな人形が飾かざってある。

(4) それは、かなり前の話だ。

ア 用言を修飾する

イ 体言を修飾する

ウ 副詞を修飾する

エ 連体詞を修飾する

【考え方】

本文で述べたように、副詞には、用言を修飾するという働きのほかに、体言や他の副詞、連体詞を修飾するという働きもあります。

文中の副詞がどの語を修飾しているかを文節どうしの意味のつながりから判断しましょう。

【答】

(1) ア

(2) ウ

(3) エ

(4) イ

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